旅をする

札幌で喫茶店とカフェ

学生時代に全盛だった喫茶店はまるで倉庫の中のような薄暗さが特徴だった。店内が明るいというのは、ダメな店だったような気もする。ただし、例外的に明るい店がビルの高層階の窓際にあった。パルコの5階は大型書店で、その横にあった喫茶店は、4丁目の交差点を見下ろす日差しのよく入る店で、買ったばかりの本をパラパラと眺めるのが好きだったが、今はもうない。喫茶店どころか本屋までなくなってしまった。そもそもパルコができる前は、その本屋が立っていた。昔のランドマークだったのだが。

パルコ向かいの三越の交差点側には何店か喫茶店が残っていて、実はちょっとした休憩にはこの場所が良いかなと思っている。三越の中なので女性客が中心だが、店が小ぶりなせいなのか、一人で来る客ばかりで静かなのが良い。宮越珈琲のフレンチブレンドは苦味が強くて好みなのだ。

窓際の席の喫茶店といえば、大通り公園に面した徳光コーヒーも良いが、実は穴場と言うべきなのが札幌市役所一階ロビーにある元気カフェだ。セルフサービスなのでカウンターで注文するが席まで持ってきてくれる。カウンターは、なんだか駅の立ち食い蕎麦屋の雰囲気がするが、コーヒーはしっかりとした濃口の味で、これもまた好みだ。

市役所ロビーなので冬はちょっと寒いが、それ以外の季節は快適だろう。ロビーは天井が高く広い空間なので、セルフサービスコーヒー店の圧縮された空間感覚とは無縁だ。のびのび広々としているが、内緒話をするにはオープン過ぎるかもしれない。一人でちょっと一息つきたいときには良いと思う。デザートも豊富だし、お値段もお手頃。札幌市役所は屋上展望台があり、高層階レストランもある、ちょとした隠れスポットなのだなあ。

食べ物レポート

喫茶店でチョコパフェ

最近流行の締めパフェ。飲んだ後の締めに食べるラーメンより体に悪そうな気もするが(カロリー的には)、札幌が発祥でじわじわ広がる気配らしい。

さすがにこの歳になって締めパフェはないなと思っているが、ひょんなことから数十年ぶりにチョコレートパフェ を食べることになった。きっかけはテレビの番組だったような気がする。男が大きなパフェを食べているのだが、何だか罰ゲームのようで、ソレなのにずいぶんと楽しそうに食べている。ぼんやりと子供の時にデパートの大食堂で食べたチョコレートパフェ のことを思い出していた。
そういえば、デパートの大食堂がなくなって何十年もたつが、今は一体どこでチョコパフェ食べるのだろう。喫茶店もすっかり減っているしななどと考えていると、今度は名古屋の喫茶店の特集があり、そこではこれまた特大のチョコパフェが出てきた。
突然、無性にチョコパフェが食べたくなりファミリーレストランに行って食べるかと思案したが、ちょっと絵面が情け無い。

そこで今も残る新宿の名喫茶店に初めて足を伸ばすことにした。その名も「西武」。最近、西新宿に新店を開けたという記事を読んでいたから、恐る恐るという感じで行ったのだが、「みよ、この商品サンプル」と言いたげな、ゴージャスな昔の町食堂風というかデパートの大食堂風のショーケースに圧倒された。特に「大人のお子様ランチ」と書かれたメニューに目が釘付けになった。しかし、これは今日の本命ではないと自分に言い聞かせ・・・。

これが、喫茶西武のチョコパフェなのだ。多分、子供の時にこんなものが食べたかったのだと、大人がムキになって作りました感が全面的に展開されている、スーパー、ゴージャス、デラックスなチョコレートパフェ だった。コーンに入ったソフトクリームが丸々一つ突き刺さっている。ポッキーはご愛嬌だが、冷たいものを食べ続けると、舌にこの感触がありがたい。土台は生クリームで、これでもかというばかりにフルーツも載っているというかささっている。
周りは全て女性客だったが、そこは超然と無視して、ひたすら一気にパフェを食べた。あまりの甘さに汗が出てきた。だが、達成感はあった。完食してしまった。
舌が子供時代に回帰しつつあるのかもしれないが、動物的にというか生理的にうまいと感じて満足していた。何だかこれはクセになりそうな予感がする。特に、この大型のタイプのチョコレートパフェ は、子供の頃には決して食べさせてもらえなかった高級品の匂いがプンプンしている。まさしく大人買いの快感だ。

あー、転落の予感がする。

旅をする

高原の喫茶店

蓼科ビーナスラインにある一軒家喫茶店

ビーナスラインと呼ばれる高原道路は、茅野市で発掘された縄文遺跡から出土した女性の土偶を「縄文のビーナス」と名付けられたことに由来している。

縄文のビーナスは茅野市尖石縄文考古館で展示されている
 https://www.nagano-museum.com/info/detail.php?fno=136&tn=1

そのビーナスラインに立つ一軒家喫茶店がなかなかオシャレというか、居心地が良いので、晴れた日にはついコービーを飲みに行きたくなる。お店の前には5台ほどの駐車スペースがある。店内の客席もそれにあった5組も入れば満員になる。女性の店主が一人でやっているので、混雑する時には注文がなかなか出てこないこともあると断り書きがあるが、こちらの行く時間のせいか、待たされたことはない。
茅野市内からビーナスラインを登ってくる途中には、手打ちそば、北欧料理レストラン、おしゃれな雑貨店、そしてイングリッシュっガーデンが立ち並ぶ、かなり密集度の高い地域に当たる。
向かい側にはいつでも長蛇の列ができる蕎麦屋や、店の横の畑で取れた野菜が売り物のイタリアンレストランもあり、シャレのめした高原の商業集積地と言っても良いだろう。イングリッシュガーデンは、週末には100台近くある駐車場がいっぱいになる。

道路沿いに大きな窓があり、そこはカウンター席になっている。道を挟んだ向かいは野菜畑で、ビニールハウスの中はトマトやナスが育っているらしい。1000m近い高原なので、夏でもうんざりするような暑さにはならない。ビーナスラインと呼ばれる割りに交通量はあまり多くないので、ぼんやりと畑とその向こうに広がる青空を眺めていると、なんとなく心が落ち着く。ぼーっとしているのが心地よくなる。

夏でもホットコーヒーを飲む。アイスコーヒーは意外と苦手なのだ。この店のコーヒーは酸味が立った濃い目のブレンドで、午前中に飲むには良いようだ。ランチタイムにはそこそこ混み合うらしいので、早めに退散する。大手喫茶チェーンでは味わえない時間と空間は、一つの文化だなあと改めて思う。
田舎の喫茶店によるのは楽しみだ。

茅野市北山 「たてしな日和」 営業時間は短くて、お昼前から夕方まで喫茶店