食べ物レポート

空港で食べるラーメンはコレに決めた

最近の千歳空港で食べるラーメンは、ほぼ1箇所に固定された感がある。これまでは、その日の気分で味噌とか醤油とか決めていた。行列の少ない、待ち時間の少ない店で決めていたこともある。だが、ここ何回かは一店固定なのだ。

鶏白湯と魚介系の合わせスープ。中太ツルツルの縮れ麺。太めのメンマ。どれもこれも、あー、うまいと言いたい。昭和のラーメンと平成のラーメンの最大の違いは、この麺とスープのバランス感だろう。スープが強くなったのに合わせて、麺も強くなった。このバランス合わせが店主の腕前ということになる。ただし、これは原価を押し上げる手法なので、当然価格は上がる。価格を上げると、それを誤魔化すため? に、トッピングの改良が必要になる。まあ、良い意味のスパイラルで平成時代にラーメンは旨くなり値段が上がった。おそらく今年中には、素のラーメンが一杯千円の時代になるのだろう。

実は、この店の本店はもっとたくさんのバリエーションがある。空港の店だけにシンプルにメニューを絞り込んでいる。この店でラーメンを食べ終わると、その品質に満足するのだが、困ったことに余計に本店であれこれ新作を試したくなる。ただ、本店の場所が結構不便な場所で、「札幌のうまいラーメン屋は僻地にある」法則がぴたりと当てはまる。今度は日程に余裕があるときに本店に行きたいものだ。

千歳空港内には「北海道ラーメン道場」で検索すれば営業中の10店がわかる。どれも個性的な店だ。そこ以外でも、フードコートやレストランで色々と面白いラーメン?が食べられるので、千歳空港ラーメン全制覇はなかなか難しい。そもそもそんなに北海道に来るやつって、誰?というかんじだなあ。

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鮨屋でうまいものを食おうという細やかな試み

iPhonのカメラはすごい進化していて、前ピン後ろボケも簡単。

札幌時計台の隣にあるビルの一階にお気に入りの鮨屋がある。そこには遅めのランチの時間に立ち寄ることが多い。札幌でのランチは自分の腹の減り方と食べ物の選択で、すしになったりラーメンになったり日本蕎麦になったりカレーになったりする。週に3食ラーメンになることもあれば、毎日蕎麦屋になったりもするので、札幌でのランチは偏食気味、お好み次第のわがままな食べ方になる。
この鮨屋でもランチのセットを外して、ちょっと酒を飲むときがある。サーモンのユッケとホヤの酢の物が個人的定番なのだが、これが何度食べても飽きない。特にホヤに関しては、札幌でイキの良い、生臭くないホヤを食べさせる店はほとんどないので、この店は実に貴重だ。個人的には仙台で食べていたホヤよりあっさりめな気がする。ホヤの種類が違うのかもしれない。

北海道の回転寿司屋のレベルは非常に高いと思うが、その表れがシメサバで、だいたい人気店はシメサバ自家製をうたっている。そして、明らかにうまい。全国チェーンの回転寿司では味わえない。東京でも、なみの鮨屋ではシメサバに落胆することの方が多い。札幌では締め具合が店によって違うが、酢でギッチリと締めている店はない。基本的に塩で締めて酢で洗う感じというか、生な感じが強くのこっている。なので、しめ鯖の握りで熱燗というのが最近の一番の好みだ。シメサバだけでは脂が強く感じすぎるので、シャリと合わさってちょうど良い具合になる。

刺し盛りも日によってネタが変わるのは当たり前だが、絶対定番とでもいうべきマグロは入っていない。北海道産のネタを並べるとこんな感じになる。ツブにエゾ鮑、ニシンとボタンエビ、そしていくらという取り合わせはなかなか東京ではお目にかかれない。

