
今年の締めは好物の駅弁の話にしよう。初めてこの釜飯を食べたのは、長野に新幹線が通る前に特急で長野に出張した時のことだったような記憶がある。ホームに降りてこの釜飯を買ったはずだが、あまり定かではない。
その後、ひょんなことからこの会社の創業者一族の方とお話しする機会もあり、色々とビジネスの話も伺ったのだが、これもまた記憶が定かではない。
以来機会があればこの釜飯を賞味しているのだが、何度食べても飽きることがない。駅弁としては究極のバランスが取れている商品なのだろう。

コロナの時期に、釜飯の釜の供給が止まったため、パルプ製の容器に変わっていた時期もあったようだが、今ではまた陶器のものに戻っている。使い捨て容器でも販売されているので、買う方の好みでどちらかが選べる。
自分は野外で遊ぶときに、この土釜で飯を炊くのが好きなので陶器製のものだけ注文している。何度か使うと壊れてしまうという話もあるが、そうそう壊れるものでもないようだ。某調味料メーカーの釜飯の素を使い焚き火の上に釜を並べて炊き上げる自家製釜飯は、家族に人気の料理だった。

一度テレビ番組で釜飯工場の内部が放映されたのを見たが、この土釜で炊き上げているのではないようだった。大きなチューブでニュイーっと炊き上げられた味付き飯が釜の中に押し出されていき、その上にトッピングが順番に乗せられていく。その光景を見て、ヘーっと思ったがよく考えると一つずつ炊き上げていたら、いったいどれだけ長いラインが必要になることか………
でありながら、やはり釜の蓋から吹きこぼれる・・・みたいな絵柄を想像していたので、ちょっと残念な気持ちになった。
Do it myself の精神で、土釜で炊き上げる飯については自作することにしている。焚き火で炊き上げると、土釜の縁から吹きこぼれた出し汁が黒く焦げ付く。それが、まさに炊き上げた感を漂わせるのだ。
ただ、食べたあと焦げついた焼き跡を洗うのは相当に手間がかかるのだが。美味いものを食べる代償は労力で支払わなければならないということだ。
実は、この釜飯についてくる小さな漬物セットが大好物で、自作の釜飯の時にはその漬物セットがないのが実に残念の極みだ。わさび漬けに小梅と野沢菜という組み合わせは至高のサイドアイテムであり、駅弁業界の至宝だろう。
新年になれば新宿の百貨店で恒例の駅弁大会が開かれる。そこでまた釜飯を買い込むことになりそうだ。