
最近の居酒屋で不思議なのは酎ハイもハイボールも同じ値段であることが多い なぜだ?
一年に何度か無性に行きたくなる店がある。初めて連れて来られた時に友人から聞いたのが、この店は「ヤマ屋」が新宿発の中央線深夜便に乗る前に飲んでいるところだという話だった。70年代に登山がブームになった頃の話らしい。今でも深夜列車で移動して早朝から山登りをする人がいるのだろうか。
以前、早朝の中央線特急で松本に行く時、確かに登山仕様の乗客を見かけたので、今でも登山する人は多いのだと思うが、このご時世に登山者向けの深夜列車はあるのだろうか。そもそも運行しているのか?
どちらにしても、もう何十年も変わらないらしい老舗というか古びた店内が、なかなか居心地が良いので、懐かしさというより落ち着きやすい場所として惹きつけられるのかもしれない。
最近ではハイボールをちびちび飲むことも多い。

壁に貼られてあるメニューを見ても、今風のものは何もない。おそらく昭和中期から、並んでいる商品はほとんど変わっていないと思う。値段も全品一律とわかりやすい。
平成生まれ(最近ではZ世代と呼ばれる人たち)にとっては、お化け屋敷のようなものではないか。時間もさほど遅くなかったはずだが、店内に溢れているのは40-50代ばかりだった。昭和世代で埋もれるというのも、老舗居酒屋の居心地の良さの一つだし。類は友を呼ぶを地で行っている感じだ。

壁際に貼ってあるポスターがこれまたなんとも言い難い味を出している。トドメは壁に直付けされている換気扇で、喫煙時代にはいかにこの店内がモウモウとしていたかがわかる。時代の証拠みたいなものだろう。
いや、ひょっとするとコロナ対策で後付けしたものかもしれないとも思った。次に行った時に確かめてみようか。少なくとも、あの氷河期のような3年を生き延びたのだから、この先もしっかりと営業継続してくれるだろう。

愛想のない接客は初めて行った頃から変わらないが、今回はニューフェイスが登場して、にこやかな接客で楽しませてくれた。スペインからの移住者だと言っていたが、一体何が楽しくてコロナの時期に日本に移住してきたのか。次に会った時には聞いてみたいものだ。西新宿の古い店でも時代に合わせた変化は起こっているのだな。