
これは7月上旬に撮った写真だが、札幌の夏の名所「大通公園」が、コロナとオリンピックの二つに責められて大変な状況だった。今頃は、会場も公開されてマラソン開始を控えているはずだ。

札幌市中心部に広がる大通公園は季節に応じていろいろなイベントに使われる。冬の雪まつり、夏のビヤガーデンがその代表だが、春秋にもイベントが詰め込まれて、年中なんらかのお祭りが開催されている。そのお祭りの間の期間は、散歩をするにはちょうど良い空間でもあり、観光客、札幌市民合わせて、まさに都市公園の典型的な風景だ。ところが、今年はフェンスとバリケードで封鎖された異形な空間になっている。

公園の中心部である4丁目、5丁目がこの有様で、物々しさと合わせて馬鹿馬鹿しさすら感じてしまう。テロ対策という意味合いもあるのだろうが、反対派にデモや集会をやられるのを避けるということなのではと邪推してしまう。イベントには反対運動が付き物だとは思うが、市民の視点から見れば「なんだかなあ」という気分になるのではないか。

オリンピックパラリンピックが終わった後も1ヶ月近く封鎖は続くらしい。問い合わせ先は組織委だから、何を問い合わせても無視されるか、返事が来るのは来年の今頃になるだろう。それくらい信用のできない組織ときめつけるほど、あれこれやらかしてくれているからなあ。なんだか、9月の会場封鎖期間中に、オリンピックの記念碑でもできそうな怪しさもある。札幌が再度の冬季オリンピックに立候補するとして、そんな怪しげなものを作ると、今回のオリンピックのドタバタが古傷として残るようで逆効果だろうと思う。

封鎖空間を西に一丁ほど歩けば、そこはいつもの大通公園の姿なのだ。しかし、観光客もいないコロナ空間なので、これはこれで異様な光景であるのだなと、無人の芝生を見て思った。普段であれば、この芝生には親子連れが座っていたり、若い学生達が元気に話していたりするのだが。
今年の大通公園はたいへんです。