食べ物レポート

北海道のヒーロー 餃子のみよしのとザンギ

みよしのとは・・・

餃子の「みよしの」といえば、札幌人のソウルフードというか、札幌の高校生でみよしのを知らない奴はいない。だから元高校生以上という年配者も含めてみんな知っている、はずだ。もともとは狸小路にあるカウンターのみ、10席程度の小さな店だった。その餃子の安さに高校生が飛びついて、地下鉄駅周辺にじわりじわりと店が増えていった。カレーも安く、びっくりカレー¥190円は大学の学食より安いくらいだった。びっくりカレーに餃子三個乗せた餃子カレーが、男子高校生の鉄板定番だった。今ではさすがに餃子カレーも¥400程度はするだろう。

ザンギの話その「みよしの」で、一部店舗限定だがラーメンが食べられる。決してラーメン専門店の味を求めてはいけないが、そもそも餃子だって、とてつもなくうまいというものではない。この値段で、このボリュームで、十分満足できるよねというのが、「みよしの」の満足の方程式だ。うまさで超絶しているわけでもないし、長蛇の列ができるわけでもない。それでも、元高校生から現役高校生まで幅広い層で「みよしの」は支持されている。だから、この餃子とラーメンのセットは、そこそこのうまさの実現という意味でとてつもなく意味がある。「みよしの」の餃子食べたいなあ、できればラーメンも一緒に食べたいな的な利用動機にドンピシャあっているわけだ。
だいたいラーメン屋の餃子は高すぎるし多すぎるんだよね。(と、これは個人的な文句だ)
札幌人のB級ソウルフード、「みよしの」の餃子があるうちは、全国チェーン「餃子の王将」も、「幸楽苑」もなかなか札幌進出は大変だろう。

ザンギとは・・・

そして、もう一つの札幌というか北海道B級ソウルフード、「ザンギ」。ザンギとは何かと言われると、味付けの濃い鳥唐揚げといえば良いのだろうが、これもローカルルールの塊みたいな食べ物で、正確に定義は難しい。特に、鳥の唐揚げと何が違うと言われるのが一番答えにくい。最近のスーパー惣菜売り場では、ザンギが売られていないことが多いようだ。売っているのは鳥の唐揚げだ。(商品名にそう書いてある) ところが北海道人の会話には、鳥の唐揚げなる単語はほとんど出現せず、だれもがザンギという。

では、北海道人は一体どこでザンギを買うのかという疑問が出てくるが、街を歩いていたらザンギ専門店を発見した。
ザンギとは、まあ、写真の通り、こんなルックスの鳥の唐揚げだ。だいたい一口サイズよりも大きい。肉量でいくと50−100gの間くらいではないか。子供のゲンコツくらいという感じだ。そして、衣は小麦粉ではなく片栗粉、澱粉が多い。(この時点で竜田揚げとの差別が難しい)下味はニンニク・生姜・醤油が基本だが、最近は塩ザンギなるものが勢いづいてきたので、醤油が必須ではない。釧路地方では、これにザンギのタレ、ザンタレという酸味の強い甘酢醤油のたれをかけることがある。これも最近じわじわ広がっているらしい。
残念ながらザンギ専門店が札幌市内にごろごろあるわけでもなく、居酒屋でもザンギに遭遇できる確率は半分くらいではないか。

それでもこの後100年ぐらいは、北海道人はザンギと言い続けることだろう。少なくとも北海道に旅行して、メニューにザンギと書かれていたら注文してみることをお勧めしておこう。

ザンギ、うまいよ。

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諏訪の雷藏 名店の系譜

ラーメンチェーン店『幸楽苑』が撤退した跡地に開いていたラーメン屋が気になっていた。茅野市の町外れにあるが、昼時の駐車場はそこそこ埋まっていて、商売繁盛のようだった。気になったのは「ハルピン」の文字。諏訪インター近くのハルピンラーメンを思い出すからだ。

