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高級で回らない回転寿司

金沢、富山では回転寿司のレベルの高さが違うと何度も聞かされた。実際に、金沢でも富山でも回転寿司を食べてみて、その質の高さは納得している。そもそも回転寿司なのに皿がほとんど回っていないのが現実で、「まわる寿し」と書いてあっても、「たまに」の一言が抜けていると思う。
ここも人気店対応で、店頭に順番待ちの発券機がある。そこで席待ち予約をしてあとは呼ばれるのを待つ仕組みだった。呼ばれるまで10番くらいの番号差がある。30分くらい待つことになるかなと思ったが、もう少し時間がかかり、それでも40分程度で入ることができた。

本日のおすすめのメニューがカウンター席に置いてある。同じものは目の前にあるタッチパネルでもわかるのだが、一覧で見るにはこちらの方が圧倒的にみやすい。デジタルとアナログの融合として、なかなかありがたい仕組みだった。外食産業のDXとは、こんなふうにデジアナ合体策になるのだろうなあ。

まずは一番食べたいものを注文する。鮨の順番のセオリーというか理屈はいろいろあることは知っているが、そんなものを守ったことはない。自分のやり方は「食べたいものを食べたい順に」だ。特に、回転寿司などはすぐに腹一杯になるので、その前に自分の食べたいものを食べないと、とても後悔する羽目になる。
だから、最初はあわびにした。それも腹の膨らみを抑えられる「一貫」で注文できるのが嬉しい。

続いて日本海でご当地ネタといえば「ノドグロ」を忘れてはいけない。これは普段口にすることがない魚だけに、期待度は高いし、期待を裏切らない脂の乗った旨味だった。

そして、ご当地ネタとしては初見参の「たら」。能登沖で獲れたマダラとのことだが、鱈を刺身や鮨で食べるのは初めてだ。北海道では「たら」と「ほっけ」の生食は珍しい。
これは柔らかめの身がねっとりとした食感でなかなかに逸品だと思う。

その後はいつもの好物で、しめサバ(自家製)、イカゲソ、光り物セットを連続して食べ、締めはずわい蟹だった。ついつい勢いで頼んでしまったが、これは明らかに注文しすぎで、満腹中枢が限界になった。うまさに負けたということか。
100円回転寿司にはそれなりの良さやうまさがある。まさにコスパの良い「寿司」だろう。うまい「鮨」という言い方をするのであれば、やはり金沢の回転寿司はおすすめだ。
ただ、個人的経験で言えば、札幌の人気回転寿司もこれに負けない質の良さはある。が、ネタのバラエティーでは金沢が勝っているというところだろう。金沢の夜はまわらない回転鮨で満足した。

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新潟県で中華そば @中野

上信越道 中野PA 脇のハイウェイオアシスで見つけた

長い車旅の帰り道は新潟経由長野というコースで、その途中でラーメン屋に入った。ご当地ラーメンを食べようと思いながら、とうとうラーメンを食べる機会のないまま旅は最終日になり、頭の中では「ラーメン」がリフレインしていた。(蕎麦ばかり食べていた気がする)
新潟県は県内のあちこちに独自なローカルラーメン勢力圏があり、長岡や三条など本家争いをしている感じもある。ガイドブックなどでは五大ラーメンの競演などと書かれていたりする。
しかし、今回発見したのは昭和の中華そばと銘を売った店で、ラーメンではなく中華そば。まあ、よいかと中に入ってみたら煮干し蕎麦があるのを見つけ、すかさずそれにした。

海苔を追加すればよかったなと後から反省した

煮干し蕎麦は、だいたいどこで食べてもスープが透き通っている。豚骨+煮干しのWスープであれば、白く濁っている場合もあるが、透明感あふれるスープの方が一般的だろう。トッピングは、太めのめんまと長ネギという、これまた普通の組み合わせだが文句はない。チャーシューが厚切りと角切りの2種盛りだったようだ。ただ、角切りチャーシューはすっかり丼の底に沈んでいたが。
煮干しスープは、山形や青森のような「極濃い」ものではなく、比較的あっさりしている。うまいラーメンを食べたなという気がした。新潟系であれば、長ネギの代わりに玉ねぎというアレンジもあるのだろう。看板商品のあっさり中華そばも食べてみたい気がするが、この場所にまた来る機会があるかどうか。うまいラーメンも一期一会だからなあ。

