食べ物レポート

ぎょうざの満洲 9月の新作

つけ麺はルックスが悪いのは仕方がないが・・・

埼玉県が誇る三大麺ブランド、「ぎょうざの満州」「日高屋」「山田うどん」がアフターコロナの時代にどう対応しているか、どう変化していくのか、興味が尽きない。どのブランドもいわゆる大衆価格、ワンコインランチ提供が商売の主軸になる。高級化、高価格化は企業のDNAに馴染まないらしいので、とりえる対策は似たようなものになりがちだ。大きく分けてコロナ対策は3つある。店舗の環境整備であるとか、衛生管理の強化はどの企業であっても同じものになるので(法規制的に同じにならざるを得ないので)ここでは省く。

一つ目がテイクアウトの推進と強化だ。現行メニューの中でテイクアウト適性が強い、米飯と炒め物、揚げものを中心にテイクアウト訴求を行う。その次は、単品ではなくセット化でバリエーション向上、単価引き上げといった戦術展開になる。ハンバーガーやフライドチキンと同じ作戦だ。

二つ目は、月間サイクルでのキャンペーン連続投入。平たく言えば「月毎の限定メニュー」で、リピートユーザーの利用促進を狙う。また、同時に定番商品より2割程度高価格に設定することで、単価上昇を狙う。できれば、麺と米飯を順次入れ替えるローテーションが望ましい。季節性を入れるのも定番戦術で、夏は冷たい麺、冬は辛い味付けなどにしながら、今年はこれが違いますよという独自性を訴える作戦だ。これもファストフードのやり方に習うことになる。

三つ目は、「別ブランド」を立ち上げ、高価格帯に移行する。たとえば既存店の1/3を改装による高級ブランドに変更して、全体の(全店平均の)客単価を引き上げるという、中長期展望を含めた戦略級の作戦になる。

わが町発祥の「ぎょうざの満洲」は、地道に二番目の戦術を遂行している。月替わりメニューを見に毎月月初にサイトを覗きにいくが、食欲をそそられる月もあれば、今月はパスかなと思う月もある。商品開発力というより、微妙なセンスの差があるのかと感じる。これは大手ファストフードでも同じことなので、作戦としてあまり気にすることはない。万人受けの商品とは、支持が取りにくい凡庸な商品でもあるのは間違いない。
満洲は野菜や肉などの原材料に拘っている。定番商品を見ても理解できる。銘柄豚の使用、地元野菜の採用など方向は正しい。ただ、共感も得やすいかと言われると表現が正直すぎる気がする。というか「ちょい下手」かなという感じがする。野菜炒めやレバニラ炒めは、そもそも商品の質が高いので、メニューブック上での宣伝の仕方を変えれば、何やら大化けしそうだ。まあ、「ぎょうざの満州」と店名にある通り、大定番商品は「ぎょうざ」なので、餃子とセットで頼む町中華が基本コンセプトだから、そのあたりのブランド表現、立ち位置の店方が難しいことは理解できるのだが。

それをふまえて9月の新作だが、「つけ麺」だった。世間的にはスープ麺とつけ麺の二刀流が、今の時代では町中華でも必須要件になっているので、「つけ麺」導入の気持ちはよくわかる。できれば定番化したいくらいだろう。客側としても、ようやく「つけ麺」が出てきたかと期待も高かったが・・・。
これはちょっと手抜きではないかと思ってしまう出来栄えだった。つけ麺の要諦は、「超」がつくほど濃い味のスープと、それに負けない太い麺にあると思う。普通の麺の太さでは、表面積が多くなり濃いスープとは相性が悪い。細めの麺でつけ麺を作ると、スープが薄くなる。つまり食べている途中でスープが薄まりやすく弱くなりすぎるという欠陥がある。「つけ麺」の麺は、啜るものではなく、もぐもぐ噛み締めるものだと思うのだが。
せめて「つけ麺専用特製麺」の製造ができなかったのか。麺も自社工場製の満洲だから、専用麺できるはずでしょうと期待していたので、ちょっと残念。

写真は醤油味で、味噌味もあるから、もう一度食べにいくつもりだが、麺とスープの関係は同じだろうなあ。10月の新作に期待するとしよう。

食べ物レポート

はま寿司に行ってきた

スシローで感じたあれこれの疑問を、はま寿司で確認してみようと平日の昼にノコノコ出かけたみた。テーブル席に空きはあったが、なぜかカウンター席は満席だった。十人くらいが並んで黙食。考えてみれば、元々回転寿司や立ち食いそばの店で大声で話す客はいないだろうから、これが当たり前なのだが・・・。

ひとつ 100円皿

キャンペーン商品は、蒸し牡蠣一貫 100円という高価格帯で、牡蠣自体は大振りだと思うが、ちょっと花がないなあ、などと思いつつパクりと一口で食べた。牡蠣は好物だが、蒸し牡蠣だとちょっと違う食べ物だ。寿司ネタ向きかと言われるとちょっと違う気もする。価格も含めて微妙だなあ。

なんと一巻 280円皿

最高級品は、黒アワビで300円近い。確かにアワビの味がするが、カット形状が微妙で、なんとなくアワビっぽくない。たちの鮨屋では必ず頼む個人的絶対定番だけに、本物志向は嬉しいが、なんともルックスがねえ、という感じ。おまけに一皿で一貫となると皿の隙間が目立ちすぎ、余計やるせないかなあ。一皿2貫換算だと、500円皿ということで、これは来るとこまで来たかもしれない。次は一皿480円になるとすれば千円皿の出現だ。もはや100円均一の回転寿司は消滅するのかもしれない。

