食べ物レポート

川越のラーメンを所沢で食す 頑者

所沢駅が大改造を行っていて、その第一陣で完成したのが駅ビル「エミオ」だ。駅から直結していて1階は食料品(スーパー・惣菜・菓子など)、2階はファッション・アパレル系、3階はレストランと雑貨などといった微妙なテナント構成だ。第二期に開くビルでそれ以外の業種・テナントが入り完成ということになるのだろうけれど、この駅再開発で西武百貨店は消滅して、西武ショッピングセンターになってしまった。(そのおかげでビックカメラが入居したので実はありがたいのだが)

そのエミオのレストランがこれまた面白い構成で、うどんを中心とした和食の店、豚カツ、北海道発のイタリアン、そして川越の有名ラーメン店というラインアップ。なんだか不思議というか奇妙な組み合わせだ。1階にカフェが2店あるので、それなりの使い分けがされているということもあるが。
その川越の本店は、長い行列ができる有名店で、おまけに早仕舞いするのでなんとも困難度の高い店なのだが、さすが駅ビル内では早仕舞いもしない。ありがたく名店の味を楽しめる。

頑者のつけ麺

基本的につけ麺の店だろう。普通の中華そばもある。濃厚系のスープで、食べると舌にジャリッとくるのはスープに入っている魚粉だろう。麺がつるつるの稲庭うどん的食感なのが珍しい。ちょっとクセがあるが普通に旨いという感じがする。メニューはつけ麺と中華そばの二種、それにスープの味付けが濃厚系とあっさり系というシンプルさなので気に入った組み合わせのものを選べば良い。

看板にはundergrooud ramenとなっているが、うーん、どこが地下のラーメンなのかわからないくらい明るいラーメン屋さんだった。しかし、川越のものを所沢で食べられるというのをどう評価するべきか悩むところだ。便利なことは間違いないし、ありがたいとは思うのだが。ただ、隣のイタリアンレストランは北海道発のコンセプトなので、それと比べればたいしたことないか。

所沢に来て川越名物食べるのも良いかも。

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12月の残念な食べ物たち

千歳空港で食べた梅光軒の味噌ラーメンが、思いのほか残念な結果だった。旭川ラーメンの特徴はスープよりも麺にあると思う。加藤製麺製の中細縮れ麺でモチっとした感触こそ、「旭川ラーメンって旨い」とおもわせる最大要素だと個人的に信じているのだが。

梅光軒

旭川に行ったときに「青葉」にするか「梅光軒」にするか、それともちょっと変化球で「山頭火」にするかは迷うところだ。おまけに「蜂屋」も捨てがたい。どの店も濃厚スープともちもち麺が特徴だと思うが、この千歳空港で食べた味噌ラーメン。なんだか麺の茹で方がちょっと違うような気がした。一口食べるとアレっという違和感が。もちっとしていないのだ。
千歳空港のお店は繁盛店なので、調理ミスの可能性もあるけど、次回に期待しようか。

松屋の牛皿

松屋で、飲み会の前の時間潰しに牛皿でも食べようかと思ったのだが、この一皿が出てくるまで7分かかった。うーん、10秒で出てきても良さそうな代物なのだがなあ。最近の都内のファーストフードでは、こんなびっくりなスローフード提供、けっこう目立ってきている気がする。人手不足と外国人アルバイトさん達のコミュニケーション問題ではないかと疑っている(日本語で違う国出身の人たちが会話する奇妙さと難しさ)。この牛皿もあまり熱くはなかったので放置されていた可能性高いなと思った次第。

たかがファーストフードだが、日本社会の縮図が見える?

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高田馬場と新宿と ひとり飲み

養老乃瀧というと、老舗居酒屋チェーンのハシリで、昔は随分お世話になったような記憶もあるが、その後の居酒屋チェーン大量出現ですっかり行く機会が減っていた。最近はメニューの入れ替えも頻繁に行い「おっさんメニュー」以外も増えている。養老牛丼が復活したというので行ってみたら、なんだか面白い店になっていた。

養老乃瀧で牛肉皿

新宿歌舞伎町の入り口側というか靖国通りに面したビルの地下にある24時間営業の店に行った。昼飯時にだったが、それなりに酒を飲んでいる客がいたので、便乗気味に酒を頼んでしまった。店内は暗いため(夜モードなので)、何だか普通に飲んでしまう。これは、ハマると怖い背徳の道一直線だ。メニューもランチメニューではなくグランドメニューで、なんでも普通に出てくる。焼き魚もあれば中華料理もある。すき焼き豆腐は普通に旨い。冷や奴もうまい。お目当ての牛丼にたどり着くまでに完全にお居酒屋モードになってしまった。外に出たら青空だった。しっかりと反省した。ただ、背徳の昼酒はオススメだよ。一緒に落ちて行こうと「悪魔の囁き」。

