書評・映像評

名優高倉健と降旗監督 その2

初めてみた健さんの映画だった

ブルーレイ版 by Amazon

https://www.amazon.co.jp/dp/B00898NA70/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_3zk0Db1F5MJ2G

81年 駅Station
83年 居酒屋兆治
85年 夜叉
と続く、前期降旗監督と健さんの美人女優シリーズ第二作。
散策の中では、一番賢さんがコミカルな演技を見せている。「駅」では警察官、本作ではサラリーマン(元函館ドック社員)で現在は居酒屋のオヤジ、「夜叉」では元ヤクザで今は漁師という役がらだから、確かにあまりシリアスな役ではない。
田中邦衛演ずる幼なじみで高校野球のバッテリーを組んでいた二人が、山の中に釣りに行くシーンが秀逸で、全編の中で一番光る絵だった。
逆に、終盤の葬式を草原の中で行うシーンが、遠くから引いた絵で健さんと残された夫をとっているのも、映像的には素晴らしい。
あまり寄らない絵が効果的な場面が多かったように思う。

賢さんと絡む美人女優は大原麗子で、この頃が彼女が一番光っていた時期のように記憶している。甘めのアルトではなす女優は当時でも少なかったが、今ではほとんどいなくなった。いわゆるアニメボイスでハイトーンで早口に喋るのは、三谷幸喜演出作品がヒットした以降、当たり前になったような気がする。最近ではテレビのニュースキャスターも(男でも)ハイトーンなので、いささか鼻につく。
この作品ではハイトーンで喋るのは伊丹演ずるタクシー会社の副社長くらいで、確かに昔の映画なのだ。

大原麗子と健さんの絡みは、たった二場面しかなく、彼女が健さんの居酒屋にふらっと訪ねてくる時。そして、彼女を探しにススキノにきた健さんがようやく発見した時の二場面。お大原麗子としては共演した気がしないのではないか。

「駅」では、ちょっとだけ登場した、離婚した妻役の石田あゆみが「夜叉」では、しっかりとした妻の役だった。「駅」で県さんとしっかり絡んだ倍賞千恵子は、「幸せの黄色いハンカチ」で、健さんを待つ健気な妻役を演じていた。だから、大原麗子はこの次の作品くらいで、もっとしっかり絡んだ役をやるかと期待していたが、そもそも健さんが映画に出なくなってしまった。これが残念。

健さんのようなスタイルの役者は、もうすっかり映画に出てくることがなくなったようだ。そもそも対策と言われる映画が作られなくなって随分経つような気もする。今の日本映画を代表する役者というと、渡辺謙くらいになるのか。三谷幸喜の映画は基本的にコメディーだし、ヒットメーカー不在の日本映画で、大俳優が生まれる余地も少ないのかもしれないななどと、健さん映画を見ると思い知らされるのだ。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中