
中華料理屋に行って一人飯を食べようとすると、基本的な一品に小皿がついたセットを注文することになる。麺や丼は当然一人前だが、あれは食事としての完成度が低いというか簡素すぎるのが寂しい。そう感じる時には、定食・セットのお世話になるしかない。回鍋肉セットとか、酢豚セットとか、エビチリ定食みたいなものだ。サラリーマンのランチで考えれば全然リーズナブルで当たり前だろう。高級中華料理店であれば、小皿が2・3品ついてきて相当にゴージャスなものも選べる。町中華であれば餃子定食とかレバニラ?定食とか「がつん系絶対定番」も存在する。
ただ、色々な料理をちまちま食べたいという中華の食べ方となると、これは一人飯では難しい。絶望的に難しい。だから、中華をしっかり食べる時には5ー6人のパーティーが必要になる。それが世の常識というものだとは理解している。それでも、一人で「中華ちまちま喰い」をした時はある。そんな時には、日高屋に行く。居酒屋使いする夜パターンを、すこし変形して使ってみるのが良いと思う。
まずはメインの一品を決めてそれを頼む。それに追加するのは全て「小皿」シリーズにする。日高屋の優しいところは、餃子も3個で頼めることだ。今回は頼んでいないが、サイドで餃子を選ぶのは一人中華のお決まりと言える。


日高屋の小皿メニューは中華というより居酒屋のつまみに近い。が、そこはちょっと妥協して、イカゲソ唐揚げと焼き鳥(という名の鶏肉甘辛煮?)にした。これにラー油をかけたり、酢と胡椒で味変したりすると、気分はそれなりに中華感が出る。そして白飯の代わりに半チャーハンを頼む。よくあるラーメンを頼むと半チャーハンセットにできるという限定しばりメニューではなく、単独で半チャーハンが頼める。これも日高屋は偉いなあと思うところだ。ちなみに、半ラーメンも単独メニューとして存在するから、半チャー半ラーメンという掟破りな組み合わせも注文できる。日高屋、偉いぞと本気で褒めてしまう。

手間をどう考えるかで値段設定は変わるだろうが、世の中の町中華経営者は本気で日高屋的少量・半量メニュー対応を考えるべきだろうと思う。いや、中華に限らず全ての飲食コンセプトに適応できる考え方だ。アフターコロナの時代に、原材料価格上昇と人手不足から値上げやむなしという雰囲気が広がっている。特に大手チェーンは値上げにためらいなしの対応だ。しかし、賃上げが後回しになっている社会構造では、この値上げが受け入れられるとは思えない。すぐに価格競争が再開する。その時に、中小規模の経営者はどう対応するかの回答が、「定番の少量化」ではないかと思っている。
ちなみに、同じ町中華大手の満洲餃子では、日高屋とは別の考え方があるようで、それはまた別の機会に考えてみたい。
昼のピークを過ぎた頃に楽しむ一人中華三昧は、なかなか真面目なビジネsyテーマを考えさせてくれるものなのだ。