街を歩く

年の瀬、三軒目の蕎麦屋で

カレー南蛮食べたかったなあ

北の街で繁華街にある蕎麦屋は随分と減ってしまった。その中でも、老舗中の老舗で蕎麦をたぐりながら一杯やろうとたくらんだのがだ、なんと年末の繁忙期を控えて「本日お休み」となっていた。
まあ、気持ちはわからないでもない。大晦日まで休みなしで働くのは、さすがに従業員が持たないだろう。ただ、たまたまの休みの日にノコノコ出かけてしまったのが、何やら悔しい。
仕方がないので、この店の支店に行ってみた。すごい行列ができていた。なるほど、本店が休みなら支店に行く、客としては当たり前の行動だが。根強いファンがいるものだ。だからといって、こんなに並ばなくても……………
ということでさっさと諦めて、また別の蕎麦屋を探して彷徨うことになった。

ビルの地下にあるひっそりとした蕎麦屋を思い出し、ここであれば大丈だろうと向かってみたのだが、まさかの行列待ちだった。年末のせいか、蕎麦屋が大盛況だ。昼のピークはずらしたはずなのに。一週間も早く年越しそばを食べる、気の早い客が多いようだ。おまけに、不思議なことに女性比率が高い。
お江戸の蕎麦屋で女性比率9割などという店は見たことがない。この店だけの現象なのか、それとも北の街では蕎麦好き女性比率が高いのか。思い返せば、長年通う蕎麦店も確かに女性のシングル客は多かった。やはり、蕎麦屋の女性占拠率は北の方が高いなと考え直した。統計的には全く信頼ならないが、ラーメン店よりは女性が一人で入りやすいせいかもしれない。
ただ、女性客に囲まれてしまうと妙に落ち着かない。蕎麦をつまみに熱燗など飲んでいる場合ではない。いつもはもりそばだが、ちょっとだけ見栄を張ってざるそばにした。それをささっと食べて店を出た。
これはなんだか自分のスタイルとは違うと思いつつ、確かに一週間早い年越しそばを食べる羽目になった。まあ、長く人生をやっていると、こんな年の瀬もあるのだよ。

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