食べ物レポート

お祝い事で考えたこと

ここしばらく自粛していたわけではないが、あまり外に出歩かなくなった。どうも会食のお誘いをするのは不調法という、社会的なムードがあり、宴会どころか少人数の食事会もなかなか難しい。そういう状況の中で久しぶりにパーティーがあり、おいしいご飯を堪能した。

イタリアン仕上げのシーフードサラダ

前菜で出てきたサラダが、バジルソースが上等なサラダ仕立てのお魚。こういうのが料理なんだよなあ、と素直に喜んでしまった。家庭料理では難しい「レベル感の高さ」こそ、お金を払う価値のある芸術だと思う。

アントレの1番目?なのか 刺身の盛り合わせ

どうやらコースとしてはフレンチと懐石の融合らしく、お椀が出たりご飯で締めたりなのが楽しい。シーフードサラダの後は刺身が出てくるというのは斬新だった。被っていると言えばそうなのかもしれないが、個人的には大歓迎だし、できるものであれば、マグロの刺身の後に、セカンド刺身でカツオを出してくれないかといつも思っているので。この連発は嬉しい。特に器というか皿の美しさが際立つ。和食的には器で楽しませてくれるのも重要だ。洋食の「全部白い皿」的な統制美もありだが、形状と色合いの違いが楽しめる和食器の魅力は捨てがたい・

大きいエビ テルミドールは洋食らしい

そしてこれが本当は最初のアントレらしい「伊勢海老のテルミドール」。さっぱり系のイタリアンと和食の後にガツンとくるクリームソースの味は濃厚の極み。エビの身に切れ目が入っているのは、箸でつまんで食べられるような工夫らしい。ナイフとフォークでエビとかカニとか食べるのは大変だからね。阻止て添えられていたトマトのサイドが絶品。エビとクリームの濃厚さを、トマトの酸味で口直し。ブルスケッタにして食べたい。

日頃はビジネスなどのパーティー食は面倒くさいと敬遠していたが、このコロナのおかげ? ですっかり認識は変わった。パーティーディナーはとてもおいしい。ごちそうは「生きていく喜び」だと思う。

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ギョウザの満洲で、鳥を食べた

埼玉県の隠れ中華チェーン、餃子の満州で実はいちばんの好みなのが鳥の唐揚げだ。この鳥の唐揚げはもも肉と胸肉が混じっている、珍しい唐揚げなのだが、そこにキャベツの細切りにかけるタレ(ドレッシング)がついてくる。これがうまい。これだけ売って欲しいくらいだ。鶏肉は生姜味がかなり強めで、衣はさっぱりとした竜田揚げに近いもの。これを、レモンサワーで流し込む。ご飯と一緒に食べるのはもったいない。餃子は確かに看板メニューでよろしいのだが、この唐揚げを頼むと餃子と合わせて肉肉になってしまうのでちょいと注文するのが厳しい。

今月の限定品らしいよだれどり。肉肉しいので餃子は頼めないなどと言いながら、鶏肉料理はつい頼んでしまう。悲しい職業病みたいなものだ。居酒屋に行くと無条件に唐揚げとピザを頼んでいたものだが、そろそろこの悪習からは卒業したい。

などと文句を垂れていたが、このよだれ鳥はとても好みだった。最近のなんちゃってチャイニーズの典型な「よだれ鳥もどき」ではなく、良い意味で満洲が作ったよだれ鳥になっていた。本格派だともっと「しびれ」の強いソースに仕立てるのだろうが、埼玉の庶民の皆さんにはこの程度のアレンジ(弱化調整)があった方がよろしいと思う。こちらはビールか、紹興酒に合わせてみたくなる。どうも満洲の一品料理はご飯のおかずと言うよりも飲み屋の肴的な気がするのだが。

個人的には、ギョウザの王将よりも戦闘力が高いチェーンだと思うのに、なぜ埼玉(と東京の埼玉隣接地域)のローカルチェーンで止まっているのかが不思議だ。

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びっくりドンキーにびっくりした件

コロナ禍の最中に開いたびっくりドンキーの新業態の話を聞いてのこのことでかけてみたら、いやー実に素晴らしい合理的な店だった。コロナ対応ではないということだが、結果的にコロナ対策の最新鋭になっているような気がする。

高層ビルの地下レストラン街だからランチ需要も多いだろうと思って、昼のピークを少しずらしていった。お店の中は客がまばらだったが、それはまあ置いておいて。

店内の通路は広く、ひとりがけのカウンターが中心の作りで、これはオフィス街需要では回転数を上げる仕組みだ。オーダーは全て卓上のタブレット端末から。注文とりにくる従業員はいない。会計も奥の右側にある自動精算機でセルフ会計になる。