店内への入り口に味噌だるがたくさん並べられていて、諏訪地方の味噌蔵それぞれの味噌がある。寝かせダレというのがラーメンに使われる調整した味噌らしい。

テーブルでメニューを開けると、商品よりも味噌の説明の方が大きい。確かに味噌にこだわっているようだ。そして味噌にこだわっている職人姿のおっちゃんが、どうやらハルピンラーメンのおっちゃんらしいことがわかった。つまり、この店はハルピンラーメンの親戚というか兄弟というか、少なくとも同じ系列の店ということになる。途端に期待値が高まる。

注文したのは、もちろんスタンダードな味噌ラーメンだ。1回目の注文は、あまり気をてらったメニューには手を出さないことにしている。最近はやりの全部乗せなどには決して手を出さない。スープとラーメンが不味ければ、トッピングがいくらうまくてもダメだと思う。ましてやトッピングで腹が膨れるのは邪道という気がする。
この店の普通のラーメンだが、まずチャーシューが大きい。メンマとネギは少なめ、ソレ以外にトッピングなしということはチャーシューに自信があるのだろう。これは好感が持てる。中央に乗った味噌だれは、ハルピンラーメンに使う辛味噌ベースらしく、少しずつ溶きながら食べると良いみたいなことがメニューに書いてある。が、1/4くらい食べたら一気に溶かしてしまった。確かに、溶かしてみると辛めの味噌味にはなるが、好みに合わせてもう少し多くても良さそうだ。チャーシューもうまい。味噌の味は予想よりおとなしめだが、辛味噌との相性が良い。ガシガシと食べる味噌ラーメンだった。

長野はラーメン不毛の地などと言われていた時代が嘘のようだ。豪速球味噌ラーメン、好みであります。ハルピンラーメンと一回おきに使うことにしよう。

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喫茶店でチョコパフェ

最近流行の締めパフェ。飲んだ後の締めに食べるラーメンより体に悪そうな気もするが(カロリー的には)、札幌が発祥でじわじわ広がる気配らしい。

さすがにこの歳になって締めパフェはないなと思っているが、ひょんなことから数十年ぶりにチョコレートパフェ を食べることになった。きっかけはテレビの番組だったような気がする。男が大きなパフェを食べているのだが、何だか罰ゲームのようで、ソレなのにずいぶんと楽しそうに食べている。ぼんやりと子供の時にデパートの大食堂で食べたチョコレートパフェ のことを思い出していた。
そういえば、デパートの大食堂がなくなって何十年もたつが、今は一体どこでチョコパフェ食べるのだろう。喫茶店もすっかり減っているしななどと考えていると、今度は名古屋の喫茶店の特集があり、そこではこれまた特大のチョコパフェが出てきた。
突然、無性にチョコパフェが食べたくなりファミリーレストランに行って食べるかと思案したが、ちょっと絵面が情け無い。

そこで今も残る新宿の名喫茶店に初めて足を伸ばすことにした。その名も「西武」。最近、西新宿に新店を開けたという記事を読んでいたから、恐る恐るという感じで行ったのだが、「みよ、この商品サンプル」と言いたげな、ゴージャスな昔の町食堂風というかデパートの大食堂風のショーケースに圧倒された。特に「大人のお子様ランチ」と書かれたメニューに目が釘付けになった。しかし、これは今日の本命ではないと自分に言い聞かせ・・・。