高田馬場 清瀧

高田馬場にある清瀧は酒屋さん直営で、池袋などにも何店か支店がある、いわゆるせんべろ系の大衆居酒屋だ。なぜか午後4時の開店直後にお一人様カウンターがほぼ満席になる。ここもメニューラインナップは広く、刺身天ぷらから中華、焼き鳥、ステーキまでなんでもありだ。たまにお通しにマカロニサラダが出ることがあり、これが結構好みなのだ。マカロニサラダにちょっと醤油をかけると日本酒(冷)によく合うと思う。一人呑みの場合は、じっくり腰を据えてというより、飲み会の待ち合わせ前の30分的な飲み方が良い。気分は孤独のグルメの井の頭さん的高揚感だ。

最近すっかりハマった一人呑みだが、文庫本を片手にぐびっと飲む酒は、なかなか乙なものなのだね。

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虎ノ門 くろおび で利尻昆布ラーメン

SNSの論客?の一人が、商売はラーメン店経営と書いてあって、ふつふつと興味が湧いて探してみたら、虎ノ門にお店があるらしいので訪ねてみた。

利尻昆布ラーメンという暖簾がそそられる。インスタントラーメン評論家の某氏によれば、利尻昆布ラーメン(漁協が作っているインスタント麺)がとてつもなく旨いというので、北海道に行ったときに調達して食したことがある。確かにワンレベル飛び抜けた感がある名品だった。その利尻昆布ラーメンを思い出して期待が高まったのだが。

写真には写っていないが、右側にはかなりの行列ができている。外国人客もいたので、ネットで知名度が高いのかとも思う。待つこと暫しで店内に入るとカウンター合わせて20席くらいだから、確かに行列ができても仕方がないか。昼のピークを避けていくのが正解だろう。

黒帯の醤油ラーメン

そして実食すると、行列する価値はあるとはっきりわかる。スープの味が素直で、旨味がしっかりとしている。昆布の強みが表に出てくるということではなく、全体調和が良いのだ。個人的にはシナチクといいたいメンマが実に好みだった。次回頼むときにはメンマ追加しよう。スープと麺の調和が取れて、スープの旨味とさっぱり感のバランスが良くて、これは名品だ。家の近くにあれば毎週行きたい。とりあえずあと2−3回行って、全種類試した上で自分の一番好みを決めたいと思わせる So Goodなラーメン店。

ひさびさの「みんなにオススメ」な店だった。

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しゃぶしゃぶを食べに青山へ

知人に誘われ久しぶりに青山に出掛けた。「おいしんぼう」に出てきた美食倶楽部のような会合に参加することになった。

左は甘めコク強い。右は辛めでさっぱり系。

会場はおしゃれなカフェ風の内装だったが、昼は社員食堂、夜はレンタルキッチンのようになっているらしい。20人程度が集まり、おいしい豚しゃぶを食べると言う会だ。まずは主催者の口上から始まり、食する豚肉のあれこれや、しゃぶしゃぶの味付けについて蘊蓄を聞く。これがなかなか楽しい。「ほう、ほう、そうなのか」と言う感じだ。食べる前に知的興奮を掻き立てる、お上手な運営。
豚しゃぶによく合うお日本酒を用意したと言うことで、見たこともない日本酒が二種並べられている。これを手酌で楽しみながら、しゃぶしゃぶに突入する。

ロース

まずはロースからいただくのだが、鍋に入れても全くアクが出ない。肉が上等なせいかと思ってはいるが、主催者の説明によれば切り方なのだという。アクが出ない切り方があるのであれば、全国の肉屋に教えてあげて欲しいものだ。しゃぶしゃぶした肉は、甘味が強く肉の味が濃厚で臭みも全くしない。普段食べている豚肉とは別物だと思う。

バラ肉

続いてバラ肉。これも脂身の甘味が際立つが、薄く切った長ネギをしゃぶしゃぶしてバラ肉で巻いて食べると、うまさが倍増する。見た目は脂身が多いのだが、しゃぶしゃぶすれば赤身の部分と絶妙なバランスになるのが不思議だ。

