駅弁

わすれていた駅弁大会

毎年一月恒例の京王百貨店「駅弁大会」をすっかり忘れていた。FBに乗っている駅弁ニュース?で初めて気がついた。慌てて日程を確かめてみたら、なんと週末で終了ではないか。慌てて出かけてみたのだが、実はこの駅弁大会は販売される駅弁が二通りある。
一つは会場で製造販売する実演型で、こちらは行列に並べば必ず買える。朝イチに行けば、待たされる時間も少ない。それを狙って、同じ客が何個も駅弁を買っているので、同じ行列に並ぶこともある。年によって出展する駅弁業者が変わることはある。毎年必ず出てくる強者もいるので、その年によって買いたい駅弁が2個3個……………と増えることもあるが、朝イチから並べば必ず買える。
もう一つは輸送駅弁と言われるもので、こちらは現地から送られてくる駅弁を販売している。ただし、輸送時間の差があったり、交通事業の問題もあるようで、朝イチに全商品が並ぶわけでもない。だから、御目当ての商品の入荷が昼過ぎになっていたりすると、かなり悩ましいことになる。昼にまた買いに来るか、今回は諦めるか。
そして、輸送駅弁は昼過ぎに急速に売り切れが始まる。やはり着実に手に入れるには、11時前後を狙うべきなのだ。当たり前だが、駅弁ファンは大体この時間に集中して現れるので、長い行列ができたりする。

今回はすっかり出遅れていたので、お目当ての駅弁はほとんど売り切れていた。チラシを見ても、今年は有名どころでもある、賞取り駅弁の販売者があまり参加していないこともあり、少々甘く見てしまったのが敗因だ。
去年がコロナ騒ぎの中でのおっかなびっくり開催だったこともあり、なかなかしょぼい開催だったのだが、今年はほとんどコロナ前に戻った感じだった。会場内の混雑度も昔のような押し合いへし合いまでは行かないまでも、歩くのが大変なレベルには戻っていた。
そんな中、おそらく到着が遅れたため残っていた名品を手に入れることができた。新潟の駅弁ではワン・ツーの地位を占めると思うホテルハイマートの駅弁「にしんめし」だ。
この駅弁は姉妹版として「たらめし」「さけめし」がある。たらめしはすっきりした甘さで煮た棒たらが入っている。ニシン飯は身欠き鰊を甘辛く煮たもので、こちらは独特の濃厚味に仕上がっている。タラとニシンのどちらが好みかによるが、個人的にはクセのあるニシンが好きだ。

身欠ニシンを煮たものが3枚、ニシンの昆布締め。そして数の子とニシンだらけの弁当だ。甘い煮汁が下にご飯に染みていて、これがまたうまい。見た目通り、弁当というより丼系の仕上がりだが、まさしく冷めた米を美味しく食べるための駅弁だ。うましだ。一度は現地の直江津駅で買ってみたい。
実演会場の方も見て回ったが、今年は全体的に牛肉と海鮮丼(カニ中心)のラインナップで、駅弁のバリエーションが少ない気がする。確かにコロナの間に観光客が激減していたせいか、駅弁界も事業者の統廃合が進んだ。メニューの絞り込みも起きている。この先、観光客に頼らない需要創造が生存条件になるかもしれない。ただその過程で、従来の駅弁はきちんと保存して欲しいのだがなあ・

帰りの電車で旅情を味わいつつ駅弁を食べようと特急列車を予約していたのだが、なんと満席状態に近い混雑ぶりで駅弁試食会は諦めた。この3年間は、特急列車のガラガラ状態が続いていたが、どうやらそれも終わったらしい。さすがに酔っ払ったサラリーマンの姿は昔ほどは見かけないが、特急電車内で酒盛りするおっちゃんもちらほらいた。
ゆっくりと世界はアフターコロナに向かっているようだ。

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