街を歩く

仙台の回転寿司を楽しむ

秋シャコは本当に美味い

北の街にある人気回転寿司店は、実は札幌発の店ではない。北見や根室といった島の東側にある街で生まれ、大都市に攻め込んできた「インベーダー」だ。だが、北の街の市民は誰もそんなことには気にせず、グルメな回転寿司を楽しんでいる。平日昼でも大行列になる店ばかりで、それも観光客はほとんどいない住宅地にある店が多い。
都心部では鮨屋も回転寿司屋も少ないから、そこには観光客が押し寄せるので、これまた何処の店も行列ができる。そんな鮨屋大人気の街に昔からあるのが、仙台で生まれた回転寿司屋だ。
都心部ではなく郊外のターミナル駅に直結する駅ビルにある。ずいぶん昔からあるが、そのスタイルは相変わらずで昔のままだ。寿司の皿が回っているし、注文は紙に書いて渡す仕組みだ。タッチパネルなどない。そして寿司の値段も、わかりやすいしお安い。全国チェーンの三大回転寿司とは全く異なる。寿司ネタもオーソドクスなものばかりでおとなしめだ。
北の街で大人気のグルメ系回転寿司ではなく、昔ながらの安いお値段ありながら寿司を職人が握っている。シャリロボットはいないみたいだ。

だから、当たりと言いたくなるネタ(皿)とハズレのネタが混在している。例えば、ちょっと残念だったのがタコで、これは世界的にタコが取れないことから、値上がりしているネタの典型なのだが、この店はタコが安かった時代から値段を上げていない。その分、ネタが薄くなっている。できれば値上げをして良いので、厚めのネタにしてもらいたいなあ。

逆にお得なネタはヤリイカだった。小ぶりなせいなのか、お値段同じで3貫乗っていた。おまけに好物のゲソまでついている。できればこの皿だけあと4−5枚注文したいくらいだった。

湯呑みもこれまた懐かしい、寿司ネタ・イラスト付きで、とても気分が和む。全国チェーンのプラスチック製湯呑みは風情がなさすぎるから、あまり好みではない。

さばは標準的なネタサイズだったし、今月のおすすめネタらしい黒ガレイもうまかった。もはや100円均一では無くなった低価格寿司とグルメ回転寿司の中間路線を行く貴重な存在だが、北の街でウケはあまり良くないようで、昼でも行列はできていない。
ただ、個人的にはこの店がすっかり気に入ってしまって、しばらく通うことになりそうな気がする。日本人にはやさしいけれど、外国人観光客には使い勝手が悪いというか難しい店だろうな。

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