これが、喫茶西武のチョコパフェなのだ。多分、子供の時にこんなものが食べたかったのだと、大人がムキになって作りました感が全面的に展開されている、スーパー、ゴージャス、デラックスなチョコレートパフェ だった。コーンに入ったソフトクリームが丸々一つ突き刺さっている。ポッキーはご愛嬌だが、冷たいものを食べ続けると、舌にこの感触がありがたい。土台は生クリームで、これでもかというばかりにフルーツも載っているというかささっている。
周りは全て女性客だったが、そこは超然と無視して、ひたすら一気にパフェを食べた。あまりの甘さに汗が出てきた。だが、達成感はあった。完食してしまった。
舌が子供時代に回帰しつつあるのかもしれないが、動物的にというか生理的にうまいと感じて満足していた。何だかこれはクセになりそうな予感がする。特に、この大型のタイプのチョコレートパフェ は、子供の頃には決して食べさせてもらえなかった高級品の匂いがプンプンしている。まさしく大人買いの快感だ。

あー、転落の予感がする。

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ランチパックの話 2

ことの発端のロバパン製品がこの写真のもので、「台湾まぜそば」スナックサンド。左上のロゴマークをよく見なかったら気がつかないほど、ランチパックとよく似ている。まさかのコピー商品かと思ったが、よく考えるとパンの中身が違うこと以外は大同小異、まあ似たようなパッケージになり似たようなものになるのは仕方がないだろう。これを言い始めたら日本中のアンパンやクリームパンやメロンパンはコピー品以外の何者でもない。

北海道のローカルパンメーカーは、色々と経営的な困難があり、ある程度統合と系列化が進んでいる。スーパーに行くと、パン売り場にはランチパックもどきがたくさん並んでいて、随分ヤマザキパンは頑張っているなと思ってみたら、一部はこのロバパン製品で、それ以外にも何種類かはニチリョウパン(これも札幌の大手パン屋)の製品だった。つまり、同じ売り場で似たもの同士が三社競合している状態だ。例えば、ピーナッツ味、卵スプレッドは二社が直接競合しているし、トマト味やチーズ味は微妙に違うが三社競合という感じだ。

ランチパックのキワモノといえばこれだと、喜んで買ってきた。味は・・・・・評価しにくい。まず売り物が横浜ビーフ。ソレって何ですかと言いたいくらいのが、「横浜の牛って?」ことで。確か葉山で牛を育てていたような気もするが、あそこは横浜なの?と疑問符発生。
そして、これまた突っ込みたいのが横浜ビーフの「牛」挽き肉って、ビーフと牛が重なっているしなあ。
気になったので横浜ビーフ調べました。詳しいことはこちらのリンク先で 神奈川県畜産会の説明をどうぞ。

http://kanagawa.lin.gr.jp/post-4.html

仙台で見た幸楽苑の餃子コラボのように、崎陽軒の焼売コラボであれば横浜限定ランチパック、たのしそうだ。ただ、これも昔はやっていたとか、季節限定でやっていたということはあるかもしれない。

ちなみにフジパンもランチパックもどきを売っているなと思っていたら、知り合いからフジパンが元祖だと聞かされた。
何だ、ランチパックがコピー品なのか?ということで、謎はますます深まり、しばらくこれを研究していこう。

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海老そば 一幻

千歳空港にあるラーメン専門フードコートは朝から行列ができる繁盛ぶりだが、その中でも一際長い行列ができているのが、えびそば「一幻」だ。
本店はススキノの外れにある。ここもピーク時には行列ができる名店だ。東京・西新宿にも支店があり、これもまた昼時には長い行列ができる。えびそばと言っているが、スープが豚骨とえびだしのWスープで、一口スープを啜るとエビが口の中で爆発する感じと言えば良いだろう。ラーメン道場のサイトは下記。

http://www.new-chitose-airport.jp/ja/spend/shop/eat/place/place6.html

味は、スープがエビ強い、えび豚半々、豚骨強めという感じで3種類の海老感が選択できる。そして、ラーメンとして味噌、塩、醤油味を選ぶ。どうも店主的にはえびしお推しなのかと思おうが、個人的には海老味噌が好みだ。
兎にも角にも海老の味の強さが目立つ。この店独自の「一点張り」商品で間違いない。地元札幌では何店か海老ラーメンがあるが、やはり元祖には敵わないようだ。

