食べ物レポート

小樽を楽しむ究極の技

冬の小樽は、なかなか風情があるところだが、海風が冷たい

札幌でも雪が降っていたが、路面はまだ出ていた。小樽に来てみたら、路面はすっかり白くなっていた。移動距離30km程度で随分と街の様子が変わるものだ。冬靴(裏が滑り止めソール)を履いてきてよかった。この日の目的地は老舗の蕎麦屋で、開店5分前に辿り着いた。一番乗りだった。昼時には行列ができる人気店なので、そこは予定を立てて行動しなければならない。(えへん)

席に着くと、まずは日本酒を熱燗で注文する。当然のように蕎麦味噌がついてくる。これが嬉しい。蕎麦屋で酒を飲む時、一番の楽しみはこの蕎麦味噌だと思うのだが、たまに柿ピーが出てきたりすると、かなりガッカリする。熱燗は、銚子の首のところの温度が低めだった。つまりレンジアップではないということだ。昔ながらの燗付け機だろうか。

酒のつまみになるものは、これも本日の本命であるタチカマを迷わずに注文した。北海道ではマダラの白子をタチという。その白子を使ったかまぼこをタチカマというのだが、これはタラがとれる冬だけ限定の食べ物で、おまけに生産する方が少ない。いわゆるレアものだ。
食感は弾力が強いハンペンのような感じで、かまぼこと比べるとふわふわしている。味はかなり濃厚で、若干の生臭さがある。これをワサビ醤油で食べるのだが、元々塩味が強いのでワサビだけで食べるのがおすすめと店員さんに教えられた。
醤油ありなしで食べ比べてみた。確かに、ワサビだけの方が味が引き立つ気もする。しかし、醤油も捨てがたい。どちらも日本酒には抜群に合う。これと似た感じの肴といえば、バクライだろうか。食感は全然違うが、味の系統が似ている気がする。

日本酒はたくさんの銘柄を揃えているが、蕎麦屋の親父、板長、女将のおすすめという酒を順番に試してみるのが良さそうだ。ただ、熱燗にするのであれば、相性を考えることも重要だ。大吟醸を燗酒にするのはなかなか勇気がいる。

前回来た時注文したのはかしわぬきだったので、今回はもう一つのぬきである「てんぬき」を選んだ。これは、なんと言えば良いのか、汁物の酒の肴というべきなのだろう。半分食べた?ところで、衣がつゆを吸ってフニャとなった海老天を味わう。いや、これを考えた人は天才だ、と言いたいくらいのうまさだ。
他の蕎麦屋では大海老の代わりに小エビで5本の天ぷらを入れてくるところがあるらしい。そうなると、順番に食感の変化が楽しめるから、それもまた楽しそうだ。普通の蕎麦屋でも「天抜き」を注文したいのだが、メニューに載っていないとなかなか躊躇ってしまう。妙に蕎麦通ぶっているとみられるのも嫌だしなあ、などとお店に忖度してしまう。天ぷらと蕎麦を別に頼むという手もあるかとは思うのだが。それでは「抜き」にならないし。
この店の天抜きはつゆの加減が絶妙だ。そばを抜いて完成するという不思議な料理だが、うまいものはうまい。

そして、これも前回食べられなかった宿題メニューのカレー丼を頼んだ。そばを頼むか随分と迷ったが、カレー丼にしてよかった。この料理もよく考えれば、カレー南蛮のあたまをそばではなく米に乗せたと言えばそれまでだが。蕎麦つゆで仕上げたカレーは本当に美味い。蕎麦より米に合う。肉の味がカレーと合わさると最強になる。
しかし、一度これを食べてみれば、メニューに書いてある通り、やみつきになるのは間違いない。ただ、そこが問題なのだ。次にそばを食べに来て、あれこれ迷いつつ結局はそばを頼まずカレー丼を食すという悪習慣ができそうだ。いかんいかん。

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北海道観光する時に 小樽と狸小路

北海道の古い街といえば、やはり小樽になるのだろう。札幌は官庁が置かれた行政都市。古さでいえば函館だが、あそこは北海道よ言うより津軽の出張所で出先機関の街だった。小樽は本格的な北海道の商都だったのだ。

