街を歩く

いつもの一軒目

新宿でランチをと思った。その時、魔が刺した。のどがかわいていたせいだが、トマトサワーが飲みたいと脈略なく思いついてしまった。こうなると、どこに行けば良いのかと思い出すべく、脳細胞が活性化され全力で探索活動が開始し、脳内新宿マップで昼からサワーが飲める店を探しまくる。
結局、トマトサワーは普通の酎ハイやサワーでないため、選択肢を著しく狭めることになった。世の中、意外とトマト味のサワーを置いている店は少ない。いつものオヤジ向けチェーン居酒屋に行くことになってしまった。

じゃこ天 うましだった

このオヤジ向けの店もすっかりデジタル対応が進み、メニューはスマホから注文する。ただ、従業員の方からは「もしよければスマホでご注文してください」と見かけに応じた高齢者対応?をされてしまい、内心ちょっと思うところもあるのだが。
まあ、それは良い。人は見かけが8割だ。と気を取り直し、スマホメニューを見ると季節対応で「じゃこ天」があった。
この黒い揚げかまぼこ?のざらついた舌触りと、独特の味が好みで、酒の肴には向いているが、ご飯のお供には向いてない食べ物の典型だと思う。白身魚のすり身を使った「揚げ物」は、舌触りが良いが味が茫洋としているので、あまり好みではない。「じゃこ天」を名乗る類似品も多いが、やはり愛媛県南部のものがうまいと思う。

もう一つの新作が、蕎麦味噌もどきの「焼き味噌」だった。が、これは空振りっぽい一品で、申し訳程度に炙っているようだ。当然だが味噌の焦げた感じはない。この店で時々出る、よく頑張りましたけど花丸は上げられません的な商品だった。
焼き味噌の元はお店で手作りしなくても良いだろうと思う。工場で作っても大丈夫そうな感じがする。それよりも、お店ではしっかりと焦げるまで炙る、というのが客側の期待値ではないだろうか。ネギ味噌は美味いけどね。

最後は、メニューで見て期待が高かった「いかめんち」だ。残念ながら津軽地方の郷土食「イガメンチ」とは違うものだった。勝手にこちらが「津軽の揚げ物」を期待してしまったので、騙されたというより勘違いと諦めるべきだ。普通のメンチカツの中にイカが入っている。イカメンチであることに間違いはない。
このイカがタコに変われば、タコメンチだろうし、アジに変わればアジメンチになる。日本語としては正しい。商品に間違いはない。注文する客の勝手な思い込みだ。
でも、イメンチ、食べたかったなあ。

そしてランチらしく、締めの焼きそばを締めに注文した。この焼きそばは、縁日の焼きそばをほぼ忠実に再現したもので、具材は限りなく少ない。いや、ほぼないと言った方が正しいだろう(笑)
ソース味の麺を楽しむものだ。そして、たっぷりとつけられたマヨで味変をしながら味わうものだ。その食べ方が潔い。豚肉が欲しいだの、エビやイカは入っていないのかだの、キャベツは厚切りが良いだの、望んではいけない。
あれこれ食べているうちにトマトサワーがなくなったので、オヤジ向けの梅サワーを追加してみた。梅の味がほとんどしない、昭和の梅サワーだった。確かに、これは昭和を知るオヤジ世代にしか理解できない「懐かしの味」だろう。ただ、あまり懐かしみたくなる味ではないのだが……………

オヤジ向け居酒屋は本当に楽しい

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