
弘前駅の改札を出たところにあるお弁当売り場が素晴らしい。以前に見た時は駅弁がずらっと並んていたが、今は駅弁以外にも色々と商品が増えていた。弘前名物というより、もうちょっと広域で販売されているような「津軽弁」という青森各地の駅弁が賑やかに並んでいる。新青森駅の駅弁販売店ともまた違う郷土愛あふれる弁当だ。弁当の裏側ではリンゴが売られていた。見たこともない品種があり、さすがリンゴ王国だけのことはあると感心した。

その弁当売り場の横に津軽応援弁当というものがあり、これは駅弁というよりローカル客向けの、普通のお弁当だった。これもなかなか捨てがたい魅力あふれるお弁当だ。輪ゴムで蓋が止められているところなど、手作り感が溢れている。駅弁と合わせて買おうかと随分迷ってしまった。流石に弁当2食を食べる根性がなく諦めたが。

弁当の隣でお惣菜も販売中だった。どれもこれもうまそうだが、青森郷土料理の貝焼き味噌まで売られているのはびっくりだった。イガメンチは、この辺りでは絶対定番的なお惣菜だろう。ただ、この後に駅近くの市場に行ってイガメンチをゲットする予定だったので、ここでは何も買わなかった。もし、弘前泊まりで旅をするのであれば、この売り場であれこれ買い込み、つまみに弁当に夜食になどあれこれ使い道はありそうだ。ここで惣菜を買い込んでホテルでのんびり一人酒などというのもありだなと思った。もちろん、そういう時のために、いつもの旅行鞄の中には箸とナイフは常備している。

ちなみに、弘前駅のすぐそばにはコンビニもあるので、軽食や弁当の調達には困ることはない。だが、このラインナップを見ると気分はすっかり鉄道旅モードになる。最近では車内での飲食は自粛ムードもあるが、一人で黙食であれば問題はないだろう。新幹線の車内アナウンスでは、多人数での飲食はやめてとは言っていたが、あれは宴会モードでうるさいジジイババアのせいだと思っている。もっとも、若いグループだと飲食なしでも賑やかなこともあるので、飲食の有無に関わらず「お静かに」というべきではないか。

帰り際に立ち寄った改札脇のキオスク(いまはNew Daysか)でも何やら魅力的なビッグおにぎりとビッグ稲荷寿司が売っていた。ゲンコツより大きいおにぎりは、とても魅力的だった。腹ペコ状態でこれをむしゃむしゃ食うことを想像すると、思わずごくんと唾を飲み込んでしまう。弘前駅は美味しいものの宝庫だった。