高田馬場駅で見た立ち食いそばのおすすめポスターが、どうにも記憶から離れないで付き纏われてしまった。これは食べるしかないなと決心したが、立ち食い蕎麦がどこにでもある東京とはるかに離れた札幌の地で、立ち食い蕎麦屋を探すことになった。札幌で一番有名な立ち食い蕎麦屋は地下鉄大通駅改札脇、日の出ビルの蕎麦屋だろう。あとは、札幌駅北口にも一軒あったが、駅の改良工事中で店ごとなくなっていた。札幌駅には5番ホームに立ち食い蕎麦屋があるが、流石にこの時期のホーム上での飲食は避けたい。寒すぎるのだ。

結局、うろ覚えの記憶を頼りに札幌駅から地下鉄東豊線に向かう通路にある蕎麦屋を探し出した。天ぷら蕎麦が立ち食い蕎麦の定番のような気もするが、そこはちょっと変化させて山菜そばにした。山菜の量もたっぷりで、いかにも立ち食いそばという感じがする。お値段は、東京と比べると1割ほど高い感じがするが、これは絶対客数の違いだろう。東京の立ち食い蕎麦屋は超高回転する業態で薄利多売が標準なのだから価格差は仕方がない。全国一物価が高い東京で、数少ない安い食べ物が立ち食い蕎麦と支那そば、東京風ラーメンだと思う。

食べた後で看板をよく見れば、有名な駅弁屋がやっているらしい。だとすれば、ちょっとだけ駅弁のおかずがのった蕎麦でも開発してくれないものだろうか。北海道三大カニ載せ蕎麦みたいなかんじだが・・・。夜はここで一杯やれるらしい。そのあたりも東京とはちょっとちがう使われ方なのだなあ、と気がついた。それぞれご当地の事情というものがあるのだろう。立ち食い蕎麦屋のかき揚げで熱燗というのも、それなりに行けそうな気がする。今度試してみようかな。