街を歩く

日本橋で恐怖体験した

なんちゃってコロナ対策の象徴 アクリル板は消滅していた

友人と久しぶりに飲もうということになり、これまた久しぶりに日本橋で予約をしてみた。頭ではコロナ騒動が終息したとは理解していたが、金曜の夜がこんなに騒々しくなっているとは、全く予想外のことだった。たまたま、よく使っているグルメサイトから予約をしたのだが、なんと当日に従業員がその予約を削除したらしく、店に行っても予約がないと言われた。確認メールを見せて、なんとか席を確保したが、後から来た友人も「そんな予約はない」と言われて途方に暮れたらしい。
そもそも予約など必要がないくらい、いつでも空いていた時期を思えば、予約が勝手に消されるほど混み合っているのだから、偉大な時代(笑)になったと思うべきか。

おまけに「全席個室」みたいな説明をしていた席は、天井から降りてくる簾で間仕切りされるだけだった。この書き方はだいぶインチキだなと思うが、コロナの時期はそもそも店内全部が個室みたいな空き具合だったから、クレームもなかったのだろう。友人と合意したのは、もはや金曜に酒を飲みに行ってはいけない、個室予約は当てにならない、サイトの予約も信用できないだった。
ちなみに、サイト上からはコース予約の設定ができないというなんとも不思議な仕組みだったのだが(できるのは席のみ予約だけ)、従業員が予約を消した理由が金曜日なのにコース設定されていないことだったらしい。金曜に席だけ予約というのはあり得ないそうだ。
3年間、実質的に不完全状態での営業が続いていたせいか、居酒屋業界全般的にスタッフの補充もできず、ベテランはすでにいなくなり、現場ではドタバタが続いているということのようだ。コロナの後遺症は意外と根深く、人員不足が苦境の原因と言っても、どうやら自滅要因でしかないように見える。

時間だということで一軒目を追い出され、2軒目を探して入った居酒屋だが、これまたこの3年間であれば営業許可が取れなかっただろうほどの過密座席だった。日本橋で普通の居酒屋を探すこと自体が難しい時代だと思うが、とりあえず金曜夜にどんちゃん騒ぐ平常な時代が戻ってきたのも間違いない。店内は常に満席で、大盛況だった。おまけに新入社員の飲み会(おそらく入社後の初期研修終了打ち上げ)があって、あまり広くない客席は阿鼻叫喚というか実に騒々しい。これも、この3年間みられなかった光景だ。

雨宿りのつもりで入った店だが、全く雨足が止まらず、結局は1時間ほどで帰ることにしたのだが、お値段が居酒屋価格とは言えないほどの会計で、やはりアフターコロナはインフレ時代で、コロナ前の3割増くらいの価格になるようだ。居酒屋が居酒屋価格で利用できないというのは、ちょっとした恐怖体験だった。個人的体験で振り返ると、バブルの最終期がこんな感じだっただろうか。
帰り際に発見した、懐かしい光景にも戦慄した。飲み過ぎで上半身裸になり倒れている同僚?を取り囲む男女10人組みたいなしーんだ。この景色はなんとも昭和な雰囲気がある。急性アルコール中毒で何人も人死が起きていた時代の風景だ。
コロナの時代には全く見かけなかった光景だが(今は無くなったらしい路上飲みではあったのだろうか)、おそらくこの3年間は学生社会でも飲み会が激減していたせいだろう。
飲み会免疫なしで社会人になり、誰も止める奴がいないから自分の酒量もわからず飲みすぎて倒れたということか。でもねえ、その状態になったら救急車呼ばなきゃダメだよ、と昭和の知恵で忠告すべきだったか。ただ、倒れた周りの取り巻きにうるせい奴だと絡まれても嫌だしなあ、などと考えてしまうほどの賑やかな酔っぱらい集団だったし。実に久しぶりな大都会の光景だった。

コメントを残す