定番 二巻で100円

タコは、メニュー上でしっかり「まだこ」と「水だこ」が別物で注文できるようになっていた。注文したのは「まだこ」だが、確かに100円皿の定番という風情がする。スシローで感じていたシャリダマ軽量化疑惑(笑)だが、はま寿司では注文時に「米 半分」が選べるようになっているので、やはり疑惑ではなく真面目に米削減が行われていた。確かに、米が少なくなればたくさん種類を楽しめると思う人も多いのだろう。「半分」を選べば、一皿で1貫分の米量になる。寿司10貫分、5種類ではなく10種類楽しめることになる。客と店のウィンウィン関係(笑)が成立する。はま寿司で米矮小疑惑は解消されました。

定番 2個で100円 おまけにわさびトッピングという不思議さ

イカもマイカ、スルメイカ、など品種が選べるシステムだった。そして、マジマジとメニューボードを見て確認したのが、イカのわさびトッピング。これには苦笑するしかない。確かに、回転寿司はずいぶん前から、わさび抜きが定番で、回転レーンを回っている寿司にわさびは入っていなくなった。若い世代でワサビが苦手という方が増えたせいだそうだ。わさび入り、わさびなしでの商品提供はロスが多いことから、基本的に「わさび抜き」スタイルの統一された形だ。回転レーンには追加用のわさび個パックが回っている。ワサビが欲しい方はお好みでどうぞと、わさびは取り放題サービスなのに、あえてわさびをトッピングにするのだ。ワサビが特別仕様ということらしい。
ただし、このワサビトッピングを試してみると、実にはおいしいと思ったので、できればイカ以外にもわさびトッピングを増やしてもらいたい。大人向けの渋いトッピングバリエーションは重要だ。

ハイボールテイストとオールフリー

このご時世なので、酒飲料の画面を覗いてみたら、全品終了マーク。ノンアルコールのハイボールテイスト、ノンアルコールビールは販売中。まあ、当たり前の対応なのだが、それでも違和感を感じることも確かだ。

やはりというか、当然というか、販売戦略、価格戦略に関して、「スシロー」と「はま寿司」は、ほぼミラーツイン状態だった。はま寿司の方が、ストレートに高価格皿を売っている感じがするが、これはスシローの展開エリアとはま寿司の展開エリアの差によるものかもしれない。
スシローとくら寿司から比べて出店が後発だったはま寿司は、陣取り合戦で残っていた地方中小都市部に出店の軸足を置いていた。二強である「スシロー」「くら寿司」との直接対決を避けた結果とも言える。だから、大都市周辺部では比較的店舗が少ない。当然、直接競合の殴り合いが少なければ、高価格帯への移行も楽になる。
アフターコロナで主戦場となる「都心部テイクアウト」専門店みたいな話は、もう少し後の対策になるのだろう。ちなみに、今年はくら寿司が最後の未到の地、札幌に出店したのだが、どういう結果になるだろうか、楽しみだ。

食べ物レポート

食文化としての回転寿司の変容

回転寿司の話を続ける。うまいまずいという感想文ではなく、食文化、外食産業の今後みたいな、ちょっと真面目な「論考」のつもりで整理してみた。すしの写真を撮るとブランド名が映り込む。某回転寿司チェーンとは書けないので、実名表記になる(笑)。写真にぼかしを入れるという手段もあるが、それでは別の意味でフードポルノ(笑)だし・・・。

これぞ回転寿司の原風景 ただし、ネタは魚だという時代は遠い昔

繁華街での高速回転型商売であった回転寿司が、郊外型ロードサイド展開で急成長したのはバブル崩壊の平成後期だった。要因は色々とあるが、極めて単純にいうと「何でもありのファミレス」から「一芸に秀でた専門店」に客が流出したことだと思う。バブル崩壊の前半では、居酒屋がファミレス化した。郊外型居酒屋の出店が目立ったが、それも飲酒運転撲滅の道交法改正であっという間にとどめを打たれた。ファミレスキラーとして一大勢力化したのが、牛角に代表される低価格焼肉屋と、一皿100円というワンプライス戦略を取った低価格回転寿司だった。
同時期に高級ネタを提供する複層価格帯(100円皿、200円皿、300円皿など皿の枚数と支払い価格の関係が面倒くさい)回転寿司は次第に劣勢になっていった。回転寿司王国とでもいうべき、北海道や北陸以外では、大都市圏を中心に高級回転寿司はほぼ駆逐されたと言える。ちなみに、北海道や北陸では、逆に100円寿司が負け組で、高級回転寿司が市場独占している。類推するにネタの質問代が絡んでいる。うまい魚が安くて豊富という地方特性なのだろう。逆に海なし県では100円逗子が圧勝している。
ワンプライス回転寿司での勝ち残り組は、関西発のくら寿司とスシロー、関東ではかっぱ寿司とはま寿司になる。ただ、かっぱ寿司は上位組から脱落しつつある。100円回転寿司の勝因は、まず第一に皿枚数=支払額というワンプライスの分かり易さだろう。ただ、そこに頼り切るのではなく商品の多様化というマーチャンダイジング、タッチパネルによるバイオーダー(注文したら出来立てが来る)体制構築でロス削減、人員効率化などある意味技術革新の連続で経営効率を改善し続けた結果だ。結果的に、今の回転寿司では寿司はほとんど回転していない。
だから、その経営革新、運営技術改善について来れない(経営的に変化が遅い、あるいは技術革新に対応する投資が出来ない)チェーンから競争脱落してM&A対象になった。すでに回転寿司を新規開店するための設備投資は大きく膨れ上がり、経営体力のない企業では参画できないレベルになっている。そして、大手3社の競争も出店攻勢が一段落しているため、既存店の競り合いという構造に変化した。陣取り合戦から攻城戦に変わったということだ。ゼロサム競争の中に新規参入は余計難しくなっている。

