街を歩く, 食べ物レポート

渋谷で立ち飲み そこは聖地だ

渋谷といってもJR渋谷駅から国道246を渡った南側の一帯は、ちょっと雰囲気の違う区画で、渋谷特有の猥雑さみたいなものとはいささか異なる風情がある。春には桜が満開になる坂道を登ったところに、目立たない看板がある。
よく見ないとそこが居酒屋だとはわからない。ビルの脇にある駐車場的なスペースにも立ち飲み用のテーブルが置いてある。これからの時期は暑さが大変だという気もするが、コロナ対策の名残りなのか外で飲みたがる客が多いのだろう。まあ、それはそれで客の好みだからな。自分としてはエアコンの効いた店内で飲みたい。

テーブルの上にはQRコードが入ったスタンドがあり、これをスマホでかざすと注文ができる。周りを見ていると、ある程度の年代層(若目のグループ)には、スマホで注文してくださいね的な一言がある。ただ、年配者対応なのか紙に書いたメニューもしっかりおいてあるし、スタッフに声をかければ口頭でも注文ができる。
まだ、完全に非接触型への移行は完了していないようだ。まあ、あと5年もしないうちにキャッシュレス・スマホ注文は定番になるだろうが、その頃には団塊世代も後期高齢者で在宅生活になるだろうから、大きな問題も起きないに違いない。

切っただけではない お仕事がされている 「刺し盛り」

立ち飲み居酒屋といえば、焼き鳥屋おでんと言った簡便食が中心だと思っていたが、なんと本格的な刺身の盛り合わせがあった。これはレベルが高い一品だった。そこらの「座れる居酒屋」でも、このレベルでの刺し盛りはなかなかお目にかかれない。チェーン居酒屋のなんちゃって刺身盛りあわせとは雲泥の差だった。
最近ではイカとかタコが高級品化しているし、刺身といえばサーモンみたいな時代なので、この組み合わせは実に珍しいと思う。
そもそもこの立ち飲み屋は、由緒正しい昭和の立ち飲み屋だったものだが、地域の再開発に伴い閉店していた。昨年、場所を変えて再開したのだが、昔懐かしのメニューは残しつつ、新しい時代感覚のつまみもあれこれ増えている。

何か珍しいものがあればと友人が注文したのが、いちじくの白胡麻和えで、見た目だけでは何が出てきたのかわからない。鳥もも肉のマヨネーズ焼きも似たようなルックスになる気がする。
ただ、これは見た目からは想像できない名品だった。おろし胡麻に絡んだいちじくのほんのりした甘さは、辛口の酒に合いそうだ。最近、果物をソースに使ったり具材に使った料理に関心があり、メニューにあれば注文してみるのだが、ハズレの品に当たったことがない。やはり果物料理は調理人が相当な力を入れて開発するせいだろうか。干し柿とカブとへしこ(塩サバ)の和え物は実に記憶に残る美味さだった。りんごの入ったポテトサラダもうまいと思う。メロンの生ハムかけは有名だ。
最近では居酒屋巡りの楽しみが変わってきた。「酒」よりも「果実料理」の方が気になるというのは、何か重大な体の変化の兆しらしい。つまり、歳をとったということですねえ。

コメントを残す