
コロナで外食産業各社は大変な苦しみを味わっているのだが、例外的に業績を伸ばしているのが洋風ファストフードと回転寿司だ。くら寿司、スシロー、はま寿司など業績好調で、この夏の時期には本鮪だのウニだのを使った、高い寿司キャンペーンをやっていた。一皿100円(税別)のはずが、いつの間にやら150円皿とか200円皿が登場している。その上に一皿に一巻しか乗っていない超高級皿も出現していて、客数と客単価の両方を引き上げるという積極的な作戦だった。
そこで高いネタの皿を見学に行ってみたのだが、結局注文したのはほぼ100円皿で見学は失敗だった。というのも、お高い皿のネタは人気があるらしく、販売中止、売り切れが目立つ。キャンペーンが始まったらさっさと食べに行かないといけないらしい。回転寿司各社がテレビCMをやるようになったので、余計キャンペーンネタが売れるのだろう。
この点は、業界的に今後要注意だと思う。回転寿司が洋風ファストフード業態と同じことをやるようになったことの意味は大きい。大袈裟に言えば、業態転換、コンセプト変更が一歩進んだと考えるべきだ。回転寿司は食べにいくところではなく、買いに行くところに変わっていくのだろうか。テイクアウトマーケットで最大勢力に成り上がる可能性がある。

全品タブレット注文だから、会計するのも会計ボタンをポチッと押して、席番号表を持ってレジに行くだけなので、従業員と話すこともない。そもそも入店時に、案内機で席取ボタンを押して席番号を指定され、従業員と話すこともなく席までたどり着く。入店から、食事、会計、退店までほぼ無人だ。
カウンターに座れば孤食、黙食が徹底できる。アフターコロナでは回転寿司で一人飲みが爆発的に増える可能性もあるかなとも思っている。回転寿司のカウンターでは、隣の席とアクリル板の間仕切りができたことのためか(心理的なバリアー感ができる?)、女性の一人客が多いような感じもする。回転焼肉の実験店も好調というニュースを見ると、孤食+テイクアウトというコンセプトで、新しい業態、商売の可能性が出来上がるのではないか。などと「贅沢な鯖 一皿150円」を食べながら考えていた。お安い贅沢なのだなあ。