駅弁

松本駅の駅弁 2

発車時刻案内板の中央西線と中央東線という表記は、ひょっとすると松本駅でしかみられない書き方なのではないか、などと変なところで感心してしまった。確かに松本駅は篠ノ井線の駅なのだろうけれど、そのあたりを詳しく書いても旅行者にはわかりにくいだけだろう。そもそも松本駅利用者(訪問者)の立場で考えてみると、新宿から松本経由で長野に行く人がどれだけいるだろうということだ。東京駅から新幹線で長野に行く人が圧倒的に多いだろう。たまたま住まいが八王子で、東京駅に行くよりは、特急あずさに乗って行った方が楽かなあ、と考える人がどれだけいることか。
その上、松本で一旦降りて、また長野を目指すという複雑な行程の旅人しか、この中央東線のお世話になることはないのだ。この時刻案内板には、その辺りのJR関係者の微妙な感覚が表れているような気がする。謎は深いなあ。

松本の駅弁の二つ目は、やはり塩尻の駅弁屋のもの。幕の内弁当風な、ちまちまとしたおかずがたくさん入っているタイプで、ご飯が少なめ。受ける感じとして、在来線でのんびり鉄道旅を楽しみながら、酒のつまみとしてワンカップを片手にどれを食べようかあれこれ悩む、みたいなオッチャン向け商品だ。包装紙に書かれた内容説明を見るだけで楽しくなる。

ところが、ちょっと笑ってしまったのが、包装紙を開けたらなんと違う名前の弁当が出てきた。うーん、色々とツッコミどころはあるが、おそらく弁当箱の在庫を大量に抱えたまま、リニューアルすることにした。そのため、包装紙で名前を隠してしまう作戦、みたいなことだろう。ここは笑って許そうではないか。何年か経てば、在庫処理も終わり新しい箱が登場するに違いない。

そして蓋を開けて中身を見ると、いやはや、傑作だった。これだけあれば、ワンカップどころか酒の2杯や3杯は飲めそうだ。これまでは鳥取駅「とっとりの居酒屋」と弘前で買った「津軽の弁当お魚だらけ」が駅弁界の二大酒のつまみ駅弁だと思っていた。その酒のつまみ弁当についに新規認定するものが現れた。これで、三大酒のつまみ弁当になる。
個人的には、卵焼きと蒲鉾の組み合わせはあまりに幕の内弁当っぽいので評価が下がるが、世の中にはこの二品が弁当の絶対定番と思う人もいるだろうし、文句をつけようとは思わない。かの名作、横浜シウマイ弁当にも卵焼きとかまぼこはセットされている。弁当界の定石と諦めよう。
塩尻定番の山賊焼と、キノコの酢の物あたりがご当地感、山国感を強く打ち出している。あきらかに塩尻の駅弁はハイレベルだった。実はこの弁当屋の釜飯も食べてみたいのだが、それはいつの日にか。釜飯の傑作、横川の釜飯と匹敵しそうな予感はしているのだが。

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