街を歩く

西武新宿線の風景 あれこれ

高田馬場駅にて 首都圏移住者の方へ宣伝するのは大切だ

西武新宿線高田馬場駅、橋上連絡通路に崎陽軒の売店がある。なぜこんな場所にと思うが、隣はコンビニ、その隣はQBハウス(低価格床屋チェーン)で、通路の向かい側にはスタバと神戸屋がある。ちょっとした商業集積地なのだが、西武線と山手線をつなぐ連絡通路だから通行量はものすごい。コンパクトな店でも商売なるのだろう。以前はJRの改札口前にあったものが、構内に移動してきたようだ。
その崎陽軒の売店は、自宅に帰る途中でシウマイを買うのにすごく便利だ。夜7時くらいには売り切れていることが多いが、シウマイは売り切れていてもシウマイ弁当は買えることもある。一人暮らしのサラリーマンであれば、なんとも有難い店だと思う。
その崎陽軒の店の前に、見たこともないポスター看板が置いてあった。シウマイ弁当の解説なのだが、確かに大定番弁当のシウマイ弁当であっても、まだ食べたことのない人は多いだろう。
高田馬場あたりの学校に通う若い方(大学生とか予備校生)であれば、かなりの確率で食べていないのではないか。崎陽軒の店舗密度は横浜中心であり、東京北部に来ると密度がグッと下がる。埼玉県在住者は利用頻度が神奈川県民より数段落ちるはずだ。ましてや上京して学生生活を送る首都圏外からの流入者であればなおのこと未経験者だらけのはずだ。
シウマイ弁当の現在価格は900円なので、弁当としてはかなり高価格帯になる。隣のコンビニで弁当を買えばワンコイン程度だから、若い方にはちょっとハードルが高いかもしれない。ただ、弁当の中身がわかれば、多少高くても食べてみようという気にもなるかもしれない。そんな意図で作られた、崎陽軒シウマイ弁当を未経験者に丁寧に説明します的なメニュー取説というか分解解説なのだろう。
しかし、広告ポスターとしては販売価格が書かれていないのが気になる。価格情報は購買動機の最たるもので、あえてそれを書き込まないのは悪意(笑)があるとしか思えない。あとは、URLは書いてあるがQRコードがない。検索ワードも書いていない。お義理にホームページありますとアリバイ作りをしているだけとも思える。色々な意味でツッコミどころ満載のポスターなのだなあ。これを題材にしてマーケティング屋を目指す人たちに実習としてポスターを制作させると面白いかもなと、つい写真を撮ってしまった。
シウマイ弁当はマイ駅弁ベスト5の上位ランカーで大好物だから余計に気になった。

西武新宿駅にて 台湾グッズは意外とお高い印象だった

もう一点西武線で気になるの光景だ。西武新宿駅改札口に続く広い通路に、小さな売店スペースがあり、時々衣装替えをする。焼き栗の店だったり、スイート系の店だったり、一年に1-2回は店が変わっているようだ。そのスペースに台湾産のお菓子などが販売されるようになった。最近ではすっかり見なくなった中国物産のワゴンセールみたいなものだと思うが、品揃えが面白い。
昔々、2年ほどの間、一月の半分を台湾で過ごしていたことがある。あまりに入国記録が多いので、入国検査場で別室に連れて行かれそうになったこともある。悪いことをしていたのではないが、まだ米国ブランドの唐揚げ屋が台湾では知名度が低かったせいだろう。
そのときによく食べていたパイナップルケーキ(と書かれてあった菓子)が売られていた。パッケージには、繁体字で表記がされていたから間違いなく台湾製だろうと思う。
不思議だなと思ったのは、中国物産ではなく、台湾物産と書かれていることだった。現在の国際情勢というか東アジアの政治的な立ち位置を考えるに、「台湾」という言葉が日本文化の中でほぼ独り立ちしたということだろう。ちょっと前に騒ぎになっていた「台湾パイナップル」が大陸に輸出ができなくなった話あたりから起きた変化のような気がする。その行き先を失った台湾パイナップルを日本のスーパーが大量に仕入れたせいで、甘くて柔らかい台湾パイナップルが簡単に手に入るようになった。
その後も、春になると継続的に台湾パイナップルを見かけるので、一度開いた商流が閉じることはないようだ。めでたし。パイナップル好きとしては大変嬉しい。
台湾料理は好みの味なので(大陸系中華料理よりマイルドか?)、できればもっと台湾料理店も増えてほしい。おまけに干し果実も販売してほしい。などなど、台湾物産展には期待が大きいので、この売店はずっと続けてほしいなあ。

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