この店の切り札的存在が、刺身用のイカをゴロ(はらわた)を使った汁で煮込むイカゴロ焼きだ。この店の隠れ名品だと思うが、周りで注文している客を見かけない。一品料理としてはこの店で一番高い。イカの料理がこの値段かよ、という感じもしてしまうのだが、今やイカも高級品だし、このイカゴロ焼きは高い値段を払う値打ちがある。
一人でちょっとうまいものを食べたいと思うときには、鮨屋で一杯というのが正しいようだ。蕎麦屋で一杯というのとは、明らかにお作法が違う。鮨屋の方が、注文の仕方もわがままになるようだ。鮨屋の御作法などと言われても、ふんと鼻で笑ってしまう。食い散らかしなのも自覚がある。それのどこが悪いととうの昔に開き直っている。
ちなみにこの日も、食べた握りはシメサバとアワビだけ。あとは新香巻を一本。鮨屋にとってあまり良い客ではないのかもしれないなあ・・・。とも思いつつ、満足したぞ。

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海老ラーメンの本店 ニューウェーブから老舗へ

えびそばと聞くと、塩味のラーメンに炒めたエビがばらっと乗っている光景を思い出す。東京の中華料理屋で、これが名物だと勧められて食べたが、あまり感動もせずに終わった。東京の名物ってこんなものかと言う、残念感が強かった。以来、中華料理屋でえびそばなるものがメニューにあっても、全く興味がわかないまま数十年(笑)たった。個人的感想なのだが、東京人はエビに対するリスペクト度合いというか、偏愛ぶりが甚だしいような気がしている。たかがエビになぜそんな有り難みを感じる?と言うのが素直な気分だ。ちなみに生まれ育った北海道ではエビが安いせいだろうとは思う。エビは高級品ではない地方なのだ。
ところが、10年ほど前に北海道で行列ができるエビそばの店があると聞いたが、ふーんと思いつつしばらく放っておいた。エビがどうした、と言う気分だった。それでも多少は気になっていたので、すすきので飲んだ帰りに立ち寄ったいつものラーメン屋が満員だったせいで、ふとえびそばを食べに行ってみようかと思った。ススキノの真ん中から5分も歩けばたどり着く、ススキノの外れにその店はあった。夜にもかかわらず待ち客がいたのはちょっと感心した。

豚骨とエビスープの合わせたものに、平打ち麺という、ちょっと変わったラーメンだった。魚介出汁と豚骨のWスープが本格的に広まり出した頃で、魚介出汁の代わりにエビを使ったのかと思った。まあ、ありがちなちょっと趣向の変わったラーメン、などとお気楽に考えていたが、一口食べて認識が変わった。「海老」のうまさはラーメンに合う。多分、海老出汁だけでは生臭くてうまいスープにならない。豚骨という動物系の合わせスープが生み出す調和というかイイトコ取りだ。
麺が選べたり、スープの海老出汁の強弱が選べたり、細かいところも調整可能なのが良い。ラーメン作りに「計算が行き届く」という表現が適切かとは思うが、まさに計算尽くされた一品という感じがした。以来、機会があれば足を運ぶ好みのラーメン屋になった。千歳空港のラーメン店街ではダントツの行列の長さで人気ぶりが知れる。今や、札幌を代表するラーメン店だが、そろそろ次の一手を見せてくれないだろうか。期待してるのでありますよ。

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川崎名物が川越に来た?

西武新宿線本川越駅近くに「ニュータンタンメン」の店が開いていることに気がついたのは去年の年末だった。久しぶりに食べに行こうと思っているうちに、緊急事態宣言やら蔓延防止・・・やらで行動制限時期になり、ようやく先週になって川越に行った時に昼飯を兼ねて川崎名物?を食べることができた。

川崎のスーパーローカルチェーンである、ニュータンタンメンを初めて食べたのは6−7年前だと思う。人伝に聞いた噂を頼りにわざわざ川崎の街の外れにある「本店」まで行ってきた。担々麺ではなくカタカナで、それもニューがつくタンタンメンだ。いったいどこが違うのか興味津々で川崎まで行ったのを覚えている。初心者向けに見た目と味はポスターで説明されていた。簡単に言えば、辛いスープにニンニク挽肉卵炒めが載っている、という感じだ。

