
久しぶりに回転寿司に行ってみた。テレビでCMをすっかり見なくなっているなと思ったせいだ。一連の投稿騒動もおわったようで、悪いイメージを振り切ろうという企業側の努力もおさまってきているせいか。ただ、値上げ続きのせいですっかり「百円均一」とは言えなくなってしまった業態だから、何をアピールしているか確かめてみようという、ちょっと意地悪な興味だった。
結論から言えば、ネタアピールはもはや機能していないようだった。投稿事件よりも、売らない高級ネタを宣伝した悪徳?商法のダメージがきつすぎるようだ。えび、カニ、本鮪などのグルメネタのニュースが使えないようで、店頭はすっかり寂しくなっていた。
ただ、夏休みの時期のため店内は混雑していた。空席待ちをしていた中学生6人組が妙に印象に残った。ファストフードやファミレスではなく回転寿司に中学生がたむろするというのは、業態的に厳しい状況にあると判断してしまう。
ハンバーガーに代表されるファストフードや低価格帯のファミレスは、よく中高生の溜まり場になり、だいたいの場合はその集団が騒々しいこともあって、一般客を遠ざける原因になる。これは歴史的に何度も繰り返されていることで、たまたま時期によって餌食になる店やチェーンが変わるというのが業界での学びだ。
つい先日も、某ハンバーガー店が学校名指定で出入り禁止措置をとったことがニュースになっていた。子供は将来のお客さんになるので大事にするというのが外食企業での不文律みたいなものだが、子供と大人の中間世代は、どちらかというと商売の邪魔者という認識になるだろう。
回転寿司業界も、その荒波が押し寄せてきたということだ。ドリンクとデザートしか注文しないで長居をする客、支払額は500円に満たない客が、混雑時に延々と長居をされる。店長からすると、想像するだけで眩暈がしそうだろう。
今の回転寿司では、目の前にさまざまな道徳的注意書き、あるいは犯罪防止を目的とした警告が書かれている。
真っ当な人間であれば笑い出してしまうような文言が並んでいる。つまり、回転寿司業界はかなり重症なのだ

2個100円の皿は80種類以上あると店頭の広告に書いてある。それは嘘ではないだろう。ただ、一皿の値段が複雑化しているし、一個盛りの皿も増えた。注文してから目の前に皿が来ないと、何が何個出てくるのかよく理解できないメニューというのは、相当に病んでいる。
コロナの時期も順調に業績を伸ばしていた回転寿司業界だが、しばらくは大変な時代になるようだ。