食べ物レポート, 旅をする

金沢の居酒屋 おでんとへしこ

金沢でおでんが有名だ、という記憶は全くない。金沢には何度も仕事で行っているし、それなりに金沢名物など食べてきたつもりだが、その中に「おでん」という単語はなかった。たまたまテレビ番組でやっていたおでん特集の中に金沢おでんがあったので、あーそうなんだと思ったくらいだ。
それが、今では冬の金沢を代表する料理扱いになっている。天むすは名古屋の伝統料理ではなく、創作料理だと聞かされた時もびっくりしたが、金沢おでんもその手の新造名物なのかもしれない。
まあ、とりあえず実食してみなければと駅のおでん屋に入ってみた。金沢駅の中で長年居酒屋をやっていて、駅が改築されたことで現在の場所に移ったとのことだが、やたらと長い行列ができている。居酒屋に入るのに30分以上も待つ事などあり得ないと思うのだが、今回はしっかり我慢することにした。繁華街のおでん屋に行っても、おそらく同じように待たされるに違いないと自分に言い聞かせて、ようやくゲットした金沢おでんだった。
結論を言えば、薄味のおでん。出汁が効いていると言えば、それはそうだと思う。関東風の「がつん」とした濃い味ではないから、全体的に優しい仕上がりになっている。金沢特有のおでんネタもあるので、それを中心に頼むという楽しみ方もある。

おでんよりもワンダー体験だったのが、この店の名物だという「どじょうのかばやき」だった。想像を超えるものだった。うなぎとどじょうのサイズを考えれば、この串に刺さったどじょうはうなぎの蒲焼きのミニチュア版として納得できる。ただ、よく手間をかけてどじょうを串に刺すものだと、そこが感心したところだ。
味は、今一つどじょうっぽさみたいなものがわからなかったのだが、おそらく3-4本注文して、一気に食べるとどじょう「らしさ」がわかるのではないか………浅草あたりのどじょう鍋と比べてみるのも良い。ともかく、珍しい食べ物としては挑戦する価値がある。

白味噌仕立ての「どて焼」は、ふんわりとした歯応えとあっさりとした味付けだった。これも、できれば10本くらい頼み、一気にワシワシ食べる方が良い食べ物だ。名古屋のどて煮が原型だと思うが、それと比べてみると食文化の変化というかご当地アレンジが楽しめる。

北陸の名物といえばこれでしょう、と言いたくなる鯖の「へしこ」は、日本酒に合わせると最高の肴だと思う。ただ、金沢アレンジというべきなのか、微妙に上品な仕上がりなのだ。へしことはサバなどの糠漬けのようなもので、極めて塩味が強いという印象があった。おまけに強い発酵臭がある。味は全く違うが、ほやの塩辛のような独特の匂いと塩味が特徴だと思っていた。
だが、この日食べたものは、塩味がだいぶ控えめで、おまけに身が柔らかい。まるで刺身を食べているかのような柔らかさ(ちょっと大袈裟か)だった。以前食べたものとは随分変わっている。「へしこ」概念が根底から変わってしまった。良い意味で、洗練された旨さだった。
次回は何軒か居酒屋を回って、「へしこ」の違いを試してみたくなった。そうしたら、マイベストへしこが見つけられるのではないか。次回、金沢のテーマは「へしこツアー」だな……

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