
岡山のイオンは駅前に大型店を建てるという、イオンの新出店戦略の一号店だったはずだ。一度視察に来てみたいと思っていたが、間にコロナが起こりずいぶんと時間が経ってしまった。
イオンも含め、ショッピングモール開店時のテナント構成は意外と当てにならない。ゾーニングも含めて、開店して2-3年経ったくらいからその店特有の配置が完了すると考えても良さそうだ。
デベロッパー側は新規性の高いテナントを入れたがる。新規テナントは売り上げの予測も立てられないまま、いわばみずてんで開店を決める。そして、早ければ半年で退店していく。そこを狙っているわけでもないのだろうが、2件目や3件目で入居してくるテナントは、他のモールでもしっかりと実績のある実力派だ。
だから、新規開店時に無理な条件で出店はしないが、閉店跡地への出店依頼があると「やれやれ、そろそろうちの出番だな」ということで、好条件を代償に出店をする。
だから、3年もすると各フロアーごとに出退店が完了して、安定期に入っているとみて良い。
その時期のテナント構成が、いわば定石布陣にあたるとみている。開店景気も終わり、その街で生き残れるかどうか、モールの実力が現れる時期だ。

そんなことを考えながらゆっくりと各フロアーを回ってみた。相変わらずレストランは店舗を詰め込みすぎで、どの店も席数が足りない。これでは、ピーク時に売り上げが取りきれないので人気店には条件が悪すぎる。ただ、不人気店では人気店が満員のため溢れ出すおこぼれが回るのでそこそこ売れるのだが。
どうもイオン側、つまりデベロッパーの認識、特に新規開店時の発想がいまだにバブル期的な残滓が多いように思う。テナントと共存共栄を図りたいのであれば、レストラン出店数を抑えて個店での席数を増やし、生存性を高めた方が得策だと思うのだが………
結局、一年程度で閉店に追い込まれ、そこに老舗ブランドばかりが出店すると、レストラン街が全国一律のテナント構成になるのは見え見えだ。ただ、その過当競争の中から次の世代の強者、生き残りグループが生まれるのかもしれない。丸亀製麺も、そうしたイオンの試練に立ち向かい勝ち残った強者だ。
パルコでスシローがワンフロア独占する時代なので、デベロッパーもテナントミックスに関して迷走中なのは間違いない。案外、イオン的スパルタ環境が好みのブランドも出現しそうだが、そんな店の店長は「どM体質」が要求されそうで、それはそれでいかがなものかなあ、などと屋上にある人工庭園で考えていた。
ここで弁当を食べると結構優雅な気分になりそうで、レストラン街に対して最強の敵かもしれない。