
渋谷区の公衆トイレが色々と物議を醸しているのはニュースで知っていた。たまたま恵比寿に行った時にその現物を見つけて興味深く観察してしまった。まさに、これはトイレというより都会のオブジェなのだなあ。
見た目は全く不思議な物で、この横に交番があるのだが、まるで交番の付属倉庫にでもなったかと思ったくらいだ。

囲い塀の中は通路になっている。全て個室で、男女の使用区分はない、というか男女という区別すら拒絶して、人類のDNAさえ所持していれば、外見、生物学的差異に関わらず、誰もが同じ個室を使用するような仕組みらしい。
人型のピクトグラムを見ると意味がわかるものとわからないものがある。左から3番目の「+」マークがある像は「ヘルプマーク」保持者ということだろうか。うーん、よくわからん。もやもやする。ここがいわゆる多目的個室ということらしい。

男女共用と思しき個室は、ピクトグラム二つだけだった。これは、まあ、理解できる。中に入ってみたら、おやまあ、なるほどねえ、という感じの作りだった。

この2種類の便器が並んで設置されているというのは初めてみた。生物学的に女性である人は、右側の立ったまま使用する便器にあまりなじみはないだろう。母親が小さい男の子を連れて使わせることはあるかもしれないが。
現代風のトイレは清潔で使用しやすい。公衆便所の持つ危険で暗い雰囲気はかけらもない。それはとてもありがたい。問題は、個室の数が少なすぎるので、ピーク時にはすごい行列ができそうなことくらいだ。
日本という国が世界に誇れる数少ない文化、綺麗なトイレはぜひ維持していって欲しいものだなあ、と夜の恵比寿で思った次第であります。