
北の街で駅前通りを歩いていたら妙な看板を発見した。北海道外の方にとって、おしま信金とはあまり聞きなれない名前だろうが、北海道南部を地盤とする地方金融機関だ。北海道はそれなりに面積があるので、大きく分けて4つの地域区分がある。
それぞれ道南、道央、道北、道東と呼ばれる。北海道の面積は日本の約1/4で、この4区分は大多数の県よりも大きな地域になる。ちなみに、東北6県の合計面積と北海道ほぼ同じだから、まさに面積だけでいうと地域区分は県サイズを遥かに超えている。
その道南を地番とする金融機関の出先が、駅前通りのそこそこ目立つ場所にあるのだが、どうやら店舗の一角が、道南にある町村のアンテナショップになっているようだ。今までこの前を飽きるほど通り過ぎているのだが、一度も気が付かなかった。看板にはお気軽にお入りくださいと書いてあるので、ちょっと覗き見してみることにした。

中に入ってみたら、それは立派な商品棚を揃えた「ショップ」だった。ショップの奥には、おまけのように信金カウンターが見えている。こちらの方がショップの付け足しのように見える。良く考えれば地盤のある地方自治体を宣伝したり、取引先である企業の商品を販売するのだから、金融機関の営業活動としてかなり有効だろう。アンテナショップを個別に作れるほどの体力に欠ける事業体からかは、とても感謝されるに違いない。ついでに金も借りてくれるだろう。
少なくとも日々の営業活動の後押し効果はあるはずだ。頭の固い金融業界と思っていたが、意外と地方から革新的技術は生まれているようだ。三大都市銀行のカウンターがいきなり取引先き企業の商品販売カウンターに変われば面白いだろうなあ。
資金的には課題の多い某家電メーカーとか、合併間近の食品メーカーとか、ラインナップを想像すると楽しい。



駅前通りから少し入ったところに面白い看板(のれん)を下げている店を見つけた。3連張りの良く目立つのれんだが、一枚一枚みていくとなかなか興味深いのだ。黄色いのれんが一番目立つが、ここには店名が書いていない。売り物の商品は「寿司」「刺身」「串揚げ」となんでもありな感じで、居酒屋として足りないものは焼き鳥くらいか?と思う。要するに、「看板商品」推しの店では無いと自白しているようなものだ。なんでもあるよというのは、アフターコロナの時代には大切なメッセージかもしれない。
2枚目ののれんで、どうやら店名が「てっちゃん」ということはわかる。しかし、謎の男二人のイラストが気になる。このうちの一人が「てっちゃん」なのか、それとも二人とも「てっちゃん」なのか(たとえば鉄雄と哲也みたいな)など、とてもとても気になる。そして、こののれんでは第4の推し商品にモツ煮が加わる。うーん、カオスだ。
さらに3枚目ののれんは、もはやアートというべきで、広告宣伝物とは思えない。
やはり、この店は夜の営業時間に一度お邪魔して、寿司とモツ煮を堪能すべきだろう。次回の宿題だなあ。