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新潟の超B級グルメ

東北ぐるっと各駅停車の旅で、目的地はいくつかあった。一つ目は「恐山」で、ここはしっかりとお参り?ができた。二つ目は五能線の鉄道旅だったが、これは豪雨による通行止めのため失敗。おそらく復旧に数年は時間がかかるはずで、今後の達成見通しは立たない。
三つ目が、新潟名物カレーライスだった。新潟ではラーメンとソースカツ丼も有名だが、今回はパスした。

バスセンターの立ち食いコーナーで販売されているカレーが「B級グルメ」としての名を轟かす最強人気商品だという。その理解で、バスセンターに行った。ただ、バスセンターがビルの一階に隠れているので、なかなか見つけられず、あちこち彷徨ってしまった。
看板を見ると明らかに店名はない。屋号もない。立ち食いコーナーというのが、店名と言えば店名になるのか。そば・うどん・カレーの順番だから、やはりメインは蕎麦だろう。カレーは、あえて言えばおまけ商品にあたる気がする。

食券販売機で確かめると、カレーはご飯の量も選べる。そば+カレーを頼む人向けに、カレー小盛りが設定されている。そばにも興味は惹かれたが、ここはカレー一筋を貫くことにして、普通盛りを注文した。
見た目は「黄色い」。現代カレーの色はもう少し茶色がかっている気がする。昭和中期以前に大衆食堂で出ていたカレーが、このような黄色だったとぼんやり記憶している。
味は辛味が控えめで、どちらかというと甘口だ。ところが、半分ほど食べ進んだところで、額から汗が出る。見た目以上にスパイスが効いているということだ。おまけに普通盛りのはずが、ご飯がやたら多い。首都圏立ち食い蕎麦屋であれば、これは大盛りに該当する。小腹が減った時では多すぎる。ガツンと食いたい人向けだった。
それでも、隣にいた若い女性は普通盛りとそばのセットを食べていた。これは………新潟スタンダードだろうか。

その立ち食い蕎麦屋の隣に屋号がある店「ラーチャン家」もあった。ラーメンとチャーハンの専門店のようだ。新潟の有名ラーメン各店の影響を受けているようで、煮干し中華そばや平打ち麺や背脂や、あちこちにある新潟ラーメン有名店の特徴が入り乱れている。これも試してみたい店だったが、カレーの後ではラーメンだけでもきつい。炒飯は半量でも無理だ。

新潟市民は幸せだなあ、とつまらない感想しか出てこないが、蕎麦とラーメンとカレーと炒飯が1箇所で楽しめる。これでは、和風・洋風ファストフードの出る幕はない。素晴らしい食文化だ。

そのバスセンターの二階には、これまた新潟が誇るローカルファストフードの店がある。その名品の名前は「イタリアン」という。これは名前と商品のリンクが理解できない。長崎のトルコライスも、これがなぜトルコ?と言いたくなる不思議さだが、新潟のイタリアンもそれに近しい。
金沢のハントンライスとか、福井のボルガライスなど、全国あちこちに存在する謎メニューの中でも、新潟イタリアンは筆頭の怪しさだ。
その実態は、焼きそばの上にミートソースがかかっている。これも見た目からして怪しい。
ただm今回は満腹のため実食はパスしてしまった。腹ペコ絶好調であれば、一階でカレー、2階でイタリアンというハシゴ飯をしても良いのだが……………
やはり新潟市民は幸せな食文化をお持ちのようだ。うらやましい、と思いつつ各駅停車の旅、第三目標は見事達成できた。

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夜の新潟で思うこと

新潟駅は現在も改装工事中で、東側の改修をしていた記憶にあるのは10年以上前だから、どうやら20年計画で駅をいじくり回しているようだ。各駅停車の旅なので、新潟駅終着の列車から降りると、確かにホームが全面的に変わっていた。駅舎の工事もほぼ完了しているようで、あとは駅前の整備というところだろう。その後には駅ビル建設も行われるはずだ。駅東側は車のアクセス、西側は従来からの繁華街接続という使い分けになっていくと予測しているのだが……………

夕方になり駅の中の見物をしていたら、東西コンコースの中で「おっさん」が立っている。立ったまま、あまり動かないのでなんだろうと思って近寄ったら「おっさんの立像」だった。おまけに、ご丁寧にもマスクまでしている。リアルすぎるだろう。

どうやら英語湯沢の駅にあった「ほんしゅ館」が満を持して新潟駅に出動したらしい。駅構内からは外れた場所になるが、JR系ビジネスホテルの直下にあるので、日本酒愛好オヤジをゲットするには最適な場所かもしれない。店内には日本酒の試飲コーナーもあるし、山盛りの日本酒と酒の肴に特化した「日本酒天国」になっている。なんというか、オヤジ向け日本酒セレクトショップとでも言えば良いのか。若い女性には媚びていない(一部を除く)ところが潔い。ここは是非また来たい。たっぷり買い込みたい。買ったものは宅急便で送ってしまうのが良し。新潟からであれば翌日には自宅に着く。