世の中には、まだまだ食べたことのない美味いものがあるのだなあと、改めて気がつかされた。
しかしながら、もっとすごいと思ったのが、この会に参加している人たちの会話で、どこそこで〇〇を食べたという情報というか、ウンチクがすごい。SNSに載っている情報なんて目じゃない。実は豚しゃぶよりも、その口コミ情報の方に圧倒された。

金持ちの実態を見た思いだった。

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武蔵野うどん 藤店(ふじだな)

武蔵野うどんという代物が全国的に有名になる日は来ないだろうなとは思うが、個人的には極めて好みの食べ物だ。大阪ローカルかすうどんは、串カツ田中のおかげで準全国区になったと思うが、武蔵野うどんと吉田うどんは、ひっそりとローカル的に熱愛される商品として生きていくのだな。

その武蔵野うどんだが、特徴め噛み締めて噛み締めて食べる腰の強いうどんと、とても濃い味付けの甘辛い付けつゆにある。梅雨の具材は豚肉、鶏肉、きのこ、カレー味など数種類あるが、どれも具沢山で食べ応えがある。親切な店ではWスープセットなどもある。
男女問わずうどんの大食い者は多く、通常うどんの大盛が普通盛りで、うどんを2−3玉食べ切る人が多い。うどんのおかわりとか、つけつゆのおかわりとか、よく腹が破裂しないものだと感心する。

そんな武蔵野うどんにも名店がいくつかあり、この「ふじだな」が、知る限り一番混み合っている店だ。駐車場が満車になっていて、店内では順番待ちの行列ができている。国道17号のバイパスからちょっと入ったところだが、週末は渋滞が起きるほどの人気店。店内はカウンター、テーブル、小上がり全てで、親子揃ってうどんをもぐもぐやっている。(すすっと吸い込めるうどんではない)
これと匹敵するのが「田舎っぺうどん」(北本、熊谷)だが、所沢や東村山にもひっそりと小ぶりな人気店がある。武蔵国といえば、東京都と埼玉県を合わせたような地域になるが、東京都下では存在をあまり聞かない。23区内ではほとんど聞いたこともない食べ物だろう。(新宿や渋谷でうどんと言えば讃岐うどんになっている)

自分のことを言うと埼玉に移民してきたなんちゃって埼玉人なので、土着埼玉人の埼玉ラブはあまりピンと来ないのだが、例の埼玉ディスり映画には笑ってしまえるくらい埼玉には詳しくなっている。やはり埼玉の誇りは「武蔵野うどん」だろう。

埼玉ラブの証として、休日には武蔵国のうどん屋巡りなんてのもよいね。

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新宿の老舗で飲む イーグル

新宿アルタの裏通りのビルの地下深くにあるバーが、長年のお付き合いいただいて感謝状を差し上げたいくらいだが。入り口の看板にはサンロチーラウンジと書いてある(はずだ)。もはや死語に近いラウンジという言葉が語り尽くしている。ただし、本格的なカクテルも飲めるが食べ物が高品質なので、洋風居酒屋的に使うことが多い。一人でぶらっと入るのも良いし、小グループで飲むのも良い。ただし、6時を過ぎるとほぼ満席で席を確保するのはかなり幸運が必要だ。

季節の料理として殻付き牡蠣の大盛りみたいなメニューもあるが、洋風料理がお勧めだ。なぜか中華風料理もいてあり、これもなかなかの実力だと思う。一押しはと言われると、「ミックスピザ」と言いたい。直径15cmくらいで小ぶりだが、見ての通りチーズでヒ表面が覆い尽くされている。中身はサラミと玉ねぎとピーマンというオーソドックスなものなのだが、酒のつまみとして食べるには抜群に合う。多めのチーズの脂っ気と、塩味強めのピザソースが酒の肴としてのベストマッチになっている。これに表面が赤くなるくらいタバスコをかけると、超絶技巧と言いたいくらいの旨さになる。ピッツァではなく、ピザとはこういうものだ。散々ピザ屋としてピザを食べてきたが、誰かに一番うまいピザは?と聞かれると、迷いなく「新宿のイーグル」と答える。くどいようだが、ピッツァではない。ピザだ。

もう一品がタコス。これもメキシカンレストランで食事として食べるタコスとは相当違う。酒の肴としてのタコスで、チーズも少なめだし。本格的なタコスはタコビーンの油との戦いになるが、このタコスにはそんなめんどおう臭いことは起きない。サク、サラッと食べられる。タコミートの辛味がそもそも適量というか、マイルドだからだろう。

