
新宿駅東口、アルタ前交差点は、また昔の混雑ぶりが戻ってきた。コロナが落ち着いてきたこともあるだろうが、一番の原因はインバウンドと呼ばれる外国人観光客が戻ってきたことだ。街頭に流れる宣伝や警察からの呼びかけも増えているし、おまけに外国語の注意も流れている。
この近くにあった郊外型電気屋の大型店が閉店し、後釜に入ったのはスポーツ用品店だが、一階の主力商品がシューズというあたりがコロナの後始末という感じがする。スポーツ用品の稼ぎ頭だったはずのゴルフ用品は、もはやお荷物扱いらしい。シューズ、アパレルの上にあるのがキャンプ用品というのも、これまたアフターコロナ世界を象徴しているようだ。
そして、店内に流れる英語、チャイナ、コリアンのアナウンスが、明らかに世界はコロナ前に戻ったという感じにさせる。
その新宿駅東口前から西側を見ると、小田急百貨店の解体工事が始まっているのがわかる。あと2年もすると、ここに高層ビルが何棟かニョキニョキ生えてくるらしい。新宿駅西側はお江戸でも屈指の高層ビル地帯だが、集まってくる人の数も都内一多い場所なので、しばらくは観光名所になるのだろう。
そうなると、新高層ビルの北側に残る木造二階建ての横丁はどうなってしまうのだろうか。どう見ても昭和30年代で時間が止まってしまったような店が並ぶ怪しげな横丁だ。今では代替わりをしているらしいのだが、従業員は大陸系の出稼ぎ組が大半を占めている店も多い。
時代からそのまま取り残されているような場所だが、花園神社周辺の飲屋街と同じで、ボヤが起きると街の住人?が寄ってたかった火消しに来る「由緒正しき場所」なのだそうだ。地元民である友人がそう言っていた。火が出ると最初に飛んでくるのは、背中などにアートを仕込んだお兄さんたちらしい。昔からのトラブルシューターとして火消しと野次馬の整理などで大活躍するそうだ。
そんな伝統的な場所を取り壊して飲食ビルにするなど言い始めると、間違いなく騒動の元になる場所だと聞いた。都会に残された聖域?、アンタッチャブルな地域なのだ。
3年後に生まれる昭和と令和の同居地帯がちょっと楽しみだ。