料理はお馴染みのびっくりドンキー、ハンバーグディッシュのみ。ハンバーグの枚数とソーストッピングでカスタマイズする。ご飯の量も少なめ、普通、大盛りが選択可能。サラダも再度アイテムに変更できる。タブレットさえ使えれば、時間をかけて決めても問題はない。横に注文を取る従業員がいるわけではないので、プレッシャーなしだ。

店内は簡素な内装だが、それはあまり気にならない。何よりタブレットでの注文はわかりやすい。

複数人できた場合も個々人で注文できるようになっているので、会計時の割り勘問題もクリアされているようだし。オフィス需要に特化した解決策なのだろうけれど、これは十分郊外型ファミリーレストランでも通用すると思った。この先のテイクアウト対応であったり、複数のアントレ対応であったり、いくつかの検証は必要だとは思うが、機械化と省人化という点で予想以上の出来栄え。本当にびっくりドンキーさんにびっくりさせてもらいました。

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サイゼリヤ で見たかったこと

サイゼリヤは、まだ店内飲食に未練があるのだなと思った。例のマスクをしたまま食べるという「新提案」をYouTubeを使ってまで情報発信しているからだ。そこで、実際にあの「ものを食べながらできるマスク」をしている人がどれくらいいるか確かめに行ってみた。

結果は、0名だった。平日のランチタイムで1時間ほどいたが、とうとう発見できなかった。

代わりに見つけたのだ、隣り合った席を遮蔽する背もたれの後ろのプラボード。これでは頭の高さギリギリくらいなので、ちょっと効果に微妙さが残る気がするが。

それはそれで置いておいて、相変わらずの500円ランチの戦闘力は高いなと感心した。これをもっと上手にテイクアウト対応すれば、コンビニ弁当なんか目じゃないと思うのだが。そちらにはあまり力が入っていないのだろうか。

このキャベツのアンチョビー炒めも、家庭ではできそうでできない。そもそもアンチョビーは缶を開けたら使い切るのがたいへん苦労する。一回で使い切るのが難しい。もう少しテイクアウト専用メニューでも開発して、新規需要を開拓する方が、食べながらマスクをしてねというより商売になりそうな気がするのだが。

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最近のうまいもの発見

長野県諏訪にある「ハルピンラーメン」は個人的に隠れ名店(地元では有名なのだろうけれど)認定をしている。その春ピンラーメンの味噌ラーメン版が「雷蔵」という店になる。ここの味噌ラーメンは信州味噌、というか諏訪地方の味噌にこだわった名品だ。ただ、これまでなんとなく敬遠していた辛味噌ラーメンを食べる気になったのは気温が少し下がったからだろう。

辛いと痺れの合わせ技

あー、これはうまいと(個人的に)激賞したい。辛味と痺れが合わさるとこれほどうまいかと思うが、それが味噌味なので微妙にバラン氏が取れる。あちちと言いながら麺ともやしを交互に口に放り込む。ハルピンラーメン特有の辛い味噌もスープに溶き合わせるをまたうまい。昼時で周りは男だらけだったが、確かにこれは男のガツン系だなあなどと思いつつスープまで完食した。

池袋駅地下でたこ焼きとナポリタンとうどん・そばの店が集まったミニフードコート

池袋駅の地下レストランに讃岐うどんの店があるのは知っていたが、食べもしないで勝手に決め付けていたのが「駅の立ち食いうどん」でしょう・・・という思い込み。これが全く間違っていた。とりあえず飲みにいく前に小腹を収めようと冷やしぶっかけを頼んだのだが、麺の腰が「本物」だった。麺は香川県から運んでいるらしい。いや、お見それしました。このレベルであれば週一で通っても大丈夫だ。次回は熱いかけうどんにしてみよう。

なんだ世の中にはまだまだみたことのない世界があるのだと、そして自分で勝手に「制限」付けていることが多いなあと思った、9月のうまいものでありました。

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カツカレーテイクアウトします

郊外型レストラン・ファストフードが好調だとのことで、その原因がテイクアウト需要増にあるのは間違いない。ファミリーレストランもテイクアウト に力を入れているが、意外とテイクアウト 商品がしょぼいので、あれこれ注文して比べている。業績好調のかつやでカツカレーを頼んでみた。カツカレーを注文して受け取った時になんだかたくさん入れ物があって・・・。

カツカレーのカツ

カツとライスとカレーが三つに分かれていた。ご丁寧にカツにはキャベツがついているので、合体すると金沢カレーのようになる。

ご飯が入っている容器はずいぶんと深さがあり、上に隙間があるが、これはカツ丼と併用する容器なのだろうと推測。福神漬けはご飯の横というのがなんだか微妙な心遣いだなあ。

