
渋谷スペイン坂にGW前に開店した「麺」の店の話を聞きつけ、渋谷での用事ついでに出かけてみた。泣く子も黙る若者のメッカ、渋谷スペイン坂だけに、相変わらずのすごい人混みだったし、通行人の平均年齢は明らかに20代以下に見える。自分も昔は、こんな世代の時にスペイン坂をぶらぶらしに来たなと、遠い地平線を眺めるような気分になる。現在は混雑しすぎて猥雑で目がチラチラするから、あまり好ましい場所ではないと思うが、昔はね……………と言いたくなる場所だ。そこに、どう考えても10代から20代を主客層と考えている新コンセプトの店が開いていた。

入り口前には今や絶対定番の販促手段、手書きのブラックボード(黒板)が置かれている。ただ、宣伝しているのはドリンクなので、つまり、「ああ、そう言うことか」とわかってしまう。平たく言えば、客数が足りないので、喫茶需要を取り込もうとしている。行ったのが午後遅くだったから、アイドルタイム(暇な時間帯)だけ、この看板を出すのかもしれない。



この店は完全キャッシュレス会計なので、現金客はお断りかと思ったのだが、たまたま店内にいた時に若い女性客が入ってきて現金で買いたいといった。そうすると、従業員が建て替えますと答えたので、一体何がどうなっていると頭の中にクエッションマークが大量出現した。
要するに、会計の手前までオーダー端末で注文すると、従業員がお店のカカードかスマホを持っていて客の代わりに決済する。その後、客から現金を受け取ると言う対応らしい。キャッシュレスに対応できないのは高齢者だけだと思っていたら、若い世代にも現金主義はいるのだなと再認識した。スペイン坂、勉強になるなあ。

麺はロボットが調理する。自動アームがスープの素(直径5cmくらいの丸い塊)をつまんでカップに入れる。その後、ベルトでカップが動いてスープ(お湯?)が注がれる。この辺りまでが調理ロボットの領分だ。そして、最後に人間がトッピングを注文に応じてカップの上に入れる。人間はロボットのお手伝いということだ。
追加、味変用のスパイスオイルはカウンターに置いてあってセルフで追加できる。全体の感じを一言で言うと、動きのある自動販売機だ。出てくる麺は、高級カップ麺という感じだから、価格とのバランスが購買動機として重要だとは理解できる。ただ、場所によっては、例えば大学の学生食堂とか、高速道路のサービスエリアや道の駅などで、品揃えを検討すれば人気が出そうな気もする。
調理ロボットが主役であることをもっと見せる仕掛けにすれば、意外と子供たちに人気が出るのかもしれない。味の調整は必要だろうが、既存の麺料理によせすぎると、単純に高く感じるだけだろうから、ユニークさをどうするかだ。
カップ麺大手のミルクで作ったシーフードヌードルみたいな「変化球」提案が必要ではないかとも思う。
確かにスペイン坂には似あっている業態だ。このコンセプトの2代目、3代目を見続けていきたいと思う。おそらく5代目くらいでブレイクしそうだ。脳の老化防止には重要な「新規業態視察による脳活」は続けなければねえ。今度は新パルコでも見に行こうか。