
ようやく千歳空港にも多少の賑わいが戻ってきた感じがするが、それがいちばんはっきりしているのがラーメン屋の活況というか混雑ぶりだ。ただ、面白いのが一番人気のエビそばは行列が復活したが、それ以外の店の浮き沈みというか混む混まないが露骨にハッキリしてきた。
コロナ前はあまり混雑していなかった新興ラーメン店が、どうやらエビそば屋に次ぐ人気店になった感じがする。鶏白湯をベースに濃厚なスープを作るのは今の流行り物だとは大王が、厚切りのチャーシューと太メンマは、今までのラーメン店の定番とは一線を隠したいという新興店らしいところだろう。スープの味が淡白では、この二点セットは難しい。特にこの店で目立つのは女性客が多いことで、何か女性好みのいわれがあるのかわからないが、不思議といえば不思議だ。
実はこの店の本店は札幌市南部にあるのだが、本店のメニューはなかなかチャレンジしまくっていて、こちらもたまに入ってみたいものだが、なにぶん交通機関から離れている。札幌の名店というやつは、どうにも不便な場所に開けることになっているようだ。というより、安い家賃で不便な場所で開けても生き残れたら名店に昇格するということなのかもしれない。今や昔となった名店、あるいは閉店してしまった名店は、みんな不便な場所にあった。札幌市内中心部でラーメン横丁という特殊立地を除けば、数十年続くラーメン屋は(聞くにある限り)、三平、大公くらいになってしまった。
不便な場所でスープに原価をしっかりかけて、自家製麺(仕様発注含む)でこだわりの贅沢を尽くす。人気が出れば二号店を出して、そこでは味違いを追求。こんな感じが今のラーメン屋ビジネスのお作法らしい。