街を歩く, 旅をする

会津若松市街 中心部で思う

会津若松市では市役所が改修工事中だった。工事の囲いの中に見える市役所はなんとも古風な味わいがある。あちこちで見かける高層ビル型市役所と比べると、実に風情がある。ただ、工事の案内板を見ていると、現在の市役所は複数のビルに点在しているようで、それはそれで市民にも職員にも不便なことだろう。それでも、大型ビルを建てて一元化しないのは、やはり歴史的建造物に対する思いなのだろうか。きっと会津若松は良い街なのだ。

市役所の周りは、これもお定まりの飲み屋街が出来上がっているが、その外れになんとも華麗なデザインのビルがあった。ギャラリーといわれれば「なるほどな」と思う端正なものだった。おまけに、絵画と茶道具の看板など、お江戸でも見かけることは少ない。それが、市内のメインストリートにある。文化の香りがする。

大きな市民会館やホールがあるのが文化都市かというと、ちょっと微妙な気がする。確かに、施設がなければ市内で上演・公演される機会もないだろう。ただ、一年のうちに何回、芝居やコンサートなどの公演が行われるか。稼働率と投資回収みたいな考えを入れれば、都市人口に見合った施設を建造する、所有するというのはなかなか難しいものだろう。おまけに建築後に運営費用を捻出するのも大変だ。
それと比べて、工芸品が製造販売され、それを地域が支えるような活動は、もう少し地に足がついた文化活動のような気がする。

市役所近くの繁華街だったであろう商店街は、雪除けであると思われる屋根付きアーケードになっていた。ただし、残念ながら午後6時の時点でほぼ全店が営業終了している。あるいは、すでに閉店した後のようだった。見る限りではシャッター通りになっているようだった。

地方都市であれば、商店街の歩道には所狭しと自転車が停めてあるものだが、この場では自転車の数も少ない。核になる商業施設が足りないのか、夜には人が集まる文化施設が足りないのか。いや、おそらくそういう施設は自動車で郊外に行けばたくさんあるのだろう。市内中心部が人の集まる適地ではなくなっているだけだ。
特に冬の降雪が多い時期は、市内の狭い道、駐車場が少ない場所は、やはり不便なのだ。当然ながら、郊外に逃げた客が、夏になると街中に人が戻ってくるはずもない。会津若松は規模の大きい街だけに、中心部のさびれ具合が目立つ。が、人の活気がなくなったはずはないので、どこか街外れのショッピングモール辺りで映画を見たり、ご飯を食べたり、ダンススクールにかよったりしているのだと思うのだが。

そんなことを思いながら、少し気温が下がった会津若松の街中を歩いていた。この後に食べるつもりだった、会津ソースカツ丼の店は6時半に閉店していた。街をぶらぶら歩き回らずにさっさとその「食堂」に行っていればよかった、と後悔する羽目になった。夕方にしたお散歩の残念な結末だった。
教訓、旅先の街ではお目当ての店が閉まる時間を確認しておこう。閉店時間が早すぎることを念頭に活動しましょう。

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