街を歩く

1時間かけて酒を買いに行くスーパー

埼玉県の西の端に住んでいるので、近くのスーパーは小ぶりな食料品主力店舗が多い。広域商圏を設定している「大きなショッピングモール」は市内にないので、たまに遠出をして買い物に行くときに大きなショッピングモールで酒屋を目当てに見て回る。面白いことに地元埼玉の酒を置いている店は少ない。埼玉の酒が不味くて人気がないということか、取引条件に問題があるのか、いずれにせよ東北・北陸の酒は置いていても埼玉の酒はほとんど見当たらない。出荷額で見ると埼玉県は全国7位前後だというから、有力な日本酒製造県のはずなのに不思議だ。
酒売り場で目立つのは東北6県と新潟の酒だが、やはり青森、秋田、岩手の北東北三県産の日本酒は少ない。旨さとは違う要素、輸送距離(運賃)の問題だろう。好みの酒は青森、岩手の銘柄が多いのだが近場の酒売り場ではほとんど手に入らない。
自宅周辺の酒ディスカウント店も日本酒の品揃えは豊富だが、やはり北東北の酒は少ないし、愛知県以西となると皆無に等しい。だから、たまに覗いてみた酒売り場が豊穣な店は記録に残している。最近発見したのは、首都圏では比較的小ぶりなスーパーチェーン「いなげや」のとある店舗だ。いなげや全体での酒バリエーションは確認していないが、この梅の里近くにある店は品揃えが個性的で素晴らしい。特に、岩手の銘酒(個人的に絶賛している)あさ開が置いてあるのは感涙ものだ。おまけに大吟醸ではなく純米というところに選択眼の渋さがある。

ウイスキー売り場もキラリと光る品揃えだった。最近、日本各地で次々と開場しているウイスキー蒸溜所だが、鳥取県倉吉市にあるマツイウイスキーの製品が置いてある。最上級に当たる都市名ブランド「倉吉」はたまに百貨店でも見かける。鳥取県のアンテナショップでも置いてある。名品だがお高い。
その次のクラスが県名ブランド「鳥取」で、普及品が地域名ブランド「山陰」となっている。そのお手軽価格のウイスキーが2本並んでいるのは初めてみた。ビッグサイトで行われた大規模な食品展示会に行ったときに、マツイウイスキーの社員の方から、普及品ブランドはスーパーでも売っていることがあると聞いていた。だが、実際に見たの初めてだ。今年の梅酒製造用に地元名産地の梅をJA直売所に買いにきた。そのついでに寄ってみたのだが、大正解だった。
ちなみに、この店の日本酒コーナーには埼玉県西部の酒蔵密集地である小川町の酒も置いてある。素晴らしい。自宅近くの「いなげや」にも行ってみなければなあ。

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