それと変わっているのが、焼き肉が同時に提供されている。どちらかというと、焼肉を食べた後に、締めでこのニュータンタンメンを食べるというのが正統派らしい。普通の焼肉屋で冷麺で締めるようなものだ。だから、卓上に焼肉ロースターが置いてあった。今回は、焼肉はパスで、辛さレベル中辛を選んだ。

現物が目の前に出てきて、あー、これこれと昔食べた時の記憶が戻ってきた。ポスターの写真よりも明らかに赤が強い。ぱっと見でトマトソースっぽく見えるが、匂いはガツンとくるニンニク臭だし、なんとなし目がしょぼしょぼする強烈な何かが立ち上ってくる。ただし、食べてみるとそれほど辛くない。卵の甘味で辛さが抑えられている感じがする。逆にスープの塩味が感じにくい。卵とニンニクに打ち消されてしまっている。食べ進むうちにじわっと舌が辛味に麻痺し始めるので、余計に味がわかりにくくなっている。顔にうっすらと汗が出てきたので、確かに辛味・カプサイシン効果が出ているのだが、ヒーハーいうほど辛さを感じないのが不思議だ。

川崎の名物店舗が、なぜ埼玉県川越に出店したのはよくわからない。浦和大宮をすっ飛ばして川越というのは実に不思議な気がする。きっと川崎で修行していた職人さんの実家が川越なんだろう。個人的には、この辛いラーメンは、あの有名な赤いタンメンより好みなので、ぜひ埼玉県で複数展開してもらいたいと思う。次回は、ビールと焼肉の締めで食したいものだが、どうやら8月お盆の終わるまで、また禁酒令になるらしい。この国の政治屋たちの頭の悪さは辟易するしかないが、次にこの店にくるのは、ビールが解禁になる夏が終わったあたりになるのだろうな。

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らーめんのマーケティング ビジュアルと味はどっち?

らーめんのマーケティング的考察の続きになる。くどいようだが、ビジュアルと味だと、湯煎されるのはビジュアルだというのが結論になる。上の写真は台湾ラーメンと称して売られているもの。名古屋味仙の本物台湾ラーメンのビジュアルとはあまり似ていないが、ビジュアル要素は満たしている。表面全体に広がるニラの緑とニンニクミンチの赤茶色だ。台湾ラーメンは名古屋付近では色露なバリエーションがあるようだが、見栄えに関してはあまり変化がない。平面的なビジュアルに尽きる。担々麺も似たような感じに見えるが、台湾ラーメンの方がニラの緑が多いだけ見栄えは良い。ちなみに台湾ラーメンの味を支配するのは、ニンニクミンチの強烈なニンニク臭なのでスープの味や麺の味などはほとんど埋もれてしまう傾向にある。それだけに差別化の要素としては味の変化、例えば辛味や出汁の変更の効き目が悪いのは明らかだ。兎にも角にも、ニンニク味が全てというガツン系食品で、ニンニク控えめとした瞬間に台湾ラーメンのアイデンティティが損なわれる。台湾ラーメンの進化はビジュアル的に行われるべきだろうと思う。

つけ麺もビジュアル変化のつけにくい代物で、麺の太さを変える、使用する小麦を変え麺の色を変えるなどの色変化はある。煮卵を乗せたり、メンマを極太に変えたりというトッピング変化もある。ワカメやほうれん草を乗せて色変化もある。しかし、どれもあまり魅力的ではない。すると残りはスープの色変化が残される。下の写真の魚介出汁と醤油だしのWスープセットはつけ汁の味変化を狙ったものだろうし、これはそれなりに功がありそうだが、実際に自分の前に並べられるとスープの色があまりにも似ているので、そこに興奮が湧かない。もったいないことだ。通常の2種類に色変化をつけた白汁とか赤汁とかをキャンペーン期間限定で出せば良いのにと思う。そもそもこのWスープセット自体が増量型バリューキャンペーンの仕掛けで、手抜きといえば手抜きなのだが、ビジュアル的にも味編的にももう一工夫欲しかった。

