食べ物レポート

青森のうまいもの

駅前にうまいものありという嬉しい例外

青森駅前にある食べ物屋の塊、なぜか全国チェーン店が多いのだが、その中にある食堂が「おさない」という。一見すると飲み屋なのか、食堂なのか微妙な感じがあるが、これは食堂に限りなく近い飲み屋という定義が正しいようだ。入り口の黄色い看板は、あまり飲み屋の雰囲気を感じさせない。

この店は「ホタテ」を食べるために存在するホタテ好きには天国のような店だ。まず、何も考えずにホタテ刺しを頼むという客が大半であろうと思うが、あえてビシッと「ホタテフライ」を注文する。東京あたりのけち臭いホタテフライとは違う、これでもかという量でホタテフライ一人前が登場する。見た瞬間に生きている喜びを感じる。色が薄い衣は、ホタテのうまさを感じさせる。これがコロッケのような濃い茶色になっていると、なんとはなしに火が通り過ぎて固くなっているような気がしてしまう。
ナイフとフォークで食べるような気取りはいらない。まさしく、醤油ダボダボかけて箸でつまみアングリと食う。醤油で何個かやっつけた後、おもむろにソース味に変更する。間違ってもタルタルソースなどに気を取られてはいけない。
ホタテの甘みと柔らかさが決め手であり、衣がホタテの邪魔をしないことが重要だ。
絶品でというしかない。独り占めしたホタテフライに腹がみちるのが、至福と言える。残念だが、ホタテ刺しやホタテ焼きの余地は残っていない。

この店のもう一つの名物はりんご入り餃子だ。餃子とりんごとはなんという組み合わせかなどとと思ってはいけない。鴨のオレンジソースがけという料理もあるではないか、と力説したい。りんごのシャリっとした歯ざわりとそこはかとない甘みが、餃子の中で光る。これがアップルパイのりんごのように甘く煮溶けていると、また違う味になるのだろうが、半分火が通ったくらいのりんごが絶妙だ。

青森の郷土料理といえば、結構な種類があるがその中ではだいぶ地味な位置にある「ケノ汁」。要は野菜たっぷりめのスイトン汁だと言ってしまえば身もふたもないというものだが、そこに「縄文」の接頭語がつくだけで、何やらご馳走風な響きがする。しかし、どんぐり食べてお腹は大丈夫なのだろうか。

青森は日本酒も銘酒が多い。米どころというよりも冬の気温が日本酒に良いのだと思うが、その中でもお気に入りが弘前の「豊盃」だ。地元でも手に入りにくい酒で、蔵元に買いにいっても二本しか売ってもらえない。ただし、青森市内や弘前市内では、居酒屋に行けばまあまあ飲めることが多い。他の土地では、まずお目にかからない。仙台でもほぼ壊滅、東京に至っては大げさに言えば1000軒に一軒くらいしか置いていないのではというほどだ・・・。

表の看板やディスプレイを見るといささか不安に感じるかもしれないが、料理は実に高い品質で、おまけに質量共に揃った良質の食堂と言える。駅前にうまいものなしなどという言葉もあるが、青森に関してはそれがちょっと違うようだ。青森駅から徒歩2分くらい。隣にコンビニエンスストアもある繁華街の入り口付近。青森から帰る時にちょっとご飯をと思った時は、この店がお進め。

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