
自宅近くにある居酒屋が15時からの営業開始で、昼過ぎには店頭にあれこれ広告物が並んでいる。通行人に訴える良い戦術だと思うのだが、あれこれ気になってしまった。
ブラックボードの使い方が、あまり上手ではない。簡単に言うと情報過多で、おまけにユニーク情報が足りない。要は「惹きつける言葉」「吸引力のあるワード」が足りないのだ。
これはポスターなどを作る時にもよく起きることだが。制作者の視点で言えば随分大きな文字で目立っているつもりであれこれ書いてしまう。ところが、実際に掲示すると「字の大きさ」はあまりに小さい。離れたところから読みにくい。だから、読む気にならず素通りされてしまう。
このブラックボードをよく見ると、そのたくさん言いたいことがあるんだ、と言う気持ちが溢れているのはわかる。ただ、気持ちが空回りしているのも間違いなさそうだ。
少なくともメニューは三点に絞り、「おすすめの理由」をはっきり書くことだ。字の大きさは、倍以上にする必要がある。価格情報はもっとも大きくなければいけない。ついでに言えば、店内で見るテーブルメニューとは目的が異なるので、全品税込価格と一文を最上段か最下段に書けば、全体の見栄えは良くなるはずだ。
売るための創意工夫をする店長は、必ず将来的に良い店長になるはずだ。(過去の経験から)ただ、その努力を良い方向に育て上げるのは、企業の力量であり、社長の能力であるとも思う。この店を運営する会社の社長さん、一度現場を見にいってあげてほしいなあ。
外食企業は製造販売一体型の商売なので、製造部門、つまり作ったものが「美味しい」のは重要だが、販売部門として「上手な売り方」も学ぶべき必要な技術だろう。そこが、あやふやなまま多店舗化すると、現場の苦労が増えるのだよねえ。