ピザを食べる時はハイボールで、タコスを食べる時はテキーラベースでマルガリータを、何ていう具合に一杯ずつ飲む酒を変えていけるのもこの店の良いところ。夏の暑い日に、生ビールをぎゅっと行くのも良いけれど、シンガポールスリングではじめて、アレクサンダーで終わるみたいなカクテル責めの飲み方もできる。良店なのですよ。

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家庭料理 まさき おまけ

札幌に行くとついつい足が向く店が何軒かあり、その中ではちょっと贅沢な店に当たる「まさき」。店名通り北海道の家庭料理の店だが、重要なのは北海道というところ。いわゆるおばんざいの店とはちょっと違う。鱈子の煮たものとか、カスベの煮凝りとかちょっと北海道外の方には想像しにくい代物がたくさんあるのが良いところ。

さて、これも季節限定だと思うが「かじかのこっこ」。かじかという魚の魚卵を醤油漬けにしたもの。おそらくスーパーに行っても売っていないと思う絶滅危惧種的珍味だ。こっことは子供のことを意味する北海道(多分一部東北起源)の言葉だ。だからタラコはタラのこっこだし、いくらは鮭のこっこだ。人間の子供のこともこっこという。「うちは〇〇ちゃんのコッコが欲しい」とは、某最終兵器・・・というコミックで、ヒロインのセリフだった。
魚卵料理は数々あるが、このカジカのコッコは新鮮なカジカが手に入る時期にしか食べられない。粒は大きめだが、いくらより二回りくらい小さいイメージ。皮が硬く、食感はキャビアに似ている。味は薄味のイクラという感じがする。あまりしょっぱくないので、そのままスプーンですくってぽりぽりと噛み締める。プチっと弾ける。濃厚な卵液が口の中に広がり、そこに冷酒を流し込む。絶妙だ。

二品目はシャコ。小樽あたりで取れるシャコは大振りで、自分で買ってきて茹で上げて食べることもあるが、相当でかいシャコを買ってきても殻を外すと驚くほど小さくなってしまうのがいつも残念。おそらく体長20cm以上のシャコを捌いても、この写真のサイズには届かないのではないか。シャコは子持ちのメス(こっこ入りね)がうまいと思うが、肉自体を味わいたいならオスがよろしい。お財布に余裕があればオスメス一尾ずつ頼むのがおすすめ。北海道は春と秋にシャコの旬があるので、5月初旬と10月下旬くらいに行くと食べられるはず。最近は漁期にブレがあるらしく運任せになりがちだが。お江戸のシャコとは一味違う、これも北海道的珍味だ。

まさきの料理はどれもうまいが、季節により色々と出し物が変わるので、それを食べに行くのも良いね。興味がある方はFacebookで探してみれば。

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懐かしのスパゲッティ チロリン村

「チロリン村とくるみの木」と言っても、なんのことだかわからない人がほとんどだと思うが、これは遥か昔にNHKが放送していた番組名だ。高齢者の郷愁の中にしか存在しない。その「チロリン村」を店名にしたスパゲッティチェーン(パスタではない、スパゲッティ。ここ重要だ)が札幌にある。確か(おぼろげな記憶モードであるが)札幌地下鉄東西線円山駅にあった小さな店が始まりだったような。サイトを調べて見たら現在9店あるらしい。しかし地下鉄駅の店はなかった。

店名に冠された、ゆであげスパゲッティの意味は、実に懐かしい話だ。当時(昭和40-50年代)のスパゲッティは、大量に茹でおきした麺を炒めて仕上げる「ナポリタン」的なものが大半であり、いわば焼きそばの洋風版的な提供がほとんどだった。だから、麺にアルデンテなど求める方が間違いだった古き良き時代。ところが、注文が入る度に麺を茹で、時間がかかるが麺の質感の良いスパゲッティを出す店が出現した。同時に、イタリアンというか洋風以外の味付け、醤油や明太子といった和風味の提供も始まった。おそらく渋谷の「壁の穴」あたりが発祥で、全校区に広がったものだと思われる。それの札幌版が「チロリン村」ということだったのだろう。だから、この店は喫茶店のスパゲッティとは違うんだよという意味で、ゆであげスパゲッティと言い始めたのだと思う。