その小樽駅前にあるアーケド街、人通りもまばらではあるが古くから営業している店も多く残っている。まだ、シャッター街とまではいえない現役商店街だ。
そこにじつに味のある外見の喫茶店があり、小樽に行くと立ち寄ることにしている「光」。中はランプの明かりで薄暗い。写真撮影禁止なので内部の写真はない。実物を味わってもらうしかないが、コーヒーを頼むとついてくるカステラ(北海道式)は甘くて旨い。

札幌では、昭和の初期には街の中心だった狸小路がおすすめだ。最近は中国人や対人観光客に占拠された感もあったが、今では日本人しかいないので、寂れた感もあるが歩きやすい。狸小路は1丁目から10丁目まであるが、おすすめは7丁目あたり。怪しげな店やびっくりするような老舗も生き残っている。ちょっと前まではクラシック喫茶とかビリヤード場のあったが、今は閉店してしまった。だ、その後にはまた新しい店が開いたりもするので、街の新陳代謝は進んでいる。

ススキノで飲むより狸小路7丁目・8丁目の飲み屋の方がユニークな店が多いのでおすすめだ。

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小樽を散策してみたら

冬になる直前の小樽を散歩してみたが、なぜかこんな寒くても外国人観光客が押し寄せるので、運河方面には出動しないことにした。
駅前を海方向に降っていくと、昔の金融機関の建物が残っている。石造りの堅牢な建物はすでに歴史的建造物なのだが、倉庫街の近くに金融機関があるというのは商都小樽ということの現れか。

安田銀行小樽支店と書かれた銘板だが、すでに安田銀行など存在しない。安田財閥すら消え去ってしまった。(現芙蓉グループが後継ともいえるが)それにもましてすごいのが、案内文が日本語以外に英露中韓の4カ国語で記載されていることで、なんだかこれほどのものは東京でもみない。

その安田銀行跡地も小洒落たレストランとして使われている。時間があればこのレストランでランチでもと思わないでもない。ただし、こうしたところに来るときはそれなりの格好で、それなりの同行者が必要だとは思うのだが。

小樽のアーケード商店街、都通りを歩くと、これまたレトロな光景に出会うことが多い。その中でもお気に入りなのが喫茶店「光」。外見から想像する通りのクラシックな店内にはランプの光があふれている。(ただし店内撮影禁止)
コーヒーを注文すると、これまた実に濃い味のコーヒーが出てくるのだが、北海道特有のカステラという焼き菓子(長崎名物のカステラとは違う食べ物で、焼いたドーナツのような物)がついてくる。

アーケードのあちこちには小樽弁の解説垂れ幕が下がっているのだが、これも今の若い人では相当に死語となっているだろう。全国的に方言(政治的に言い換えると地方言葉というらしい)が薄くなり、消えていきつつある。それでも「なげる」は、現役バリバリな方言で、北海道転勤族が最初に気がつく言葉らしい。あとは「こわい」だろうか。ただ、これの語源は北陸方面らしいので、北海道弁とは言い難い。

もともと北海道は、「外地」つまり植民地扱いだったし、本州、特に東北から北陸にかけての戊辰戦争敗北地域からの移民で出来上がった混成地帯だった。だから、北海道弁といっても各地の方言が入り乱れイントネーションが交雑してできた、いわば人工言語だ。おまけに、函館から日本海側は津軽とほぼ同化していたので(というか津軽漁民が季節的に移動してきて定着化した地域なので北津軽ととか沖津軽とでもいうべき場所だった)、津軽弁と近しい浜言葉が話される。実は、これが行政府が置かれた札幌圏を中心とする地域の住民には、さっぱり理解し難い言葉ともなっている。小樽は、その日本海側文化圏の北端にあたり(厳密には留萌あたりまでが日本海文化圏だろうとも思うが)、札幌とは微妙に言葉が違う。長くなったが、小樽弁と言われるのは、こうした歴史的由来がある代物なのだ。

小樽を支えた産業については、またいつか別稿で。

食べ物レポート

小樽名物 あんかけ焼きそばとあまとう

小樽といえば昔からの港町で札幌近郊の漁港であり、古くから栄えた商業都市なので、うまいもの屋がたくさんあるという意識が、札幌人のどこかにあると思う。そもそも札幌人の半数くらいは、北海道内からの移住者なので小樽に対する微妙あこがれ(食に関して)はあると思う。札幌の有名なケーキ屋は小樽で修行した店主が多い時代があった。そして小樽といえば、何よりも鮨の町ということになるのだが。
おそらく 鮨は小樽でというのは流通が悪かった時代の話で、このご時世では魚のイキのよさみたいなところでは差別化難しい。小樽の鮨の良さを担保するのは、当時から続く職人の腕前ということになる。