さて、エビ味噌ラーメンだが、チャーシューと煮卵はおまけで(味は良い、完成度高い)、勝負はスープだ。あえていえば、ネギの上にかかっている「海老粉」でしょう。これをスープにかき混ぜていくことで、海老味を強化できる。
スープの濃厚さに負けない中太麺も良い個性を出している。

全国あちこちにある「一点張り」ラーメンだが、名古屋味仙の台湾ラーメンとえびそば一幻のえび味噌は、東西の横綱級。これに続くのが長崎四海楼のちゃんぽんと大阪神座のおいしいラーメンというところか。
札幌ラーメンの現在の頂点に立つ店の一つ。一幻のえびそばは札幌に行った時の絶対定番だ。
もう一つの絶対定番は彩未だが、ソレはまた別の機会に。

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ランチパックの話

札幌に行った時に発見した「台湾まぜそば」のランチパックの偽物(?)がことの始まりで、色々とランチパックに興味が湧いてきた。
(偽モンと思ったのは、あくまでも個人の主観であります)

いろいろ調べて見たら池袋にランチパックの専門店があるというので、のこのこ出掛けた見たら、あらビックリの品揃え。
棚の上から下まで全部ランチパックだった。40ー50種はあるのだろうか。全国でオリジナルランチパックが製造されているから、こんな種類になるのだろう。

まあ、ディスプレイは別の話として、上段3段くらいは全国のご当地ランチパックと、最近の売れ筋トップ5みたいな並べ方になっていた。
自宅近くのスーパーでは見たこともないようなものがごっそりと並んでいた。

面白そうなので何種類か買ってきたが、イチオシは「サバマヨ」。
全粒粉使用でちょっと茶色がかったパンに、DHA入りをしっかり謳った健康志向の一品、ただしカロリーは高めだが、「やる気アップ」のコピーがすごい。個人的にはサバマヨはありだなと思う。是非定番化してほしい。味もよいしね。

もう一つのオススメ、多分季節限定だと思うが、「ラグビーワールドカップ」協賛らしい、トリプルガッツ。いや、このネーミングはすごい。
おまけに中身が、ハムカツ2枚とメンチカツというガッツあふれるコンビネーション。当然のように健康色増強ラインではなく、ガツンとスタミナ系なので、カロリー表記はない。

製造所記号が違うので、山崎パンのどこか違う工場で開発されて、地域限定で製造されている物だから、これでいいのだと思うが、それにしてもすごいな。同じパン屋で売っていることはないから、いや同じ地域ですら併売されることはないのだろうから、誰も怪し見はしない。夏に仙台で見た「幸楽苑の餃子」コラボとか、「牛タン」とか、実にローカル色豊かな商品ラインナップがあるので、しばらく定点観測的に追いかけてみようかと思う今日この頃であります。

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家庭料理 まさき 札幌のお気に入り

札幌で何軒かある好みの店で、一人飲みするならこの店が良い。一般的にはおばんざいの店と言われている家庭料理がふんだんに並ぶ。今では、お袋の味なとと言われる家庭料理は消滅しかかっているが、手のかかった季節料理が堪能できる店だ。

秋の食材と言われれば「きのこ」だが、北海道特有のキノコに「らくよう」がある。滑りがありちょっと癖の強いなめこのようなきのこだ。子供の頃に山に入ってこのきのこを探したことがある。当時はうまいとも思わなかったが、独特の旨味とコクがあり、自然のキノコという味がする。これを湯がいて大根おろしと和えたもの。うまし。大人の味だ。野性味というか野の香りというか、どちらにしてもスーパーでは売っていないきのこなので貴重だ。

