街を歩く

はりまや橋でテレビクルー発見

土佐の高知、という言い方がある。これはちょっと気にかかる言い方だが、現行の地名で言えば高知県の高知市と高知がダブってくる。ただ、旧国表記で言えば土佐国の高知の御城下ということになる。同じような言い方になるのは駿河国の駿府、甲斐国の甲府みたいなことか。織田信長のように、国を取るたびにお引越しをした場合は新都建設になる。美濃の岐阜城下がその典型だ。土佐の高知もこちらに近い。
そもそも、高知は山内一豊が高知に入国した時、新しく作り上げた城と城下町で成り立ちは比較的新しい。奈良平安時代から続く国府のような伝統ある(伝統のありすぎる)街とは違うので、都市計画に沿った開発が行われた、いわば江戸時代のニュータウンだ。
そのニュータウンのおへそになるような場所が「はりまや橋」らしい。お江戸でいえば日本橋みたいなものだろうか。そう考えると、土佐の高知のはりまや橋……………というフレーズは、お江戸日本橋と同じか。

このはりまや橋が、夜になるとライトアップされている。昼間に電車が通り過ぎるビジネスタイムな時間帯に訪れると、がっかりする名所だななどと思うのだが、夜になればその雰囲気がガラリと変わる。こじんまりしているからこそ風情が出てくる。
ただ、この時間、高知市民はどこぞの店の中で酔いしれているのか、橋の周りには誰もいない。ちょっと勿体無い気もする。

そんな、夜の始まりくらいの時間に、黒づくめの怪しい集団が歩いていたのは、はりまや橋横にある帯屋町アーケードだった。一見してすぐわかるカメラとマイクを持ったこの集団、どうやら獲物を探しているらしい。ここは、我が大好物テレビ番組「秘密の県◯ショー」で、必ずインタビューをしている場所だ。
インタビューに応じる面白人間、高知市民を探しているように見える。ただ、休日の高知市は夜が早い。人出はすでに少ない。ここからはりまや橋の反対側方向に向かえば、おそらく歩行者はまばらにいるが、その大部分が酔っ払いになってしまうので、アーケードの中を素面な通行人をを求めて彷徨っているのだろう。
次回の「愉快な高知県民」のテーマは何なのだろう。放映が楽しみだな。

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