そしてカレールーが別容器で、これはご飯の容器と合体する。上部に熱気抜きの穴が空いているが、これもカツ丼対応のためか。どちらにしてもカツとルーがぐちゃぐちゃにならないように三分割しているのはよく考えられている。おいしいカツカレーを食べられるのは実にありがたい。

ほか弁のカレーとはちょっと違う発想だろう。しかし、一見してわかるが、どの容器にも製造日時の記載はない。すぐ食べるには問題ないが、この表示なしはたまたま従業員がつけ忘れたのか、それとも全店で同じ対応なのかは気になるところだ。

ちなみに、天丼屋でテイクアウトの唐揚げを買ったら、きっちり製造日時シールが貼ってあった。 この店の天丼はなかなか好みだが、唐揚げも良い仕上げだった。良い商品に良いオペレーションの二つが揃って良いお店になる。

コロナ騒動の最中には、安全安心が良いオペレーションの基本だよと思うのだが。

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天丼 恐るべし

埼玉県大宮の外れに開いた天ぷら屋を見に行ってきた。「かつや」が開けた天ぷらやで、これが2軒目らしい。天ぷらやと言わず天丼と言い切っているのが勇ましい。外食関係者が必ずハマってしまう天ぷらやの罠は、福岡にある揚げたて天ぷらの店を真似したくなるというものだが、ここはその誘惑をきっちり振り切っている。拍手ものだ。

天丼がメインで、お値段は三段階。つまり松竹梅なのだが、そう書かないところがなかなか上手だ。松=江戸前、竹=上天丼、梅=(普通の天丼)ということになる。通常は松竹梅があれば真ん中の「竹」に寄るものだが、周りの客の注文を聞いていると、どうもこの店では天丼か江戸前に二分化している。上天丼の注文が聞こえてこない。実にうまい売り方だと感心した。

さて、実際に天丼が届いてみれば、これはビジュアル的にびっくりする。たしかに仰天する代物だった。見た目でうまさを押し付けてくる。特に海苔の天ぷらの見せ方がうまい。この写真から海苔の部分をなくすと、一気にボリューム感が下がる。ビジュアルは大事だね。

天ぷらの味は「普通にうまい」。つゆが少し甘めな気がするが、そこは好みの差のうちだ。食べ進めて初めてわかるのだが、実はこの丼は上げ底で、丼の深さの半分くらいのところに底がある。だから、ご飯の量が見た目より少ない。どんぶりに手を入れてまでボリューム感を出そうとしているのだが、これがあざといと思うか、優れた手法だと思うか、外食関係者であれば学ぶ点は多い。

普通の天丼

色々と感心させられる店だったが、コロナ禍の最中での新規開店だけに、何か新型のコロナ対策をしているかと期待していた。ただ、そのあたりは特別なことはなく、パーテションなども見当たらない。この先、対応していくのだろうとは思うが。

あとはこの天丼の1000円の価値と、先行天ぷらファストフード2社のワンコイン天丼のどちらが戦闘力が高いか。しばらく横で観戦させてもらうことにしよう。

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フレンチ・シノアは狙ってできるものではない

仕事で米国西海岸に行く機会が多かった。当時の流行り物がヌーベルシノアとかフレンチシノアと言われるアレンジチャイニーズ料理だった。大皿で提供されシェアする形態ではなく、一人ずつのプレートで、メインアントレもそれぞれが好きなものを選ぶ形式だった。ビジネスディナーでこのタイプの店が多かったのは、赤肉(ステーキ)が社会的には批判的だったせいもあるのだろう。白肉(チキン)とフィッシュがもてはやされていた頃だった。その当時、ほぼ毎度頼んでいたのがオレンジソースをかけた料理で、実にお気に入りだったのだが、そのお気に入りをすっかり忘れていた。こういう時、とりあえずコンビニでも行って、なんちゃってフレンチでも良いから買えるものならとは思うが、さすがにコンビニでフレンチは無理だ。ということで無理やり自作という選択になって・・・。

冷蔵庫を物色するとメインになりそうな食材は豚肉しかない。トマトが3個残っていたが、実はこれが完熟トマトだったのでアミノ酸多めの一品。これを合わせて、中華料理にあるトマトと豚肉の炒め物風に仕上げてみることにした。ただ、中華味にはしたくないので味覇は使わないことにする。その代わりを勤めるのが蕎麦つゆだ。