とうきびのかき揚げ、北海道の人はとうもろこしとは言わず、「とうきび」という。昔のとうきびは甘味が弱く、粒も硬い品種だった。最近の甘くて柔らかい(要は未成熟なのだが)コーンとは別種のようなものだ。あれを天ぷらにしてもうまくはないだろうと想像はつく。ポップコーンのように弾けるのではないか。とうきびの天ぷらは、最近のコーンだからこそできる料理なのだね。甘さが強いので、塩でいただくのが宜しいようだが、それでもどっぷりと天つゆにつけたいのは親父の証明みたいなものだ。とうきびといえば夏の食べ物というイメージがあるが、天ぷらにするには晩成種のコーンがよろしいようだ。

北海シマエビという高級品種がある。根室の近くで取れる北海道特有のエビで、漁期が限られていることもあり希少でお高い。冷凍物で20−30匹入った箱詰め物で5千円は軽く超える。塩茹でにすると甘味と、うまみが増して実に旨し。なのだが、札幌でも滅多にお目にかかることはない。ましてや北海道外では存在すら知られていないだろう。
北海道名物で色々と名前は有名だが、実際にが食べられないものは数多くある。その中の筆頭がこの「北海シマエビ」。それに続くとすれば「たちかま」・・・タラの白子の蒲鉾、「キンキの飯寿司」、「カジカ鍋」、そして「松前の岩海苔」。
機会があれば是非お試しを。

お通しもこんな感じでおしゃれでございます「まさき」。
ひとり飲みにはおすすめです。

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イタリアンの日本的進化とは

丸の内のビル地下にあるビストロで食べた牡蠣のアヒージョ。牡蠣の殻に入ったまま出されてきてびっくり。値段もそこそこするのだが、何より牡蠣の貝殻というビジュアルが印象的だ。普通に食べる酢牡蠣と違うのは、油でぐつぐつ煮たっているということ。
そもそもアヒージョはオイルでグツグツでやるものらしい。だから、魚が合うのかといわれれば、なんとなく疑問ものこるが、牡蠣にぶつけるかよという驚き。新鮮だ。

かきのアヒージョ

某イタリアンシェフから聞いた話だが、カルパッチョとは肉の料理なのだが、日本では刺身のような生魚で出されることが多い。逆に肉を使ったカルパッチョは見かけない。イタリアンの日本的翻案というところで、カツオやマグロのカルパッチョはうまい。洋風刺身という風情がある思うが、この牡蠣のアヒージョも日本的進化というところか。ただし、アヒージョはスペイン料理だったと思うが。

キャベツのアンチョビー炒め

キャベツのアンチョビー炒めは、貧乏人の酒の肴としては秀逸だ。必要なものはオリーブオイルとニンニクとアンチョビーの缶詰に大量のキャベツ。これはうまい。世の中には無限キャベツなる料理もあるが、あれよりもこちらが若干ながら料理っぽい。
このアンチョビーをイカの塩辛で置き換えても、かなりうまい。発酵塩漬け食品であれば、多分なんでも旨くなる。

これの親戚筋が飛騨の漬物ステーキだと思うが、あちらは古漬けのみの豪速球。

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神田みますや・・・ は大混雑

この店は雑誌で東京の名居酒屋特集などがあると、必ずといって良いくらい登場する。確かに名店だとは思う。入り口の横の座敷のような倉庫には日本酒が段ボールに入ったまま無造作に積み上げられているが、それが皆名高い銘酒ばかり。老舗居酒屋の意地というか凄みはこんなところにある。客層は幅広く、若者カップルから中高年まで。居酒屋らしく誰もが大声で喋るので、店内の騒音状態は相当のものだ。
それが良い人だけがくる店だろう。

老舗らしく日本酒徳利は名入れがしてある。猪口は目玉付きで、この辺りも日本酒好きにはたまらない。とある居酒屋で白鷹の温燗を飲んで以来、白鷹ファンなのだが、東京ではなかなかお目にかかれない。だから、この店では迷わず燗酒にする。貴重な白鷹提供店なのだ。