厚切り鮑 300円 高級皿だ

その攻城戦の主たる戦略が、まずは寿司ネタの拡大、魚がのっていない寿司の開発で、典型はコーンの軍艦巻。その後、ハンバーグや焼肉が乗った寿司が定番になっていった。これは回転寿司がファミレス化したため客層が子供、大人、高齢者と複層化していったことへの対応だろう。魚を乗せない寿司は(鮨とは言えないので寿司と書く)、減価率低減に貢献したはずだ。軍艦巻きの上に乗るマヨコーンの原価とマグロの原価を考えれば一目瞭然だ。おまけに、マヨコーンの方が(多分)大量に売れているはずだ。
攻城戦戦略の二番目は、デザートの拡充と麺類の投入で、これはメニューバラエティーの拡大というより高単価商品の導入(例えば200円デザートや380円ラーメンなど)にあったはずだ。買い上げ点数(皿数)を増やす作戦であり、それも寿司の100円皿ではなくラーメン380円という定番皿よりおよそ4倍も高いものを売り出すことだ。
すし屋でラーメンと聞くと、まさに冒険的メニューというしかない。しかし、麺類展開作戦としてまずはかけうどん、かけそばを投入し、それに天ぷらを乗せ、最終的にラーメンを投入するという、それなりに手順を踏んだ作戦だった(と記憶している)。ただ、仁義なき戦い(笑)継続中の回転寿司御三家は、どこかが何かを導入して成功らしいと気がつくと、おおよそ3ヶ月もすると三者とも同じメニューが揃い踏みするという対応の速さだ。それはそれで商品開発力があることを意味する。コピー商品とはいえ、1000店近い規模の店舗網に新商品を即時投入するのは、相当な力技だ。それができる体力がある外食企業は少ない。
なので、今や回転寿司のラーメンはキャンペーン対応を含め定番化しているし、デザートの更なる高価格化も進んでいる。(400円台のパフェは当たり前の時代になった)
そして、攻城戦略の第三弾と言って良いのか疑問はあるが、今や当然の如く、高価格寿司皿投入が行われている。ラーメンで外堀を埋めて、客の価格意識を変えたあと、100円ワンプライスの建前を捨てる。用意周到なのか、流れのままにその場しのぎの対応をした結果なのか、ちょっと微妙ではあるが。
ここ一年はコロナ感染の影響もあり、3社とも高価格商品のキャンペーン投入(限定時期提供)が主流になった。ウニ・アワビ・本鮪など100円皿では提供不可能だったネタが次々投入されている。おそらく1年以内には一皿500円が定着するだろうと思う。もはや回転寿司は千円札一枚で満腹になる低価格需要対応業態ではなく、うまいけど高いというアッパー業態へ変化しつつある。

生だこ 100円 煮だこは150円というのが不思議

ただアッパー価格志向のキャンペーンを行いながら、これまでと同じように、ワンプライス回転寿司のDNAというか、100円にこだわる部分も残っているようで、生だこは100円皿だ。一般的に100円で提供されているタコは煮ダコだったはずだが、最近の世界的なタコ不足のためか、普通の煮ダコは150円皿になっていた。真ダコと水ダコのような、似ているが違う原材料の使用は、100円キープのために重要だろう。イカもマイカ資源が急減少しているため、安価な定番ネタから高価な季節ネタに変わる可能性がある。青魚で言えば「秋刀魚」は漁獲量が減りすぎ、最近資源が拡大している「イワシ」にシフトするだろう。鯛やハマチなどの養殖魚はコロナ感染の影響を受け、価格が変動しているようだから、この先の目玉商品化する可能性がある。安定大量買い付けは、いつの夜でも価格破壊の要因になる。

カニ味噌 100円  これぞ回転寿司の工夫だろう

この蟹味噌の軍艦巻きも、涙ながらの工夫だといつも思う。ウニやイクラなどの原価の高い商品を100円皿で売るために編み出された、キュウリをスペーサーに使用するという苦肉の作戦だったはずが、蟹味噌程度でも使われるのは原価調整の最たるものだろう。ただ、蟹味噌は味が濃いので、こんなふうに一巻あたりの量を減らしたほうが味のバランスがよくなるとは思う。個人的にはキュウリはいらないが、それは人それぞれ。

高級ネタのウニトリオ うまいが100円寿司の掟破りかも

ウニの三貫セットで480円という売り方も、一皿500円突破のための実験だろうと読んでいる。それも同じものを三貫のせるのではなく、ベースのウニ寿司は同一で、トッピングによる変化を打ち出す。そして、トッピングしたウニ寿司の単品販売はしないので、3個の合計価格の計算ができない仕組みにする。実にエレガントなマーケティング戦術だと感心した。いや、業界の常識としては「感嘆」するべき優秀作だろう。
同時期に本鮪だけ8個乗せた大皿が980円で、これも席に着くと従業員が本日のおすすめとセールストーク。商人(あきんど)精神が復活したらしい。