玉ねぎを軽く生姜とオリーブオイルで炒める。そこに一本の赤唐辛子(生)と塩胡椒した豚肉を合わせて、豚肉に火が通ったらぶつ切りトマトを放り込み軽く角が潰れる程度まで炒める。そこにたっぷりのオレンジママレード(瓶の半分くらい)を蕎麦つゆで混ぜ合わせたオレンジソースもどきをふりかけ、ひと煽りして完成。ニンニクの芽とかアスパラを入れれば色気も良いが、それではチャイニーズ。アメリカ式にブロッコリーを入れるという手もあるが。

オレンジソースとはいかないが、ママレード味の炒め物は昔の記憶にある好みの味に近い。おそらくバンバンジーのごま味噌ダレの代わりに、このオレンジソースもどきをかけると、あの有名な料理に似てくるはずだ。

フルーツソース、例えばこの時期だとブドウとかりんごとか、もう少ししたら柿なんかも試してみようかと思う、自家製フレンシ・シノアは、なんだか楽しみだぞ。

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自家製ハーブ・アンド・スパイス

2年ほど前に仕込んでいた、そばの「かえし」を使い切ったので、コロナの暇に任せて大量に「かえし」を半日かけて仕込んだ。2ヶ月ほど放置して味が落ち着いたので、それを使ってあれこれ「スパイス」を作ってみた。

小鉢に入っているのが青唐辛子の三升漬け。左の小皿の青山椒。右の小皿が新生姜になる。三升漬けは、青唐辛子と醤油と米麹を同量合わせて3週間ほど室温放置するとできるという怠け者向きの一品だ。

青山椒は、京都の佃煮やで70g千円で売っているものが好きなので、なんとか自分で大量生産できないかと挑戦したものだが、今年は山椒の実の時期にコロナで外出自粛になっていたので、通販で和歌山から取り寄せた。山椒の身は八百屋では売っていないので仕方がないのだが、道の駅などではけっこう目にすることがある。軽く塩茹でし、「かえし」に漬け込むだけなのだが、これがお茶漬けの具にすると絶大なうまさを発揮する。卵焼きに混ぜて入れるとこれもうまい。今年は、1L瓶に3本ほど作ったので、来年の山椒の季節まで持ちそうだ。新生姜も高知で土産に買った醤油漬けになっていた生姜がうまかったので、それを再現。生姜の醤油漬けは高知の土産物でも何種類かあるので、味のアレンジは適当で良いと思い、これも「かえし」+日本酒+みりんで仕込んだ。おそらく酢を足すとまた違う風味になり保存性も上がるのだとは思うが、あえて酢はなし。

どちらも冷蔵保存にしないとカビが生える。

三升漬けはガラス瓶で3本漬け込んだが、発酵が微妙に異なる。おそらく青唐辛子由来の何かが原因だとは思うが、味見をして麹の発効臭が消えた時点で、三瓶を一度ボウルに開け混ぜ合わせた。さらに放置2週間で完成ということにして、半分を小瓶に小分けし冷蔵庫へ。残りはジップロックに小分けして冷凍パックに。麹は冷凍耐性はないからこれで発酵は停止して味も固定化完了だ。

三升漬けは北海道のスーパーで小瓶が五百円程度で売っている。今回の自作分は小瓶で言うと10本ぐらい出来上がって、原価は千円ぐらいだから、なかなかコスパが良い。ちなみに青山椒も新生姜もだいたい販売価格の半額くらいでできたので、自作は経済性は良いのだ。味は・・・毎年同じものができるかはわからないが、まあまあのレベルではないかな。現在製造中はシソの実の醤油漬けで、これはちょっと楽しみ。

次は自家製赤唐辛子のホットチリソースだ。

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ラーメン今昔 @札幌

個人的に、今の札幌でのベストを挙げろと言われれば、飛燕 としたい。鶏白湯と魚介のWスープは、いちばんの好みだ。ちょっと硬めの麺も好みなので、行ける真野なら週一で通いたいくらいだ。この店は色々と新作を繰り出しているらしいので、それくらいのペースでなければ全品制覇が難しい。ラーメンという料理が進化するものだと、実感できる。

ゴージャスなルックス 飛燕 醤油ラーメン

もう一つの名店をあげれば、やはり三平になる。味噌ラーメンのシンプルさが素晴らしい。店内は、不思議と一人客が多いせいもあって、静かだ。注文の声しか聞こえない。ラーメンが出てくると、どの客も黙々とラーメンに立ち向かう。老舗の客と店とは、こんな静かな関係が良い。

トッピングも少なめなシンプルな見た目の三平 味噌らーめん

おそらく昭和の中頃から変わらない味を続けている三平と、昭和にはこの世に生まれていなかっただろう飛燕の店主、どちらも札幌を代表する名店だと思う。どちらもながくかよいつづけたいものだなあ。