
新潟ローカルのファストフードチェーンで、新潟県民だけが食べている食べ物がある(多分だが)。ずいぶん昔にその話を聞きつけて、わざわざ食べに行ったこともある。不思議な食べ物だと思ったが、あえて新潟人には感想を尋ねなかった。ローカルフードの批判は、喧騒の種にしかならないからだ。それくらい微妙な食べ物だった。

おそらく、新潟県以外では見つけられないと思う「ローカル焼きそば」の専門店だ。バーガーでもサンドイッチでもない。丼でも寿司でもない。焼きそばだ。そして、そのバリエーションは焼きそばの上にかかったソースにより作られている。店内のメニューポスターを見ても、焼きそばで全面が占められている。

そして、そのオリジナルというか元祖というものが、こちらの「イタリアン」だ。焼きそばの上に、スパゲッティに乗るようなミートソースが載っている。食べてみるとわかるが、間違いなくミートソースだ。そして、その下にあるのはソース味の焼きそばなのだ。麺は平麺で中太だから、パスタで言えばフィットチーネ的な雰囲気が(多少ながら)醸し出されている。が、味も食感も明らかに焼きそばだ。
このミートソースと薄味の焼きそばのバランスが、これまた微妙すぎて、なぜミートソースなのかという疑問が湧いてくる。
ソースのラインナップを見ると、カレー味もあればカルボナーラ風もあるので、やはりパスタの横展開考えても良いのだろうか。店内の雰囲気だが焼きそば屋感は全くない。焼きそばの代わりにバーガーとポテトが出てきて全く違和感がない。店内では女子高生が複数グループくつろいでいるので、やはりファストフードな雰囲気なのだ。

とりあえず久しぶりの試食体験の感想はかなりアレな感じだた。レア物を食べた時の、表現の難しさというべきか。その一切を飲み込みつつ、表に出てみたら驚くべきポスターを発見してしまった。
ソフトクリームのテイクアウトではないか。テイクアウトしたソフトクリームの生存時間は一体どれくらいあるのだろう。5分は持たない気がする。そうすると事前に製造したものを冷凍しておくのだろうか。おまけに、イチオシと思しき商品は何と8段もある背高ではないか。これはどこかでみたことがあるような気がして、撮り溜めた写真をひっくり返してみたら、岩手県花巻のマルカンビル大食堂で食べた「箸で食べるソフトクリーム」に似ている。新潟と花巻、どちらも老舗の店なので、並行進化というものだろう。
今さら店内に戻って注文するわけにもいかないと諦めたが、ますます新潟のファストフードに対する謎と疑惑は深まってしまったのだ。新潟、恐るべし。そして、新潟市民がちょっと羨ましい。