もはや回転寿司は生まれた当初のビジネスモデルとは全く異なっている。そして、現在の外食産業では、回転寿司が技術革新を含め最先端のビジネスモデルに進化している。寿司を安く、早く提供するという事業から遠く離れ、テイクアウトも含めた事業領域拡大に爆走中というところだろう。また、DX、デジタル武装も業界を上げて進めているので(お互いに切磋琢磨というより競合のデジタル競争に引きずられてということか)、もはや斜陽産業化しているファミレス業態との差はますます開くような気がする。
回転寿司から新しい業態に進化するのか、あるいはスピンアウトして似て非なるコンセプトが生まれるのか、なかなか楽しみな業界なのだ。ただ、外食産業のメインストリーム、主流業態に躍り出た回転寿司が新しい外食文化を牽引することは間違いないだろう。

おまけとして個人的な感想だが、ここ数年でシャリ玉(にぎりのコメ部分)が小さくなっている気がする。シャリ玉とネタの重量比は鮨屋の重要ノウハウだろうと思うのだが、全体に小ぶり化して原価削減という気もするし、寿司が小さくなれば10皿ではなく11皿食べるという買い上げ点数拡大にもなるのだよね・・・。気のせいだろうか。それでも回転寿司は大ファンだけど。

食べ物レポート

100円均一回転寿司の変質

くら寿司、スシロー、はま寿司が回転寿司界の三強だと思っているが、これにかっぱ寿司を加えて100円回転寿司の市場を考えると、中小チェーンを含め年商5000億円は超えるのだろう。回転寿司はもはやファミレスを超える外食産業の一大部門であることは間違いない。ちなみにマクドナルドとKFCとモスバーガーを合わせるとそれに近い規模になる。アフターコロナでは回転寿司とファストフードが勝ち組になったので、ますますこの二つのカテゴリーが強くなっていく。
個人的には、昔からアイデア全開のスシローが好みだが、くら寿司も時々自分たちが寿司屋であることを忘れたようなぶっ飛び商品を出すので観察対象として要注意だ。そうした大手回転寿司屋が夏の需要期のキャンペンを終え、9月から秋キャンを開始している。スシローは何と「ウニ推し」を始めたので週末明けの平日を選んで行ってみた。結果は、お目当てのウニが入荷待ちというか選択的販売に変わっていて、気分的にはちょとやられたなあ感なのだ。もっとはっきり言えば、騙されちまったぜという気分というか。
まあ、お目玉商品の売り切れごめんは仕方がない。それはいいのだ。ただ、関連商品の売り方が、ファミコンソフトの抱き合わせ販売(これもネタとしては古くなりすぎだが)みたいな気がする。抱き合わせ販売は公取の規制も入ったご法度手法なのだが、飲食業界的にはまだまだ変形抱き合わせ手法が生き残っているのだ。

ウニ3種盛り 480円税別

写真手前にあるのがプレーンなウニのすしで、これが100円税別というのが今回のお目当て商品。だが入荷待ち、つまり販売していない。ところがタッチパネルをぽちぽち押してメニューを確かめていたら、ウニの上にトッピングが乗った3種盛りは売っている。ウニ一巻が100円だから、トッピング代が二巻分で180円ということか。そもそもウニ単品が売っていなのに・・・というモヤモヤ感が強い。
やれやれだな、と思いつつ食べてみた結果だが、やはりウニ単品が好みという個人的な結論になった。食い物屋がモヤモヤ感を提供してもねえ、と言いたい。ただ、100円でウニを食べるというのは原価割れどころか赤字商品だろうとも思うので、大きく文句を言うつもりはない。しかし、ちょっとだけ文句を言いたいのだ。何にも言わずにウニを3種盛り限定で売れば良いのではないかと思いますよ。この値段でウニを売るのがすごいのは間違いない。

すじこ 一個150円なり

鮨屋の人気者はいくらだろうと言われると、そうですねと答える。ただ、個人的な嗜好では筋子なんだよね、と言いたい。回転寿司ではあまり見かけないネタだ。北海道のタチの鮨屋ではよく見かける。いくらよりもしょっぱいが味のねっとり感は強い。個人的にはうまい鮨でお気に入りだからスシローでも定番にして欲しいと思う。
ただ、一皿二個乗り、均一100円という低価格回転寿司からすると、一個売りで150円とは3倍高いネタということになる。色々と理由があるのだろうが、これまでやってきた、ネタにソースやトッピングを載せてバリエーションを出すという手法では、100円均一を守りきれない状況になったのだろう。イカの明太乗せとか、タコのしそジュレソースとか炙りアジの生姜だれみたいな手法が通じなくなったようだ。
それでも、定番は一皿100円から離れた値付けはしたくないので、一個150円というのが苦肉の策で対応していると勝手に思っている。昔からの繁華街にある回転寿司では皿の種類が10種類近くもあり、皿と枚数では計算が難しい。この売り方は何だか不便だなあと思っていたが、大手回転寿司もその世界に入り込んできたみたいだ。
チェーン店理論で言えば、これは業界的には末期で、またワンプライスの価格破壊者が出てくる前段状態になったとも言える。アフターコロナで、最強生き残りグループの回転寿司を超える新業態が生まれるのかどうか興味津々だ。

