
回転寿司で寿司がぐるぐる回らなくなった。タッチパネルで注文して、作りたて(握りたてではないのが特徴)を楽しむスタイルはすっかり定着している。と思っていたら、なんと新年のテレビCMで「蓋をして回るのが世界水準」などと言い始めているではないか。
いつの間にか、回転寿司に世界基準が存在するようになったのだろう。まあ、この手の話は言ったもの勝ちだし、とうとう「うまい寿司ネタ」では情報差別化ができなくなったということのようだ。回転寿司業界もいよいよ末期的競合症状を呈するようになったな、と一人で納得していた。
そんな回転寿司業態の中で、回らない回転寿司の筆頭が、何度も登場しているガッテンずしだ。(回っているのはお茶の粉のビンとわさびくらいか) 職人がカウンターの中で握っている、もはや古典的と言いたい運営手法だ。だから提供可能なのだろう、居酒屋化したメニューの数々がたのしい。
差別化というのは、こういうところで見せて欲しいものだ。ちなみに回転寿司超激戦区の北海道や北陸では、ピーク時でも寿司は回らずのバイオーダー握りが主流だから、そこと比べると関東圏の回転寿司はお手軽だが「ちょっと残念」な感じもする。
寿司居酒屋(?)がってん寿司で、イカを食べるとしたら、まずは握りの前にイカゴロ焼きを楽しむべきだ。ぶつ切りのゲソと耳がイカのキモ(ゴロ)と焼かれて、煮込まれる。イカイカしいとはこのことだ。冷たい日本酒によく合う。

そのあとは、イカゲソ握りとイカ三種盛りを楽しむ。ゲソはついお代わりしてしまった。口直しにたこも注文して、本日の握りは終了となる。頭足類オンリーで満足度は最大、マックスだ。
もちろん回転寿司屋としてこういう注文をされると、ちょっと迷惑かもという気遣いはあるので昼のピークが終わった後、客待ちの行列が切れてから入店する。夕方5時くらいに入ってこんな注文すれば、間違いなくちょい飲み需要なので上客と歓迎されそうだとも思うのだが。
回転寿司でマグロ祭りはよくあるが、イカ祭りとかたこ祭りは聞いたこともないので、イカ・タコの頭足類はやはり外道ネタなのだろうね・・・。
それでも我が道を行くことに一点の曇りなし。イカうまし。いとうまし。寿司居酒屋はもっと増えてほしいなあ。