街を歩く

蕎麦屋で追加飲み

ススキノで飲む事は少ない。昔から、ススキノではなくその周辺でばかり飲んでいた。新宿でも渋谷でも、盛場のど真ん中みたいな場所は微妙に避けているので、やはりこれは性分というものかもしれない。新宿であれば歌舞伎町ではなく新宿三丁目だし、渋谷はセンター街、道玄坂を外して桜ヶ丘あたりに行くことが多い。
この店も、ススキノで飲んで締めの一軒にするという感じではなく、午後遅くにちょっとだけ酒を飲みながら蕎麦を啜る、みたいな使い方だ。蕎麦屋は飯屋というより酒が飲めるファストフード感覚で使うものだと思っているせいだろう。

まず日本酒を頼む。気温に関わりなく蕎麦屋では熱燗(ぬる燗)がよいと思う。突き出しについてくる揚げた蕎麦をぽりぽり齧りながら、チビチビと飲む酒が良い。蕎麦屋で飲む酒は、ぐいっと一息に生ビールとはいかない。ビールを飲むにしても瓶ビールでチビチビがよろしい。

蕎麦屋に来て蕎麦を注文しないのはさすがに罪悪感がある。それでも、かしわ抜きを頼み、出汁の効いた熱い蕎麦つゆをごくりと飲み、酒をちびりとやる。それを延々と繰り返す。
少し腹が減っていれば追加でもりそばを頼み、それも蕎麦を一本ずつつまみながら酒を飲む。ずるっと啜るのは、そばが乾き始める頃、最後の最後だ。
偉そうに語るつもりはないのだが、蕎麦屋の使い方、蕎麦の食べ方にはそれぞれに自分なりの流儀があっても良いと思う。ラーメン屋やうどん屋ではあまり感じることがない、こだわりのお作法みたいなものを蕎麦屋で感じるのは、やはり酒を飲む場所としての完成度が高いからだろう。
ラーメン屋で飲むなら、チャーハンにビールだし、うどん屋だったらそもそも飲まないかもしれない。
そんな流儀を守ろうとすれば、蕎麦屋は一人飲みに限る。おそらく蕎麦屋は元気に飲んで、賑やかに語る場所ではないのだろう。そうしたければ焼き鳥屋やおでん屋、親父が一人でやっている居酒屋にでもいく方が良い。
多分、コロナの後遺症なのだが、一人飲みにすっかり慣れてしまうと、そんなふうに考えるようになった。

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