
たまにお世話になる古き良き洋食屋だが、個人的には洋食屋が生き残っている街は暮らしやすいというか、楽しみが多いと思う。東京の下町にはあちこちに有名洋食屋が今でも活躍中だが、当然それなりのおお値段がする。それを高すぎるというつもりはないが、ランチに軽く食べるという価格ではなくなっているのも確かなことだ。少なくともランチの定食がざるそば二枚分以上はするのが当たり前だ。

こちら地元の洋食屋の店頭メニューを見れば、なんとも驚異的な価格帯で、近くにあるファミレスなど目じゃないよというびっくり価格だ。一つ一つの料理がなんともユニークで、ファミレスで出てくる同じ名前のものとはずいぶん違っている。カニピラフとかポークステーキなんて、ファミレスでは絶対食べられないだろうと思う。しかし、この店のユニークメニューで最大のものは、ランチセットについてくる豚天だ。

大分名物の「鳥天」があるのだから、豚肉を天ぷらにして何が悪い、と料理長が思っているかどうかは定かではないが、ありそうでなかったメニューだろう。この「豚天」をどう食べるかもちょっとした悩みの種で、いろいろと考え込んでしまう。そのまま何もつけずに食べる、ハンバーグのソースをちょい付けする、ウスターソースを要求して大阪風に食べる、醤油をもらい天汁がわりにするなどなど。ご飯に味噌汁に豚天で立派な豚天定食になりそうだが、豚天はあくまでハンバーグ定食の付け合わせなので・・。ちなみに、このお店で豚天単品はメニューに載っていません。ランチ限定「幻」級の一品なのです。
町中華と洋食屋の存在は、その街の文化だと思いますよ。