メニューをマーケティング戦略に合わせて構築するのは定石だが、その第一歩が味変ではなくビジュアルにあることを理解しようとしないのは、業界的にはずいぶん出遅れていることになる。そして、これはテイクアウト対応商品ではもっと重視すべきことなのだが、ないがしろにされている気がしてならない。その話はまた別稿で触れたいと思う。

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らーめんのマーケティング ビジュアルとは

ビジュアルの良いサンプル

ちょっと専門的な考察?をしてみたい。業務的にはマーケティングという領域の話だ。飲食業における迷信に、「うまいものは売れる」という宗教的な信念に似たものがある。確かに、まずいものは売れないは真実だろう。しかし、うまいから売れるは間違いだ。正確に言えば、うまいからといって売れるものではないが正しい。「うまい」は売れるための必要条件ではあるが、十分条件ではない。もう一つ付け加えれば、売れているものがうまいと評価、定義されるというのが一番正しいと思っている。国民食と言われるラーメンでも、それがまさしく真実だと思う。そして、売れていると言われる人気店のラーメンの共通項は極めて単純だ。味の評価ではない。重要なのはビジュアルだ。ビジュアルの要素を因数分解すれば、大きく目立つチャーシュー、大振りのメンマなどのトッピング、薬味のネギはごくごく薄く切り山盛りに、スープははっきりとした色を見せる。スープも醤油の黒、味噌の茶をストレートに見せるのは不利。この要素を十分に満たしているのが、上の写真で、辛味噌ラーメン(普通)。一番特徴的ななのはチャーシューについた焼き目だろう。肉の旨さ感を醸し出している。スープの赤は辛さを強調しているが、実はあまり辛くない。写真には見えないが、辛味噌を別添していて好みに合わせて追加してねというスタイルだ。大さじ1杯くらいの辛味噌を全投入したら、なかなかの辛い味になったが、辛味噌なしであればちょい辛いかだった。

昔ながらの、当たり前なビジュアル

下の写真のラーメンは、多分誰もが普通の味噌ラーメンと思う見え方だ。スープも一眼見てわかるミソスープだし、みた瞬間に味が想像できる。そして想像通りの味付けだった。味噌ラーメンに炒めたもやしというのも、もはやステロタイプを通り越し骨董品的なものだ。だが不要不急それがまずいかというと、そこそこ満足の言う雲のであることも多い。いってみれば定番の強みだが、見栄えは古臭い。ただし、これを「昭和の味噌ラーメン」とか「味噌ラーメン 古典派」とかのネーミングでのノスタルジーをそそる等やり方をすれば、マーケティング的には「あり」になる。しかし、その場合でもトッピングなどの立体感や色彩感の変化をつける、別添の味変要素、たとえば辛味噌、甘味噌、もろみダレなどを考えるなどの差別化アイデアは必須だろう。

ちなみに、上記写真のラーメンは(個人的には)どちらもうまいと思う。ただ、繁盛店にするためには工夫というものが必要で、「見た目」の変化は店主が思っている以上に重要なはずだ。特殊な素材にこだわったり、小麦にこだわったりするのも良いが、普通の客にその差を見分けられることは少ない。店主の無駄なこだわりを理解せよと客に求めるのは、やはり悪手だと思う。ビジュアルの変化は10人いれば9人くらいがわかるようにする策にする。そこは比較的簡単にできるはずなのだから、味にこだわる努力の半分くらいはビジュアルに力を注ぐべきだと思うのだ。

