旅をする

夏にはダム巡り  北海道編

長万部駅に到着  おしゃまんべ と読む

北海道の地名は元々がアイヌの地名を、音を当てて感じの地名を振ったので、恐ろしく読みにくいものが多い。この長万部はまだ読みやすい方で、音威子府(おといねっぷ)とか、倶知安(くっちゃん)、神居古潭(かむいこたん)、屈斜路(くっしゃろ)などはまだ読めるギリギリ。判読不能となると、音更(おとふけ)、積丹(しゃこたん)、後志(しりべし)、幾寅(いくとら)など漢検1級で通用するか?という状況だ。

長万部は、函館と札幌の中間点

その昔、鉄道が敷設された頃、札幌=函館間は主要幹線で、当時の商都小樽を経由する函館本線が本命だった。室蘭が一大工業都市化すると、太平洋周りで夕張方面の炭鉱地帯と結ぶ室蘭本線が延伸する。その途中の苫小牧と札幌が結ばれる千歳線は、支線のようなものだった。函館本線と室蘭本線の分岐地点が長万部だった。北海道内の幹線の結節点だから、当時は随分賑やかだったことだろう。

今では千歳空港と札幌をつなぐ千歳線が主力になってしまい、函館本線は特急も通らないローカル線になってしまったが、なんと新幹線が函館本線に寄り添い建設中。長万部も新幹線駅として復活するようだ。特に、有数のスキーリーゾート地で外国人に占拠された感じもあるニセコは、千歳空港からのアクセスが悪く、新幹線開業後は人の流れが変わりそうだ。千歳空港からバスで移動するよりも、函館空港経由で新幹線移動が100倍楽だろう。

ご当地キャラ まんべくん

長万部は噴火湾で取れるカニが名物だった。今ではすっかり獲れなくなったようだが、長万部の毛ガニ、そしてカニ弁当は有名だったのだ。だから、ご当地キャラもカニの姿。ただし、残念なことに駅弁は観光案内所売店で冷凍品のみの販売で、汽車(いまはディーゼル車)に乗ったローカル線の旅のお供にはならない。

ピリカダム ご当地キャラ

長万部から一走りすると、ピリカダムに着く。北海道の道の特徴というと、道幅が広い(冬は除雪のため道幅が狭まるから)、冬になるとセンターラインが見えない。何キロも直線道路が続くところが多い。などなど、北海道特有の道路事情がある。もう一つあげると、軍用道路なのだ。韓国のように飛行機の滑走路として使うのではない。冷戦時代、北海道はソ連に対峙する前線扱いだったので、北海道開発庁と言う役所が北海道の道路維持を行なっていた。基本的に北海道防衛の主力部隊は千歳と旭川に駐屯する陸上自衛隊二個師団。どちらも高機動型(つまり戦車が主力)であり、道内のどこにソ連軍が上陸しても対応できるように、びっくりするような田舎道でもしっかりと舗装されていた。山の中だろうが、海沿いの人の住んでいない場所であろうが高規格の道路が整備されていたのは、戦車移動の為だ。

北海道の地図を見て、北部の海岸沿いに遠ている道路がわかると思うが、ここは漁港以外には人もいないような超過疎地だ。ところが、道はとてつもなく立派だ。四国の山中の国道を走った経験(部分的に1.5車線になるほど狭い)からすると、同じ過疎地でも道の扱いが全然違う。ちなみに四国には戦車部隊はいない。(はずだ)

だから、北海道の田舎で戦車が通らないと想定されている場所は、単純に道がない。あるいは放置されている。トンネルがあっても狭い。重要道路では、戦車を乗せたトレーラーが移動できるだけの天井の高いトンネルが作られている。(と推測しているのだが)
そして長万部から日本海側に抜ける道は、昔は戦車道ではなかったので、やたら不便な道だったが、いまでは高速道路との接続線ということで随分立派になった。その立派な道の横に突然現れる、これまた立派なダムが、ピリカダム なのだ。

ピリカダム ご立派なダムであります

ピリカダム

ピリカダムは、右手にダム管理事務所などがある。国道からの取り付きもそちら側だ。左手は、ずっと山に千和いたところで、コンクリートのダムが石積みのダムに変わると言うレアもので、その構造の複雑さとダムの幅も含めてダムランキングでは高い順位にある(のではないか?、ダムランキングなるものが世の中に存在するのかは定かではないが)

留萌ダム 山の中でひっそりと 岩積みダム(ロックフィルの造形美)

留萌ダム

札幌から100kmくらい離れた場所、日本海側にある町、留萌。に診療が盛んだった頃は、腹巻きに札束突っ込んだニシン漁師がぶいぶい言っていた町であり、炭鉱の町でもあったはず。それが今や衰退続きで、見る影もない、典型的な北海道的過疎地だ。それでも高速道路が延伸したので、車でヒョイと遊びに行ける場所になった。その留萌のちょい手前で、山の中に入ると出現する留萌ダム。ダムの壁面が岩を積んでいるので、まるで城壁のようだ。これはコンクリートで固めたダムと違い、なんとなく自然っぽいっていうか、昔の人たちが作ったらこんな感じという雰囲気がある。建設費が経済的らしいし、景観も良いので、近くに公園が併設されたりすることが多い。
ここでは国交省のお役人に、ダムアンケートを受けた。どこから来たのか、どうやって知ったのか、交通手段はなどなど。北海道では微妙なダムブームが起きているらしく、どんな山奥のダムに行っても一日一人や二人が訪れているらしい。

幌別ダム 端正なロックフィル

幌別ダム

幌別は、室蘭の近くにあり、登別温泉と室蘭市の中間くらいに位置する。町は適度にコンパクトで、北海道に点在する典型的な地方の町だ。その市街地から10分程度で到着する、随分お手軽なダム。ロックフィルダムは、積み上げた岩が城壁のように見えている場合と、このダムのように草で覆われて、一見土手のように見えるものがある。町の近くであれば、こうした瓦の土手みたいな方が見た目が良いだろうというのは簡単に想像できる。そして、ダムの前に広がるのは芝生に覆われた広々とした公園なので、普通の人が見るとこれがダムだとは思えないだろう。残念ながら、土手の雨に柵があって、土手を登ることはできない。土手の上からは、ダム湖が広がるのが見えるので、結構良い景色になっているのだが、進入禁止。それがちょいと残念だ。このダムを見に来たら帰りは温泉で決まり。

ダムは山の中にあるので、基本的に冬に訪れるのは厳しい。おまけに北海道は夏が短いし、秋になるとダムの周りはクマだらけになるし、冬はホワイトアウトで遭難するし、春はまたクマが出てくるし、実にダムに行くタイミングが短すぎる。それでも北海道のダムは、もうすぐ半分制覇だ。

ダム巡りの旅のお供はダムカレー

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