食べ物レポート

西新宿で焼き鳥

昔の仕事のお仲間と7年ぶりで飲むことになった。間にコロナの3年があるとは言え、こちらはすっかりジジイ化が進んでしまった。若かった後輩もオヤジ化していたから、時の経つのは残酷なものだ。
その頃よく使っていた焼き鳥屋に久しぶりに訪れた。空間の使い方が上手い店だと思っていたが、流石にアフターコロナ仕様に改造するにはもう少し時間がいるようだ。居酒屋業界も業績が急回復しているらしく、すでにコロナ前の水準を超えているとの声も聞くが、こんな時こそ店舗設備の対応を考えて欲しいものだ。
コロナ流行拡大直前に店内での喫煙制限がかかったことで、スモークフリーの清浄な空間のように感じるが、実はこのあたりがコロナ時期の客数減少のせいで検証が終わっていない。いささか気になるところだ。

焼き鳥の盛り合わせを頼み、はふはふいいながらたべるのはなかなかの至福体験だった。注文は同行者に任せていたせいで食べた後に気付いたのだが、けっこうな高級地鶏串を食べていたのだ。美味いわけだ。
付け合わせのゆず胡椒ソースも美味かった。やはり美味いものにはそれなりのお値段を払わなければいけない。たまに食べるのだから、そこをケチってはいけないぞ。という典型的なお料理だった。

海苔がかかっているだけで期待値が上がるという海苔フリークなので、焼き鳥(つくね)に海苔が巻いてあったり、細切り海苔がかかっていると興奮してしまう。これも期待を裏切らない、海苔のうまい焼き鳥だった。

手羽先唐揚げは、もはや全国区の食べ物になっているが、やはり名古屋スタイル、それも全国チェーンになった某〇〇ちゃんではなく、名古屋ローカルのタイプが好みなのだ。
そして、どうやら全国へ広がっていった名古屋スタイルの手羽先唐揚げは、その名古屋2大チェーンのどちらとも違う、ユニークな汁だく系が主流になったらしい。最近、あちこちで食べる手羽先から揚げは、みんなどっぷりとつけだれに漬け込んだウェットタイプが多い。
タレをつけた後、フィニッシュで網焼きするということもないようだ。頭のなかを「変質と拡散」みたいな言葉が通り過ぎていくが、それはあっさりと無視することにした。料理は変化を続けて、元とは全く異なる状態になって定着することが多い。


手羽先界の未来は、ルーツである名古屋スタイルから羽ばたかなければいけない。(手羽だけに)などと、いけてないギャグを思いつきながら、手羽先の骨までしゃぶっておりました。