
駅前に蒸気機関車が飾られている駅は、世の中そこそこ存在する。が、航空機が置かれているところはそんなにないだろう。昔、浜松の喫茶店にF86セイバーが置かれていて度肝を抜かれたことがあったが、どうやらそれは空自出身の元ファイターパイロットの方の情熱あふれる喫茶店だったらしい。それに負けず劣らずだと思うのが、このY S11だ。戦後、飛行機の製造が禁じられた日本で、10年以上続いた航空機製造の空白期を乗り越え作られた名機だ。戦前の名戦闘機機を製造した三菱重工でも、10年以上空けば技術の継承ができなくなる。その間のギリギリに作られたものだ。

ただ、この後で日本の航空業界では大型旅客機の製造は行われない。自衛隊に使用する機体を作ることはあっても、民間機ではエンジンや翼の提供という限定的な開発しかしてこなかった。(政治的にできなかったというのが正しいのだろうか)
つい最近も、三菱がビジネス機にチャレンジしてついにギブアップした。やはり、戦後の空白期間は技術の継承だけでなく、飛行機ビジネスの継続という意味で、取り返しのつかないものだったのだろうなあ。
この機体には2度ほど乗ったことがある。プロペラ機なので巡航高度が低く、飛んでいる間ずっと地上の風景を見ていた記憶がある。(道路を走る自動車が見えるのだ)
これもジェット機が当たり前になるまでは、一般的な空の旅の楽しみ方だったのではないか。
などと、古き日本を思い出してしまいました。