回転寿司大手ではすっか英主力商品化したラーメンなどの麺類だが、これも色々と問題は抱えている気がする。一番の課題は厨房から出たての商品が届くはずなのに、スープがぬるいという温度問題だ。これは純然とオペレーションを調整すべきだろう。スシローは回転レーンに乗ってやってくる。くら寿司は従業員が持ってくる。(今はコロナのせいで変わったかもしれないので後日確認しよう)
ただし、くら寿司のラーメンはスシローより100円以上高いので、その辺りが微妙なのだ。それで今回の一番のびっくりは、「魚介だしの北海道味噌ラーメン」。魚介だしのスープは印象が薄い。びっくりの原因はトッピングで、何とフライドポテトと筋子とホタテフライがトッピングされている。赤い筋子の見た目で、最初はチャーシューだと思ったのだが、食べたらしっかり筋子だったので、超びっくりだ。フライドポテトは炭水化物に炭水化物という、コテコテ系の合わせ技だし。
これと同じ作り方、トッピングでラーメン専門店が作ってくれたら・・・と想像してみた。何だかものすごく美味しいものになるような気がする。スシロー傘下でラーメンチェーン作ってくれないかなあ、などと寿司とは全く関係ないことに感動した。

回転寿司が、「すし」産業からどんどん離れていっているのは、外食産業として進化と呼ぶべきだろう。ただし、すしやとしては変質だ。たちの鮨屋が、鮨屋が発祥した東の地平線にあるとすれば、回転寿司は西の地平線の方へ全力疾走している感じがする。もうすぐ、すし世界の地平線を超えた新天地に行くつもりなのだろうか。味噌ラーメンのスープに沈んだコーンを摘んで食べながら、そんなことを考えてみた。

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低価格スーパーの惣菜 あれこれ考える

埼玉県飯能市に開いたスーパーヤオコーの低価格業態実験店フーコットを再訪してきた。前回行った時に気になっていた惣菜コーナーをもう少し見てみようという意図がある。別に惣菜評論家でもないから、文句をつけに行ったわけではない。最近大流行のsnsデマ流しになるつもりもない。
ここ数年間、スーパーの惣菜売り場が進化を続けていると思う。2年前までの流行りといえば、大皿に盛り付けた色とりどりの惣菜をビュッフェスタイルで取り分けるというものだった。米国流の惣菜進化を取り入れたものだというのが自分の理解だった。それまでのパック商材とは異なり華やかさと豪華さがある。レストランとも対抗できる品質と品揃えが浸透していた。
ところが、昨年来のコロナ感染拡大の中、コロナ対策として全商品がパック詰めされるようになり惣菜売り場は実に無味乾燥なものに逆戻りした。おそらく、もう数年間はこのパック詰め商品の時代が続くだろう。そうなると、パッケージの改良、陳列台の工夫、提供商品の見栄えなど、新しい突破口を探る実験が必要になる。高価格帯スーパーでは比較的挑戦しやすい課題だが、低価格帯店舗ではそれをどう対応するかによって、業績が左右されるくらいの重要性があるのではと思った。

という論点で、比較対象商品として追跡しているのが焼成済みピザとコロッケだ。ピザはMサイズ 25cm程度、500円前後での販売が多い。コロッケは大別して一個50円で売る店と100円の店に分かれる。コロッケは食べ比べてみてわかるが、値段が高い方がうまいとは限らない。というより、かかくによる味の差はほとんどない。
目玉商品として価格を下げるが、コロッケでは儲からないと割り切って売るか、原価計算に合わせかつ、値ごろ感にあわせて100円で売るかという、戦術的な違いだろうと推測しているのだが。ちなみに肉屋のコロッケ的な惣菜店では、値段に応じた味の差が存在するので、このコロッケ価格法則はスーパーの価格哲学みたいなことを推し量る目安にしている。
安売りスーパーの王者オーケーでは600円で売られていた照り焼きチキンピザが、この店では550円だから、やはり「価格を下げる気合い」がはっきりと見えている。ヤオコー本体よりも安いのは間違いない。ちなみに埼玉県中心のマミーマートも同じような値段だが、頼めば焼き立てを売ってくれるという「付加サービス」がある。たかがピザ、されどピザという感じだ。

今回の発見は鳥の半身揚げだった。鳥半身の唐揚げというものはあまり広まっている惣菜とは言えない気がするが、その価格が破壊的だった。だいたい鶏肉の半身相当の重量で唐揚げやグリルチキンなどを買う時に、1000円前後の値付けが多い。お値段高めと評価される典型的な米国発フライドチキンチェーンでは5個がほぼ半身分に当たるが、1200円程度なので、この499円という価格設定はすごい。ちなみに、北海道札幌周辺では鳥の半身揚げの専門店が多くあり、そこでも半身の価格は1000〜1200円程度だ。埼玉と北海道の物価格差を合わせると、この500円を切る値付けはすごいことだ。この半身揚げの周りには鳥の唐揚げも2種類が山盛りになっていたので、半身上げが一推しということではないだろう。おそらく実験商品という位置づけではないか。

実際に食べてみると、ブロイラーの素揚げなので肉は柔らかい。表面に塩と胡椒その他で味付けはされている。肉の裏面に火通りのための筋を切った跡は見当たらないので、筋切りの前工程はなしでゴロンと半身をそのまま揚げたということらしい。個人的な感想では、普通にうまい、だった。自分の家にある調味料を適当につけて食べればもっと味変が楽しめる、そういう素直な味付けだ。この低価格で辛いとか甘いとかの変化、バリエーションで複数フレーバーを販売する必要はない。だからシンプルな味付けで良いと理解した。低価格店での惣菜は廃棄ロスを考えると、品種の絞り込みは必須条件で、通常の食品スーパーのような多品種展開は不要だと思う。

