
復活した渋谷の立ち飲み名店の話が続く。居酒屋でホッピーを頼むと、ジョッキに氷を入れて焼酎が一杯分入ったものと、ホッピー(割材)が出てくるのが普通だ。ところが、この店では最初からホッピーと焼酎を別々に頼む。酒屋でよく見かけるワンカップの焼酎が小サイズで出てくる。このワンカップの焼酎の量は、普通の焼酎を使ったドリンク(〇〇サワー系)で考えれば6-7杯分の容量になる。一般的な居酒屋で注文する、焼酎「中」追加という場合でも、追加一杯は30-50cc程度だから、やはり相当にコスパが良い。
ただ、一人飲みとしては量が多すぎる。まあ、値段を考えてみれば飲みきれない分は残して帰るという選択肢はある。フードロスが………という話をする人もいるかもしれないが、フードロスより自分の体(飲み過ぎ禁止)が大事だなという勝手な思いもあるので、飲みきれない時はそれまでと諦めることにする。
お店の人に断って残った焼酎を持って帰るという選択肢もあるかもしれないが、おそらく酒税法の関わりでそれはできないはずだ。財務省の役人は日本中のありとあらゆるところで、その悪行を晒しているが、逮捕されるのはセクハラだけという特権階級だ。その「悪役人」が免許なしでの酒のテイクアウトを見逃すはずがない。コロナの時の特例措置がいつまで続くのか確かめてはいないが、無免許販売を放置するとは思えない。
軍備増強のために作り上げた酒税法を、戦争放棄を謳う憲法に縛られているはずの現行政府が、いまだに温存して良いのか。どうなんだよ、財務官僚。などと焼酎の酔いに任せて妄想する。
一人飲みの立ち飲みが良いところは、この手の「酔っぱらいの口論の素」みたいなネタを、自分一人の頭の中で反芻していられることだ。一緒に騒ぐ相手がいないから、どんなに過激なこと、危険なこと、それこそテロリスト予備軍みたいな悪巧みをしていても、誰にも迷惑をかけない。気分的には、くたばれ財務省な妄想で、相当に盛り上がっていた

閑話休題。立ち飲みの肴にはゴージャスな料理は似合わない気がする。煮込みとか焼き鳥とか、いわゆる立ち飲み屋定番の料理もあるが、最近のお気に入りは、このハムとキャベツにマヨネーズがかかっただけのものだ。スーパーで売っている標準品という名のペラペラなハムもどきではなく、塊肉を厚めに切った「ハム」が嬉しい。
ハム・ステーキやハムカツ用に塊のハムを買いたいと思っても、近くの肉屋では売っていない。普段使っているスーパーでも、塊ハムが買えるのはお歳暮お中元の時期限定みたいだ。
昔はたまに御殿場にあるハム工場の直売所に厚切りハムを買いに行っていた。お値段は、ちょっと腰が引けるほど高いが、うまさは価格を遥かに超える。その店のベーコンも絶品だった。マイスターの手作りが感じられる。
ただ、なぜかチャーシューが売れ筋らしい。個人的な好みを言えば、そのハム工場のチャーシューはハムの世界を超えているかもしれない。あきらかに焼豚であり煮豚ではない。チャーシューの概念が変わる何か違うものだ。
そんなハム好きだから、この店のハム・キャベツは貴重な一品だと思う。キャベツも千切りというより五百切りというか三百切りというか、少し荒めに切ったキャベツがハムの相方としてよく合っている。
料理の味付けは「料理人」の腕前だが、うまいハムは「職人」の腕前だろう。居酒屋で「料理人の技術」ではなく「職人の技」を楽しむというのも、立ち飲みならではのうまさなのかもしれない。
うーん、今日は厚切りハムを買いに行こう。デパ地下に行けばきっと買えるだろう。