さて、この日の夜は新潟駅東側にある地元民御用達の名店で夕食になった。新潟の秀逸な居酒屋として名前だけは聞いていたが、初見の店なので期待度は高い。入り口があまり居酒屋っぽくはない。料亭風と言ってもよさそうだ。

まずお通しが、ザルに守られたいろいろな海産物などから一品選び、それを蒸し焼きにするという。手の込んだ仕掛けだった。ビジュアルでインパクトを出す上手な仕組みだが、少なくともおじさんウケと女子ウケ、両方に効き目がありそうだ。
できれば、一品ではなく、追加料金を払っても良いから2−3品食べたかった。

イカの姿づくりもビジュアル系の料理だが、盛り付けの立体感が居酒屋レベルを超えている。接待向けに使える高級居酒屋ということだろう。完全個室とまでは行かないが、広めの空間でゆったりとして食事が楽しめる。やはり、空間はご馳走の一部だ。

あれこれ注文したが、締めはノドグロの炊き込み飯で、これを卓上で取り分ける。日本海沿岸都市では、すでにお約束になったノドグロ料理だが、脂の乗った旨味が炊き込みご飯には向いているようだ。鯛めしとはまた違った味わいだ。
新潟の駅前も再開発が終わりつつある。駅前再開発が終わり観光客向けのホテルも整備された。駅前がお手軽なグルメ地区に変わりつつある。チェーン居酒屋が衰退するこの時代に、ローカルな名店が駅前の新興勢力になっていくことは間違いない。全国的にワン・ブランドで展開する居酒屋チェーン自体が存続する意味合いを無くしている。
あえて言えば、東京や大阪のような巨大都市でのみ存在意義があった低価格チェーン店は、すでに全国で戦闘できる力を失っている。東京では安くても、ローカル市場では普通の値段にしかならない。それでありながら、大量生産で旨さを無くした料理をマニュアル通りに出すのでは、付加価値が低すぎる。
食事が終わることに、群馬の製菓メーヵーが新潟に冷凍大福の自動販売機を置いているという話を聞いた。それは面白そうだと思ったが、不安ないな夜の街を自販機探しに彷徨うのも辛い。翌日回しにした。

翌日、朝早くに冷凍大福の自動販売機を見に行った。なぜこんな場所にと言いたくなるようなビルの一階にある。ただ駅前なのでオフィスビルとして便利な場所だ。ビル内の人通りはあるのだろう。小さめの大福4個で600円程度。高いのか安いのか判断に悩むが、ビルの近くにあるコンビニでは売っていないクリーム大福だから戦闘力はありそうだ。コーヒー味が入ったものを一つ買って見た。リュックの中に入れて半日旅をしたら程よく解凍できていた。オフィスであれば昼休みに買うと、3時のおやつにはちょうど良い。これは便利かもしれない。

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秋田で焼き鳥

秋田の官庁街近くにある「夜の繁華街」は、どうもすっかり寂れてしまっているようで、あちこちに空き家が目立った。週中の平日だったから、休業日という店もあるのだろうが、それにしても人通りも少ない。
そんな夕方の街をぶら歩きしていて見つけたのが焼き鳥屋だ。この店は秋田のローカルチェーン店として記憶にある。鶏皮が名物なのだが、博多の有名鶏皮とはちょっと違う感じがする。それでも、仙台の支店で食べたときは、なかなか乙な一品だと思った。その本店が秋田市中心部にあるのをすっかり忘れていた。最初に狙っていた秋田名物の居酒屋はやめて、鶏皮を食べることにした。

お通しが洒落ている。どうしてなのか理由はわからないが、高級焼き鳥屋ではよく大根おろしがお通しに出る。確かにさっぱりとした大根おろしは、焼き鳥の油と相性が良い。文句はないが不思議だ。

日本酒は秋田の名酒がごっそりとラインナップされていた。今回は余り冒険をせずによく飲んでいる酒を選んだ。二杯目は未体験の酒にしようと思ったが、この一杯で十分に仕上がってしまった。美味い酒は一杯だけでやめておくのが、上手に酒を飲むコツかもしれない。