そんな小樽で「最近」売り出し中の食べ物が、あんかけ焼きそばのようだ。市内の中華料理店を中心に色々な店が独自なあんかけ焼きそばをメニューに加えている。あんかけ焼きそばマップなどがあるから、町おこしの一環ということだろう。小樽の駅前にあるアーケード商店街の中で、あんかけ焼きそば推しの中華料理店桂苑に入ってみた。

店内は、中華料理屋独特の油の匂いがするが、特に炒め物の匂いが強い。席について早速に餡掛け焼きそばを注文する。周りを見るとすでにあんかけ焼きそばを無心にかき込む客がほぼ半数。入る注文のほぼ半分があんかけ焼きそば。これはすごい占有率だと少々驚きつつ実食。
やきそばは中華麺を軽く焼いたもの。表面がパリッとしていて、中はしっとりだ。あんかけはかなり油多めで、具沢山だが味が薄い。酢や醤油をかけて自分で味変するのだろう。うーん、この程度であればどこでもやっていそうなあんかけ焼きそばではないか・・。まずいとは言わないが、こんなにたくさんお客が注文するほどのものかなとも思うが、この店では観光客というより地元民の昼食という感じだったので、おそらく小樽市民は限りなくあんかけ焼きそばが好きなのだろう。もう一軒くらい違う店で試してみないと決めつけてはいけないなと。

その後、所用を足してから、これも小樽の老舗菓子店「あまとう」の喫茶部に行った。「あまとう」とは「甘党」のひらがな表記かと、看板を見て初めて思ったが、創業者が「海人党」さんだったり「天藤」さんだったりしたのかもしれない。この店の「マロンコロン」は名品なのだが、今日は喫茶部で「甘党」に挑戦するのだ。

これがあまとう名物「クリームぜんざい」。写真でうまく撮れていないが、ソフトクリーム(甘み少なめ)の下には、こってりと小豆の煮たものが入っている。冷たいぜんざいの上にソフトクリーム乗っていますという感じだ。ソフトクリームの甘さが控えめなので、下の小豆と混ぜて食べるとちょうど良い。実にボリュームたっぷりで、昼飯の後のデザートにするにはちょっと多過ぎな感じがする。小樽の町歩きに疲れたら、甘いもので一休み的な休憩には向いている。問題は、ほぼ女性専用のような店なので、男一人で入るには相当な勇気が必要だということだ。

うまいものを食べるには勇気が必要な時代なのだよ。

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水族館のランチ

小樽市にある水族館に行きランチをいただき、その感想など。

亀の太郎くんの写真はフェイスブックのトップでおなじみのはずだが、もう1つの小樽水族館ランチ人気メニューがセイウチのしずかちゃんランチだ。

尻尾がエビフライで、フライドポテトが頭になっている。泳いでいるのはデミグラソースの海。

見た目そのまんまキッズメニューなので、大人が注文するのは気恥ずかしいものがあるのだが…。

運営しているのは洋食屋として老舗の三幸なので、品質は確か。キワモノではない。オムライスの中身を食べながらビールを飲むのは背徳的な喜びを感じる。

月曜の水族館は人もまばらで、おまけに雨だから名物のトドに会いにいくのも大変面倒だ。

パラパラと外国人観光客が混じっているのが不思議だが、水槽の前の案内板が多国籍表示になっているので、確かに来訪者の外国人比率は高いのだろう。

自分でもカリフォルニアに行って水族館に行った記憶があり、(世界最大になる昆布を見に行った)日本人だけが水族館好きとは言えない。オホーツクの魚を見るには小樽水族館はおてごろだろうし。

ここのレストランを運営するニュー三幸は、札幌のテレビ塔のレストランも営業している。実はテレビ塔のレストランは、夜に行くといい雰囲気の穴場だ。というのは蛇足情報で、おたる水族館で食べるご飯が美味しいという話。