などなどとちょっとだけプロ意識を働かせながら、あれこれ考えてみたが、最後は自家製越年三升漬け(タバスコソースより辛くなり過ぎてしまったもの)をつけて、ビールごくごくしながら食べた鶏の素揚げは、いとましでありました。有名フライドチキンにまけないうまさでございます。

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Takeoutで 日高屋飯

近くの日高屋でランチ時には500円弁当も売っているが、ちょっと遅めのランチで、庭飲みをしようと企み単品を注文してみた。ネットで注文できるということだが、実はネットのメニュー表には載っていないものが欲しくて、電話をして確認した上でわざわざお店まで買いに行った。このご時世にアナログなことをしているという自覚はあるが、これは「不要不急」の外出ではないので・・・と内心で言い訳する。
買ってきたものは「バクダン炒め」と「キムチチャーハン」の二品になる。おそらく電子レンジ対応容器だと思うが、お店から歩いて5分で自宅だし、そのまま食べるのでアツアツ状態だからレンジアップも不要だ。

「バクダン炒め」は、辛い野菜炒めというかキムチ入り野菜炒めというか、ともかくビールのお供としては最強だと思っている。いつもは遅めのランチとか早めの夕食でビールと合わせて頼む、個人的な日高屋絶対定番なのだが。現在は店内での酒類提供禁止なので、自宅の庭でビールと合わせて孤食宴会をすることにした。まあ、一人飲みも青空の下であれば気持ちが良いし、公園で群れて飲むわけではないので誰に迷惑をかけることもないと自己弁護しながらだ。ちなみに正確には飲んでいるのはビールではなく、発泡酒大手3社の新製品を比較しながらの試し飲み。好みとしてはサントリー製がよろしい感じがした。いつも店内で注文しているものより、肉が多い気がしたのは気のせいだろうか。キムチ肉野菜炒め、肉マシマシ的な感じがしたのだが。決して文句があるわけではありません。

そして、個人的日高屋絶対定番その2がキムチチャーハンだ。町中華で、ありそうであまり見かけないのが、この「キムチチャーハン」という食べ物だ。自宅で作ろうとしても、なかなか上手に作れない。飯がキムチのつゆに負けて、ベタっとしてしまいがちだ。
某グルメ小説で、チャーハンは酒の肴になるという一文を読んで以来、確かにチャーハンを肴にして酒を飲むことが増えた。チャーハンは店によって味付けが異なるが、濃いめの味付けの店のチャーハンであれば、酒の肴として完成度は高いと気がついた。問題は、ものすごく腹が膨れることで、正しいお作法としては複数名で中華小皿料理を2−3注文して、半チャーハンで締めながら酒を飲むという感じだと思う。だが、これを孤食でやるのはとても難しい。
それを一気に片付けるためには、キムチチャーハンとビールという組み合わせが良い、というのが当面の結論だ。まあ理屈っぽく言えば、最初の半皿は肴として食べ、残りの半分はラー油をかけたり酢をかけたりして味変した上で、「締めの飯」としてやっつけるという寸法なのだが。ただし、このやり方でも、食べ終わるとほぼこのまま横たわりたいと思うほど腹が一杯になる禁断の飲み方なので、あまり他人にはお勧めしない。ただし、今回は自宅の、猫の額ほどの庭での飲み会なので、飲み終われば3歩で「横たわる場所」に到達できる。問題なしだ。

政府が酒飲みを禁止するのであれば、それを掻い潜るように公園飲み・路上飲みする奴らが出現する。屋外バーベキューがブームになる。「官」と「民」の戦いなんて、人に知恵が生まれ群れて暮らすようになってから、連綿と繋がっていることだ。まあ、その辺りをもっともらしく反感を煽り、自分たちの商売に繋げようという悪徳メディアの自己中発言に付き合ってやる必要もないし・・・。黙って「裏をかいくぐれば良いのだ」と発泡酒 ◯むぎ などを飲みながら、人類の官民闘争史に思いを馳せる、高尚な一人飲みを楽しみました。キムチャーハンおそるべし、敬うべし、うまし。

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うまいらうめんの考察 たかはしふたたび

最近増えたきたような気がする「らうめん」というひらがな表記のラーメン店だが、言葉遊びだろうという理解をしている。ただ、その言葉遊びが、なんとも好ましい。ラーメンというカタカナ表記が「らうめん」というひらがな表記に変わることで、俺たち進化した一族なんだぞ的なラーメンニューウェーブというか、一段の高みに登ったものの気概みたいなものを感じる。(というのは、オヤジ的浪漫だな)

新宿に出かけた時に、いつもランチで迷うのが、「はやしやのオムライス」と「紀伊國屋地下ジンジンのナポリタン」、そして「たかはしのらー麺」だった。ジンジンは紀伊國屋ビル耐震強化工事のため閉店したようで、次からはオムライスとらー麺の二択になってしまうのがちょっと悲しい。