ラーメンという差別化の難しい、ユニーク商品とMe Too商品が混在する業界ではマーケティングが重要な時代なのだ。

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ストイックならーめんを恵比寿で楽しむ

恵比寿神社のそばにある渋い外観の店がラーメン屋で、恵比寿でもいぶし銀のラーメン店といえる。コロナ前は昼時には長い行列ができていた。カウンターだけの店なので、並ぶのも仕方がないとは思うが会社のランチタイムでは並んで待ち余裕がなく、いつも横目で睨んでいただけだった。この時期だとひょっとして・・と期待しながら店先を覗いてみたら行列ゼロ。お店の方には申し訳ないが、ラッキーと店に入った。券売機で「普通の中華そば」を購入し、席について静かに待つ。店内には数名の客がいるが、このご時世なのかひとり食ばかりで会話はない。ラーメン屋が静かなのはとても嬉しい。西新宿の某有名店では、観光客だらけでおまけにキャピキャピな会話、それもうんちく混じりが多くて閉口ものだったが、ここは静かだ。ありがたい。

濃厚な魚介スープのためか、丼の中にスープが少なめに見える。麺はもっちり系でスープとの絡みも良い。チャーシューはおそらく真空調理の柔らかなもの。好みに個人差が出そうな特徴的なものだ。店内にあった、最近風のストロングスタイルな感じを受ける。魚介スープのラーメン店は、だいたいこんな感じにまとまっているのだが、開店時期を考えれば、この店が魚介ラーメンの元祖級なのは間違いない。家系ラーメンが増殖を始める前から、この店は同じスタイルだったような記憶がある。ラーメン店に老舗はあるかと言われると、多分存在が難しいと思う。現代のラーメンは時代に合わせて進化速度が上がっているから、古いラーメン店は業界の継続的な進化に追いつかなければ衰退してしまう。そこがそばと違うところだろう。

それだけに、この店のストロングスタイルがどこまで続くのは実に楽しみなのだが、少なくともコロナに負けることはなさそうだ。

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アゴだしらーめんの珠玉

最近お気に入りのラーメン屋が新宿にある。昔から行列ができているのは知っていたが、なかなか並ぶ気力がなかった。最近はコロナのせいで行列が短くなったりしているので、タイミングが合えば待たずに入れる。カウンターだけの店なので、開店は良いから待ち時間もさほどではなくなった。この店がチェーン店で都内に複数あるらしいと言うのは最近気がついた。カウンターに座るとスタンプアプリを勧められた。来店ポイントが記録されるらしく、それをダウンロードするとおまけでチャーシュー3種もりがもらえると言う。今までは面倒がってサボっていたが、今回は時間もあったので挑戦して、見事3種盛りをゲットした。鳥チャーシューと赤目の豚チャーシューは真空調理だろう。とても柔らかい。豚もありがちな臭みが抑えられている。調理技法としてレベルが高い。残りの豚チャーシューは、通常の煮豚系で、これもレベルが高い。次からこれはサイドアイテムで注文してしまうだろうなと思った。餃子などよりよっぽどラーメンに合っている。

トビウオと数種の煮干しを合わせた出汁は濃厚で強い味だが、それに負けない麺とのバランスが好みなのだが、それにこの3種チャー種が合わされば、最強トリオではないか。最近の魚介系ラーメン店で真空調理のチャーシューを出す店が増えたが、この店のレベルは群を抜いて高い。逆に、真空調理をよく知らない店ではチャーシューが臭いので、二度と行かないと思う原因になりもする。