当時の高校生や大学生がこぞって押し寄せていた、いわばトレンド感度が高い店で、そこで注文するのは「箸」を使って食べる「納豆スパゲッティ」だった。(くどいようだが、パスタではないし、スプーンを使いフォークでくるくる麺を巻きとるこじゃれた?食べ方でもなかった)
言い訳ではないが、手垢のついた古びたメニューであるナポリタンを注文することはほとんどなかった。ナポリタンならどこの喫茶店でも食べられたからだ。

長い前置きはここまでで、実に何十年ぶり(大げさだが)かで、チロリン村のナポリタンを食べることにした。今やすっかりオヤジ化しているので、まずビールなどを頼んでみる。当然、サッポロクラシックとなる。

ビールで時間を潰すこと暫し、ナポリタン登場。海苔がかかっているのがユニークだ。ベーコンと玉ねぎというシンプルな具材で、おそらくトマトケチャップで味付けされたもの。小洒落たニンニクベースのトマトソースなどではないトマトケチャップ。ただ、油分が少ないので麺にケチャップが吸収されてしまい、なんだかもたついた食感がする。団子化しているのだ。うーん、期待とちょっと違うぞ。トマトチャップをソースがわりに使うときは、これでもかと油を入れて乳化の手助けをしておかないとこうなってしまうのだよね。ケチャップと油をケチると、家庭版ナポリタンになってしまい麺と麺がくっついてしまうのだ。まあ、それでもワシワシと食い切るのが、オヤジの食い方だが、麺を食うというより噛みしめるような食べ方になるのは仕方がない。スルスルではなくモグモグだ。そして、フォークなぞ使わず箸で食うのだ。最後に残ったビールで一気に口の中の麺を流し込む。

確かにこうした野蛮な食い方は学生の頃はできなかったなと、食べ終わってから周りの席を見渡したらやたら女性客が多。みなさんクリームソースやオイル系のイタリアンなパスタを召し上がっていた。どうやら誰も納豆スパゲッティなど注文していないようだ。あーあ、そろそろ店名変えた方が良いのではないか? 北海道産小麦を使った創作パスタの店とかにね。

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えん ふたたび

最近の新宿のお気に入りが、「えん」という居酒屋で席と席のスペースが広く、居酒屋特有の話し声が反響してワーンといった煩さをあまり感じないのが良い。そして料理も手の込んだ一品というより、きちんとした手順を踏んで料理した感じがするのが好ましいところだ。大振りの皿で出てくる料理は一人前と言うには少し大きかったり、多かったりするのだが、それを二人で分け合うとちょっと物足りないと言う絶妙なバランスだと思う。だから、この店では基本的に料理は独り占めすることにしていて、注文の時に同席している知人や友人に、〇〇頼むけど、食べたいかと聞く。食べたいと言われれば二皿注文する。シェアはしない。それで量が多いと言うのであれば、それまでだ。

鉄板ではなく溶岩で焼くと肉はうまいそうだ。溶岩は熱をよく内部に溜め込むので、じっくり焼けると言うような理屈だったと思う。確かにうまいような気がするので、ずいぶん昔に富士五湖近くの道の駅で溶岩プレートを買ってきた。溶岩プレートは割れやすいと聞いたので予備を含めて3枚買ったのだが、今だに三枚とも現役だ。たしかに溶岩プレートで一人焼肉をすると、鉄板で焼くより時間がかかるがうまいような気がする。そんなことを思い出しながら、溶岩プレートで焼いた鶏肉を岩塩で食べる。大葉が良いアクセントだが、これが洋風の香草でもうまいだろうな。

また、いつも注文するのが魚のカブトだが、煮魚では頭のところが一番うまいのではないかと常々思っている。ただ、実は兜煮で一番うまいのは、魚の出汁がでた甘辛つゆで仕上がったゴボウだろう。家でこれをやれば翌朝には、つゆの残りが固まって煮凝り風になり、それを熱々ご飯にかけたものが楽しみなのだが、居酒屋ではそうもいかない。ガーリックトーストがあれば頼んでみるのだが・・・といつも感じる。魚の煮物で、魚は主役ではないなと思う今日この頃。
そもそも旨い煮魚を出す店は絶滅危惧種認定しても良いくらいだから、この店は貴重だ。ちなみに池袋やなどの大型ターミナル駅周辺にも支店はたくさんあるようだが、好みは新宿店。上の階が外国人観光客に人気の食べ放題店なので、エレベーターはちょっと混み合う。予約してから、待ち合わせの時間より少しは早めに行くのがお勧め。