アゴだしラーメンを初めて食べたのは仙台で、おまけに仙台ラーメンではなく「山形のアゴだしラーメン」だった。仙台は東北の中心地なので(おそらく)、東北6県の名物店はだいたい仙台に出店しているようだ。まずは仙台進出、そしてそこを足がかりに東京進出という国盗り物語パターンみたいだ。だが、中には仙台で土着化してしまう店もある。東京進出より仙台での多店舗化が楽しくなってしまうケースだ。仙台で食べた山形ラーメンは、ぜひ東京進出して欲しいものだと思っているが、どうなることだろう。仙台土着化パターンになりそうな気配もする。調べてみたら仙台二号店が開いたようで、アフターコロナで東京進出してはこないだろう。新宿のたかはしも既に複数店展開している人気店なので、東京アゴだしらーめん対決なんていうのを楽しみにしたいものだが時間がかかりそうだ。

塩らー麺なのに濃厚な色のスープが特徴で、醤油ラーメンではないのが不思議

アゴだし塩らー麺は、自分の中ではすでに芸術品的評価になっている。ラーメンの完成形の一つであるとさえ思っている。別に完成の形が一つだとも思っていないが、数あるジャンルの中で(例えば豚骨味噌ラーメンとか、鶏白湯とかのラーメンサブジャンル)、やはり一段高い位置にある魚介だし部門のチャンピオン的存在ではある。
アゴ出汁の濃厚さと麺のバランスは、普通のラーメンの部品構成では難しいだろう。スープの主張がとても強いからだ。家庭で作るラーメンがうまくならないのは、スープと麺の温度管理が悪いせいだが(要は、下手くそなので)、一番悪いのははスープの濃さと麺の茹で加減がうまく行かないことだ。麺の湯切りと、スープを作る時のお湯の量、温度が関わっている。逆に言えば、この要所を上手に調整できないから家庭料理なのだ。プロの腕とは、この差を意味する。
そして、この店、たかはしのチャーシューやメンマも一般的な業務用のものとは明らかに異なる。この独自性の高いトッピングはすでに「料理」として高いレベルにある。家庭で真似をするのが、そもそも無理な世界だ。例えば、プロ仕様のチャーシューを作ろうとすれば、少なくとも五十人前、百人前と大量に生産する必要があるので、素人が手を出すと、そこから1ヶ月はチャーシュー漬けの日々になる。メンマに至っては、おそらく一年中、朝から晩までメンマを食べることになるだろう。
美味いラーメン屋、そして最近の成功している「らうめん」店では、麺とスープとトッピングの隅々まで調和を考えているというのがよくわかる。神は細部に宿るというのは「料理」の真髄だろう。ラーメンでもその世界に変わりはない。
たかはしでは、チャーシューが2種類と言うのも、ちょっと嬉しい工夫。厨房の中に、スライサーがあるので、店内手切りなのがわかる。これも大事な工夫だと思う。チャーシューはできるだけ頻繁にカットして、表面の劣化を防ぐのが望ましい。また、手切りではなく機械切りすることで、標準化によるブレの排除が「うまさ」を生む秘訣なのだよね。たかがラーメン、されどラーメン、うまさは本当に細部の工夫に宿るものだ。おまけに、この店の厨房の床がきれいなところが一番尊敬できる。

おまけだが、(個人的に言わせてもらうと)汚れた名店というのはあり得ない。店が汚いけど美味いというのは、表現として間違っていると思う。店が汚ければ、食べ物屋としてはすでに失格で、うまいまずいの評価をするに値しない。アフターコロナの要点でもあると思う。

食べ物レポート

回転寿司でワンコインランチ

イカ、タコ、鯖がマイ定番

コロナで外食産業各社は大変な苦しみを味わっているのだが、例外的に業績を伸ばしているのが洋風ファストフードと回転寿司だ。くら寿司、スシロー、はま寿司など業績好調で、この夏の時期には本鮪だのウニだのを使った、高い寿司キャンペーンをやっていた。一皿100円(税別)のはずが、いつの間にやら150円皿とか200円皿が登場している。その上に一皿に一巻しか乗っていない超高級皿も出現していて、客数と客単価の両方を引き上げるという積極的な作戦だった。
そこで高いネタの皿を見学に行ってみたのだが、結局注文したのはほぼ100円皿で見学は失敗だった。というのも、お高い皿のネタは人気があるらしく、販売中止、売り切れが目立つ。キャンペーンが始まったらさっさと食べに行かないといけないらしい。回転寿司各社がテレビCMをやるようになったので、余計キャンペーンネタが売れるのだろう。
この点は、業界的に今後要注意だと思う。回転寿司が洋風ファストフード業態と同じことをやるようになったことの意味は大きい。大袈裟に言えば、業態転換、コンセプト変更が一歩進んだと考えるべきだ。回転寿司は食べにいくところではなく、買いに行くところに変わっていくのだろうか。テイクアウトマーケットで最大勢力に成り上がる可能性がある。

全品タブレット注文だから、会計するのも会計ボタンをポチッと押して、席番号表を持ってレジに行くだけなので、従業員と話すこともない。そもそも入店時に、案内機で席取ボタンを押して席番号を指定され、従業員と話すこともなく席までたどり着く。入店から、食事、会計、退店までほぼ無人だ。
カウンターに座れば孤食、黙食が徹底できる。アフターコロナでは回転寿司で一人飲みが爆発的に増える可能性もあるかなとも思っている。回転寿司のカウンターでは、隣の席とアクリル板の間仕切りができたことのためか(心理的なバリアー感ができる?)、女性の一人客が多いような感じもする。回転焼肉の実験店も好調というニュースを見ると、孤食+テイクアウトというコンセプトで、新しい業態、商売の可能性が出来上がるのではないか。などと「贅沢な鯖 一皿150円」を食べながら考えていた。お安い贅沢なのだなあ。