ラーメン一杯1000円時代になっているが、その価値がある店は本当に少ないのだよね。西武新宿駅そば「たかはし」はうまい。

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インチキな餅の食べ方

五平餅を食べるシーンを旅番組で見て、何やらムズムズしてしまった。五平餅はかなりの好物だが、やはり長野県のどこかに行かないと食べられないだろう。そこで、余っていた切り餅を眺めていたら閃いた。愛知県名物の味噌だれをかけてしまえば、なんとかなるのではないか。五平餅の味噌はくるみ味噌だが、そこは気分の問題だと強引に理屈をつけ(理屈になっていない)、ホットサンドメーカーで餅を焼いた。網で餅を焼くと、なかなかちょうど良い具合の焼き加減が難しいが、ホットサンドメーカーは手間要らず。膨れた餅が破裂することもない。
「つけてみそかけてみそ」は甘辛のバランスが良いので、五平餅もどきは正解だった。あとで気が付いたのだが、これに胡麻をかければよかった。個人的には、この食べ方だと餅が何個でも食べられそうだ。トッピングバリエーションとして、ゴマ以外にきざみ海苔とか生姜、七味唐辛子などなんでも行けそうな気がする。

2個焼いた餅を一つは五平餅にしたが、もう一つを永谷園のお茶漬けのりを使って汁物にしてみた。お茶漬け一袋でお湯をかけただけだが、一見するとシンプルな雑煮風になった。ネギとかミツバとかを散らせば、もっと贅沢感が増すとは思うが・・。これもサラサラと食べられる、ジャパニーズファストフードだ。簡単なくせに意外と完成度が高く、くせになりそうだ。海苔で巻いた磯部巻も捨てがたいが、この簡単雑煮の方が日常食としては利便性が高い。カップヌードル並みの簡単さなので、非常食として保存している餅の活用法としてオススメなのでありますねえ。

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茅野 並んでも入る、そばの名店

2017年の記憶 #16 昔に撮ったiPhone写真から引っ張り出してきたあれこれ

中央高速諏訪インターを降りて、ビーナスラインで蓼科方面に進むと、レストランや食堂が何軒か固まっている場所がある。蓼科湖のちょっと手前にあたる。そこに行列のできる蕎麦屋がある。店自体が小ぶりなので、収容人数が少ないこともあるが、やはり蕎麦の旨さが行列の原因だろう。駐車場は10台くらい入るのだが、席数は5台分くらいしかない。つまり、駐車場満車は、行列待ちが発生ということになる。週末ともなれば開店時から満車が当たり前で、待たずに入りたければ平日の2時過ぎくらいを狙うしかない。冬になれば、少し行列も減るが新蕎麦目当ての客も多い。蕎麦道楽を自認する以上、行列に負けるわけにはいかない。

注文するのはシンプルにもりそばにすることが多い。ただ、ここのもりそばは2回に分かれて出てくる。一度に出すと、食べているうちにそばが伸びるのを店主が嫌っているとのこと。一人前が半分ずつに分かれて出てくる。おまけに、こちらの食べ具合を見ながら2回目を茹でるそうなので、一枚目の盛りが無くなるのとほぼ同タイミングで二枚目が出てくるという神業だ。行列ができるわけだ。蕎麦は当然手打ちなのだが、手打ち蕎麦屋にありがちな、「蕎麦はうまいがツユがヘタレ」ということはない。かつお出汁が強めの濃い味で、蕎麦とのバランスが良い。お江戸の老舗の蕎麦屋の味に近い感じがする。
長野にはたくさんの蕎麦屋があり、それぞれが個性的というかバラエティーがある。その中でも、蕎麦としての洗練さで評価するのであれば、この店を一番に推したい。ビーナスライン沿いだけでも超高級な店から、名物わさび蕎麦が推しの店、田舎蕎麦の店など蕎麦屋だけでも選ぶのに困るほどだ。松本、あずみの、長野、戸隠、高遠、開田高原などなど蕎麦名所が多過ぎて、長野で蕎麦を堪能するには、正直に言って時間が足りない。それなのにそばの名所は長野以外でも、山形の大石田そば街道もあり、福島の山都や兵庫の出石そばもあり、行きたいところはそれこそ山のようにある。そば道楽を極めるのはなかなかな悩ましいものだ。