
高知空港についてt到着ロビーに出ようとしたら、すごい看板を見つけてしまった。自慢は味だけと言われてもねえ。意味深すぎて笑ってしまう。味に自信はあるのだろうが、それ以外がダメだとしたら「接客」が無愛想なのか、店が汚いのか、値段が高いのか………
外食業界の鉄の掟、QSC+Vの手順であれこれ考えてしまった。ただ、これはぜひ確かめに行ってみなければと思うのだから、広告効果は抜群だ。問題はお店ではなく、ひろめ市場が朝から夜まで満席続きということだ。平日の朝早くにでも行かない限り席を確保できない恐れがある。

その後、高知駅行きのバスに乗り込み移動開始で、高知市内中心部の交差点に近づいた。かの有名なはりまや橋が見えてくる。写真左側に柳の木があるが、その木下に見える赤い部分がはりまや橋だ。橋の長さは5mほどか。下を流れる川幅は2mくらい。小川にかかる丸木橋程度で、よほど注意していなければ見過ごしてしまう。
高知市内に電車が走っていない頃はもう少し目立つ場所だったのかもしれないが、いまではゴーグル先生のナビに従ったとしても見過ごしてしまいそうな「かわいらしい」名所だ。

高知駅前に着くと、かなり立派な観光施設兼案内所がある。その壁に描かれているお言葉が妙に引っかかる。確かに、高知県は全県あげて「龍馬推し」だ。龍馬以外にも高知県の名士はいると思うが、その扱い方比率が龍馬95%、それ以外はまとめて5%くらいの感じがする。
高知市内を車で走っていても企業名の入った看板を見ると、龍馬〇〇株式会社が軒並み並んでいる。高知〇〇株式会社よりもはるかに目立つし、多いような気がする。龍馬ラブの街だといっても良いだろう。
もはや高知に殿様がいたことすら忘れられているほどの、龍馬限定都市だ。

それでも駅前には、龍馬の同志であった(多分)お二人が、龍馬先生の護衛をするように並んで立っている。明治の民権運動を率いた板垣退助や東京都の開発を進めた後藤象二郎などは、お供にも加えてもらえないらしい。まあ、この3人は全員殺されてしまったから悲劇のヒーローという扱いなのかもしれない。

そして、この3人をスマホで写真に撮り観光案内所で見せると、記念の絵葉書がもらえるという素晴らしい企画をやっていた。おお、まさにこれはスマホ時代の販促活動だよ、考えた人偉いなあ。と、感心して終わりにしないで、きっちり写真を撮って絵葉書をもらってきた。ありがとう、観光協会の皆さん。

そのついでに施設内にあるポスターの展示を見ていたら、青春18きっぷのポスターがあった。高知県の駅が対象だったせいだろう。今年の夏ポスターだった。青春18きっぷ愛好者としてはなんだか嬉しい気分になる。


それ以外にも、高知県のイベントを宣伝したポスターが展示されていた。この観光ポスターをまとめて見比べてみると、予想以上に高知県デザイナー(多分)のレベルが高いことがわかる。上手いし綺麗だし素晴らしい。展示に選ばれるのだから当然レベルの高いものばかりなのだろうが、高知市の文化レベルというか感性の高さが現れているようだ。
こういう素晴らしいグラフィックデザイナーが存在しているのであれば、一度一緒に仕事をしてみたかったものだなあ、などと昔の仕事を思い返してしまった。
高知駅前で現代美術館にきたような気分になってしまう、プチ駅前観光でありました。