街を歩く

百貨店で全国銘菓

鹿児島県日置市の梅月堂 初見であります

コロナの間は地元の元・百貨店菓子売り場に全国あちこちから銘菓が届けられていて、曜日ごとに違うお菓子が手に入る仕組みだった。これは便利なものだなあと思っていたが、よくよく考えれば都内の百貨店で、いわゆる銘菓のお取り寄せ販売は昔からしていたのを思い出し、久しぶりに日本橋に「菓子」を買いに行った。
並んでいる銘菓は見たことも聞いたこともないものばかりで、売り場の前をうろうろとしてしまった。以前来た時にはもう少し小ぶりの売り場だったような記憶もあるが、他の有名ブランド菓子売り場の面積と比べると5-6倍はありそうな広い棚に、地域別に分けられた名産がならんでいた。その中でも一際目立つのが京都の阿闍梨餅だった。あの棚は、すでに一軒の店分くらいはある。京都で買うより並ばない分だけ買いやすいような気がしてしまった。
今回はあれこれ物色した上でバラ売りしているお菓子をいくつか買ってみた。一番気になったのは、ラムドラだった。ラムレーズンが入ったどら焼きだから、味の想像はつく。ただ、何故これが鹿児島の街で売られているのかはよくわからない。謎だ。ただ、隣の熊本県ではサバランの最強バージョンのようなリキュールマロンという銘菓もある。(食べると酔いそうなくらい酒が強い)九州では酒入り菓子が人気なのかもしれない。
どら焼きとラムレーズンはなんとも不思議な組み合わせだが、これを肴に芋焼酎を飲むというのはありかもしれない。

上段 宮城県仙台 甘仙堂のくるみゆべし
下段 神奈川県鎌倉 紅谷のクルミっ子

東北地方ではあちこちでゆべしが名産品になっている。胡桃が入ったゆべしが好物なのだが、いつもは福島県郡山のものを買っていた。今回は、バラで山積みされていた仙台ものを試しに買ってみた。普通に美味しいのでまことに満足した名品だ。胡桃がたっぷり入っているのが素晴らしい。郡山産のものより一回りくらい大きいような気がするが、あくまで記憶モードなので定かではない。一つ食べるとズシンと腹ごたえがあるヘビー級な和菓子だ。残念ながら1日の定量は一つだなあと思う。
それと、これも山積みにされていた上におひとり様の購入個数に制限があった鎌倉のお菓子の調達した。こちらもくるみ入りなのでついつい手が伸びてしまった。胡桃が入ったキャラメル的なお菓子だが、これも洋酒を飲みながら食べると良さそうだ。ブランデーに甘い胡桃はピッタリと合いそうだ。同じ首都圏ということで神奈川県の菓子にはあまり手を伸ばしたことがない。ちょっと反省した。
売り場を見て歩くと、一箱に10個入り、20個入りといった大型パックはどうやらすっかり人気がないようで、単品売り、バラ売されているものを、何個か選んで買っていく仕組みが主流になっているようだ。これも、菓子は手土産に買うのではなく、自分が食べるために買う「お一人様使い」の客が増えたからだろう。自分へのご褒美というやつか。
ちなみに、売り場の半分くらいは、どうやらお茶を嗜む方達向けの品揃えのような気がする。茶道に合わせての品揃えとまでは言わないが、全国各地で有名な伝統和菓子ばかりだから、その道の方達が御用達にしているとすれば、やはり日本橋らしい品揃えと言えるか。
確かに、お江戸日本橋は便利なところだなあと改めて思った。

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