料理は名物が多いが、牛の煮込みというか牛丼の頭を注文して、これを独り占めする。同席した友人は冷奴と煮物を一品注文したが、それには全く手を出さず。こういう飲み方に納得してくれる友人はありがたい。どうも最近はなんでもシェアするのが礼儀っぽくなっているので、居酒屋でシェアしたいと思う品があれば二つ注文して、一皿ずつ食べることにしている。別にプライドがあるわけではないが、人の皿には手を出したくないと思うことが多い。
シェアするなら高知の皿鉢料理くらいのボリュームにしてくれよと言いたい。
牛肉の煮込みは本当に好みだ。これだけで何本でも酒が飲める。牛丼屋の牛皿とはどこが違うのだろうなどと思いながら、一皿完食してお腹が膨れてしまった。名物をもう一つと思いながら断念。次回に来る口実にして、退散することにした。
東京の居酒屋は長居をしてはいけないと思うので、これくらいでちょうど良い。

などとかっこつけて出てきたが、飲み足りない。すかさず靖国通りまで出て、チェーン焼き鳥屋に入ってしまった。ここではホッピーをぐびぐびと飲むのが良い。チェーン居酒屋で日本酒レベルを追求しても意味がない。結局みますや の二倍以上の時間を、ガラガラの店内でほぼホッピーしか注文しないで過ごしたのだから、酒飲みというのはどうしようもないものなのだ。

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札幌で昼と夜と

昼のオススメ


札幌では鮨屋に行って鮨は食べない、と東京で言うと笑われるが、札幌で鮨を食べにいくなら回転寿司というのが常識だと思う。回転寿司のレベルが高いから、腹いっぱい食べるのであれば回転寿司という図式になる。全国制覇をしている回転寿司チェーン御三家も札幌では影が薄い、というか二線級扱いで混み方もそこそこ。

札幌駅にある「はなまる」は回転寿司屋の立ち鮨業態で、普通にカウンターでお好みで握って貰えば良いだのが、ランチがボリュームがあり大人気。不思議と外人観光客が少ない、店内にあるメニューも日本語のみという感じ。そのランチに長い行列ができる。並ぶのは嫌だが、ランチのセットにつくあら汁が楽しみで、昼時はピークを外してランチを頼むことが多い。写真の汁はホタテの稚貝の味噌汁。これは北海道や青森などの帆立の産地でないと食べられないだろう。冬になってくると、いちばんの楽しみがカジカ汁。ただし、これも売り切れごめんであり、開店から必ず準備されていて注文して出てくるわけでもないので、全く運任せだ。単品で注文しようにも、本日終売ということが多いので、しょうがないと諦めることしばしだ。

はなまるのランチ

はなまるのランチ

夜のおすすめ


ススキノ近くの南三条通に開店から50年以上経っているらしき居酒屋、昔の炉端焼きの名残を引く、魚を炭で炙って食わせる店「たかさごや」がある。食い物はなかなかうまい。酒の燗の付け具合が良い。イカの生干を焼いてもらってちびちび熱燗を飲むのが似合う、八代亜紀的風情がある。ただし、残念なことに愛想というものがかけらもない。店主に文句を言いたいくらい、ここ数年の接客レベルは低すぎる。だから、会話は必要最低限しかしない。まあ、向こうも話しかけてこないので、そういう店なのだと思えば良いとは思うが。
ホッケの開きは全国チェーンが広めた居酒屋大衆魚だが、北海道ではホッケは高級品にもなる。羅臼産しまホッケといえば、びっくりするようなお値段を取られたりするが、これまで食べてきたホッケとはなんだったのかと思わせるくらいの上ものがある。そんな上物開きを焼いてもらうと値段が2000円近くになる。まさに時価ということもある高級ぶりだ。
この店のお勧めは、そんなお高いホッケと地元の豆腐屋から仕入れている冷奴。

札幌 たかさごやで

観光ガイドには決して乗っていない名品というのは、名店にあるとは限らないというお話でありました。