
メロンパン探しの旅(笑)は続けている。変わりメロンパンを見つけては試食をして、ああでもない、こうでもないとつまらない感想を書いてみるだけだが。
今回はクロワッサンにビスケット生地を被せたものだった。ブリオッシュの生地を使うメロンパンはよく見かける。生地のリッチさで高級感を押し出そうという意図だとわかる。そのブリオッシュよりもさらに濃厚な、つまりバターたっぷりのクロワッサン生地でメロンパンを作れば、それはスーパーリッチになることは間違いないと考えたのだろうか。ただ、甘さのバランスやビスケット生地のハードさ、クロワッサン生地のソフトさのバランスがどうなるかだ、と食べる前から思っていた。
案の定でバランスが悪い。クロワッサンにチョコレートをかけたものはたまに見かける。あれは全体の甘さを強めながら、表面のハードさはあまり変えない。クロワッサンの柔らかい生地によく馴染む。チョコ自体が強い味なので、クロワッサン生地のバターたっぷり感と相性が良いのだろう。
和菓子で言えば、外が甘く中が柔らかいとなると、おはぎがあげられる。人の嗜好というのは、洋の東西を問わずに多様な進化をするらしい。外が柔らかく中が甘いとなれば、和菓子では大福餅のような餅菓子がある。洋菓子で言えば(?)仙台名物萩の月みたいなものだろうか。あれに近しいといえば、アメリカンドーナツの典型、中にカスタードクリームの入ったふわふわのやつがある。
クロワッサンのメロンパンもどきは、どうやらアイデア倒れみたいだ。パイ生地もそうだが、クロワッサンも薄い生地の層を重ねてパリパリ、サクサクの食感を楽しませるものに、ビスケット生地のハードでカリカリという組み合わせがあわないようだ。
見た目はなかなか楽しかったのでちょっと残念だが、生地のバランスを改良していけば三代目くらいになると完熟するのかもしれないと思ったので、この店のメロンパンはしばらく継続審議とさせていただく。