食べ物レポート

秩父 立ち食いそばで、ちょっと一息

秩父に所用があり、その帰りに道の駅ちちぶに寄った。いつも使っている蕎麦屋が休業していて、昼飯難民になってしまったせいだ。困った時は道の駅にお世話になろう、という程度には道の駅ファンなのだ。ということで、好物のしゃくし菜の漬物を買った後、ふと気がついたのが立ち食いそばだった。ここには何度も来ているのに、この立ち食いそばを見かけた記憶がない。気になってあちこち眺めてみると、「秩父そばの会」というのが店名らしく、おまけに蕎麦は生蕎麦らしい。埼玉県だからうどんもアリなのだが、蕎麦はどうやら茹でたて提供みたいだった。
トッピングは普通の蕎麦屋とほぼ同じだが、秩父らしいといえば「くるみだれ」そばがある。これは山ぐるみをすり潰したもので、秩父の蕎麦屋にはたいてい置いてある。濃厚味で普通のつゆと2種類頼み味を比べてみるのも楽しい。

もう一つの秩父的メニューが「しゃくしなそば」だ。しゃくし菜の漬物が乗っているのかと思って注文してみたが、どうやら「しゃくし菜」の漬物を甘辛く味付けしているようだ。これは、とても気に入ってしまった。できれば、このしゃくし菜トッピングだけ買って帰りたいくらいだ。蕎麦も良いが、そばつゆがちょっと薄口で、それがこの夏の暑い時期に食べるにはちょうどよかった。

立ち食いそばで、このレベルの高さは驚嘆に値する、などと蕎麦つゆの残りを啜りながら思っていた。そんなことを考えていたら、蕎麦湯をもらうのを忘れてしまい、あらあら、失敗したと後悔したが、また食べにくることもあるだろうし、サクッとスルーしておこう。次回は蕎麦の旨さを堪能するべく、もりそばに決まりだ。しかし、秩父の蕎麦屋は街道筋にあるプレハブみたいな店でも相当高レベルなので、外見で侮ってはいけない。秩父良いとこ、百度はおいでだと思う。

食べ物レポート

山田太郎アゲイン・・・ちょっとだけブランド論

前回行った時には気がつかなかったが、入り口脇にバナーがかかっていて、商品説明がされている。ただ、個人的にはこの仕上がりが広告的には弱いなあとおもってしまった。バナーが客の目に入るのはせいぜい5秒、駐車場から入り口まで歩いてくる10m程度の距離で「見るもの」であって「読むもの」ではないのだと思うが。広告として言いたことを推測してみると「国産野菜」、「北海道小麦の麺」、「埼玉産の豚」なのだろうが、この三つを語るにはバナーという広告媒体は不向きだ。もったいない使い方だ。野菜たっぷりを言いたいのであれば、やはり先駆者のはなまる、リンガーハットなどを見習うべきではとも思う。「1日分の野菜」「半日分の野菜」などのわかりやすい表現での落とし込みだ。

山田太郎のブランドロゴが入った暖簾は、相当おしゃれ感があるが、これも暖簾自体を倍くらいの大きさにして「ブランドロゴ」の刷り込みをした方が良いのではと感じた。そもそも、「山田太郎」という言葉自体が、覚えやすく強さがあるので、もっと強く押し出してもよいのではないかなあ。ちょっと惜しい気がする。

そして肝心の埼玉タンメンだが、今回は二回目なので、味噌味にしてみた。味噌の味はそこそこ強く感じるが、スープにはちょっと負けているかもという感じもする。野菜は無料増量にしているが、普通盛りだとこの半分くらいなのか。だとすると野菜たっぷり感が足りないような気もする。前回は鳥唐揚げをサイドに頼んだので、今回は餃子3個盛りを注文した。餃子はラーメン店の必須サイドアイテムと言いきって良いと思うが、やはり実力差が残酷に出る商品とも言える。
埼玉県では「ぎょうざの満州」「日高屋」「幸楽苑」などの中華・ラーメンチェーン店がしのぎを削っている中華激戦区なので、餃子で勝負しようとすると相当に品質を上げなければいけない。個人的な好みではあるが、ぎょうざの満州がいちばんレベルが高いと思う。幸楽苑はたびたび餃子の改良をしているが、どうしてもぎょうざの満洲のレベルには追いついていない気がする。日高屋はバジル餃子という名品を投入した。
その競合他社と比べると、山田太郎の餃子は発展途上というか、コンセプト調整が必要というか・・・。肉たっぷりのガツンとくる系を目指すのか、野菜たっぷり、スッキリ系を目指すのか、どちらかを選んだ方が良いと思う。肉系で行くなら豚肉のマスキングに埼玉香味野菜を使う。スッキリ系て行くなら埼玉野菜、例えばしゃくし菜を使ってみるなどのローカライズもありだと思う。それとも、サイドアイテムとしての餃子は捨てて唐揚げに一点集中して、突破力向上を目指すか。一号店の実験コンセプトは、完成形・量産モデルを目指し商品やオペレーションを検証して改良するためにあるので、どんどん変化していってほしいものだ。
間違っても山田うどんのヒット商品の投入はして欲しくない。パンチを食べたいのであれば山田うどんに行けば良いので、山田太郎はここでしか食べられないものに拘ってほしいぞ。ちょっと真面目に書いてしまったが、一号店のポテンシャルは高いからの期待でありますね。

次は魚介ラーメンと辛いやつを食べに行こう。