
解体工事を含めると2年ほど作業をしていたような気がするが、コロナの最中だったので記憶が飛んでしまっている。写真左にギリギリで写っているのが、いわばススキのシンボルマーク、ウィスキー屋の看板だから、この新ビルは相当に目立つ、夜のランドマークになるのは間違いない。
ただビルの外観が出来上がってみると、あれっと思うほど背が低いビルだった。見上げるような高さのビルになるのかと思っていたが。これで、平成ガメラシリーズで叩き潰された、ススキノ決戦の場はもはや完全に過去の映像だけのものになった。令和の怪獣映画新作で、またススキノが登場してくれれば面白いのだが。題名はもちろん「シン・ガ◯ラ」になると思う。

今現在、夜のランドマークといえば、駅横に立つタワービルだが、これも北海道新幹線の延伸工事の後は、この周りにニョキニョキと高層ビルが立ち並びそうで、何やら怪しげな雰囲気も醸し出している。
駅付近に乱立していた百貨店はすでに新興勢力「ダイマル」の完勝に終わり手っったいモードなわけだが、駅周辺のビル街はどれもこれも築50年近い大老朽地帯なので、この先の建て替えラッシュが始まれば、ランドマークの地位は新ビルに移動かもしれない。

狸小路も、150年もたって落ちぶれてしまうかと思っていたら、どうも平成後期からこれまた虫食い状態ではあるが店舗の再生が始まり、6丁目より先は昔の遊郭地帯に戻るかのように、新たな集客施設であるビジネスホテル街になってしまった。おまけに、ホテルが乱立しているように見えるが宿泊価格は乱高下していない。と言うか、高値安定だ。
これもまた、新しいビジネスの取り組みだと思うが、古手のビジネスホテルチェーンは全く元気がない。コロナの後は、新旧交代の時期が来たようだ。

全国チェーンの中古本店が、店舗のオリジナルキャラを売り出していると言うのも、これまたちょっと驚く光景だ。埼玉の自宅近くにもおなじブランドの店はあるが、その店に「店・キャラ」はいない。
この店の商売はすでに古本ではなく、フィギュアやキャラクターグッズのリセールに移っているのだから、このオリジナル造形も不思議ではない。一時期は主力化していた中古ゲーム販売もすでに撤退モードに見える。本も、ゲームも、キャラ収集もそれぞれの嗜好に合わせたエンタメ消費なの、主力商品が時代により変わっていくのは当たり前のことだが、チェーン店が個店単位でアキバ化していくと言うのも、これまたすごい光景に見える。
このキャラは、「ビジュアル系」なステルス・ランドマーク、みたいなものかもしれない。リアルの世界では紙切れ一枚のポスターによる表現だが、ネット社会では圧倒的な露出があるのかも、などと考え込んでしまった。
もはや、ランドマークとは目に見えるものではなく、人の記憶の中に残されているもの……的な時代になってしまったのかなあ。