食べ物レポート, 旅をする

たぬきそばの衝撃

最近めっきり姿を消した商売が、駅近くにある立ち食い蕎麦だろう。ハンバーガー以上な性能を誇る、ジャパニーズ・ファストフードの筆頭だが、コロナの間は通勤サラリーマンの激減で廃業に追い込まれた店も多い。
コロナ後にサラリーマンが戻ってきて、おまけに同業者がそこそこ廃業してしまったせいか、生き残り組の混み具合は凄まじい。前日見た時は、午後2時、午後5時、どちらも券売機の前に行列ができていてカウンターは満席(?)だった。
そこで朝早く来てみれば大丈夫かと午前7時前に来たのだが、すでに満席でカウンターのあき待ちになった。

とりあえず券売機でかき揚げ蕎麦を買い、蕎麦が出てくるのを待っている間にメニュー表を眺めていた。何か大阪特有のメニューがないかなと思ったのだが、並んでいるものはサイドアイテムを含めお江戸と似たようなものばかり。やはり並行進化というか、立ち食いという業種でそれほどユニークなものは出てこないのか。などと思っていて、気がついたことがある。
きつねそばがない。たぬきそばが変だ。

買い上げ蕎麦だが、なぜかネギダクな気がする

うっすらとした記憶で、大阪では油揚げが乗ったうどんはきつねうどん、油揚げが乗った蕎麦はたぬきそばというのだったような……… 記憶はあまり定かではない。それでは油揚げではなく、揚げ玉(天かす)が乗った蕎麦を探してみたが、そんなものは存在していないらしい。
そもそも、麺の選択が、「うどん」「蕎麦」までは理解できるが、その後に続く「黄麺」とはなんだ? 語感からすると中華麺のような気がする。和風出汁の蕎麦つゆでラーメンを作る文化は日本のあちこちにあるのは知っているが、浪速のターミナル駅蕎麦でそれが存在とは。
さりげないが、ある意味とてつもないカルチャーショックを受けた。大阪南部、下町地区はもう少し探訪してみる価値がありそうだ。次回は、黄麺に揚げ玉をのせられるか聞いてみようか。

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