名物鶏皮登場、濃いめの味付けと冷たい日本酒がよく合う。北の秋田、南の高地と酒呑の両雄の地で焼き鳥を楽しんだが、やはり北の方が肉料理はうまい気がする。高知はやはり魚だろうなあ。
皮の焼き鳥は博多のものよりもしっとり目な感じがした。秋田の鳥皮はソフト系、博多の鶏皮はドライ系といった感じだろうか。味付けはどちらも甘味が強い濃厚タレだ。熱々のうちに食べるべきだろうなあ、と感じたのだが、普通に一人前で5本10本と頼むのも頷ける。一本だけでは物足りず、おかわりをしたくなった。

その後はマイ定番のセセリ、肝、つくねを頼んでフィニッシュ。どれもうまい。焼き鳥は日本が産んだ肉料理の最高峰ではないかと、いつも思うのだが、秋田にもうまい焼き鳥屋があってよかった。
ちなみに全国に隈無く存在する焼き鳥屋だが、各地でそれなりのローカル串も存在するから、どの街に行っても焼き鳥屋に行きたくなる。焼き鳥屋の不思議なところは個人経営の店でもチェーン店でも、専門店であればそれなりに楽しめるところだ。(居酒屋でついでに出てくるようなメニューの焼き鳥には問題があることも多いが)
個人的な焼き鳥の旨い街ランキングでは、福岡と札幌が2トップなのだが、それに秋田を加えてもよさそうだ。
四国は焼き鳥よりもも肉の丸焼き(骨付鳥)が大本命だが、ついつい魚に手が出てしまうので、焼き鳥経験が少ない。大阪にも独特の焼き鳥文化があるが、記憶に残る店がない。不思議だ。次は名古屋あたりで、旨い焼き鳥を食べてみたいなあ。

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地域特化型チェーン居酒屋in弘前

弘前で晩飯がてら居酒屋に行きたいのだが、とホテルの方におすすめの店を聞いた。そうしたら、全国チェーンだが地元料理を食べさせるので面白いと言われたのがこの店だった。看板だけ見ると、あのチェーン店なのかと言いたくなる。たまたま店名が同じだけではないのか?
どうやら、そう思わせる改装をしたようだ。個人経営の居酒屋に見せかける「ワタミ忍法」らしい。全国チェーンがブランドロゴを捨ててしまうというのは、すごい時代だと改めて思い知らされる。それでも焼肉屋になるよりは、生存確率が高いという経営判断なのだろう。

店の入り口も、随分と賑やかだ。どうみても全国チェーン店には見えない。手作り感を全面に押し出している。コレはこれで、店長が大変だろうに。

店内で席に着くと接客係のお兄ちゃんが登場し、まずは型通りのご挨拶。おすすめは刺身の階段盛りだと言われた。一人で来ている客に刺し盛りをすすめるのか、とちょっと気になるが、言われるままにそれを注文してみた。シャムロックも気になるのだが、量的に一人では両方は頼めないような気がする。

サバ、イカ、ヒラメ、マグロなど地物のようだ

ドーンと出てきた「階段盛り」は、ビジュアル的にインパクト十分だ。刺身のクオリティーも全国チェーンのものとは思えない。やればできるじゃないか、と思わせる。なぜコレを全国でやらないのだろうか。個店の学びを全国に広げられるのが全国チェーンの強みではないか?
東京発の強いコンセプトを金太郎飴的に全国に広げる手法・チェーン理論は、既に崩壊したと言って良い。おそらく東京発の情報が伝播する速度が早まりすぎて、出店速度がそれに追いつかないからだ。
そもそも東京で流行も終わりにかかり陳腐化しているが、地方では伝達速度が遅れているので繁盛しているという形こそが、全国チェーンの強みのはずだった。地方の店が元気なうちに、東京の足元を立て直すべく、次のコンセプトを生み出せば、情報伝達のタイムラグを活かしてブランドと企業の安定を保てる。
ところが、今ではその情報速度が速くなりすぎ、東京のコンセプト衰退、陳腐化したという情報の方が出店より先になる。地方出店が、今までとは逆にお荷物になりやすい。
だとすると、地方を含めた個店の戦闘力を色々な実験で上げてみて、それを一気に全国化する戦略転換が必要な時期のはずだ。が、なぜか居酒屋をコンセプトごと放棄して焼肉や唐揚げに走る。それではブランド再生などできないだろうに。
刺し盛りを楽しみながら、そんな衰亡業界の失策を考えていた。東京での業態転換した店を見てモヤモヤとした疑問に思っていたことだった。それを弘前に来て解凍を見つけるとは………
確かに、首都圏にいては気がつかないことだろう。旅は時に学びをもたらすのだなあ。

小難しいことを考えているうちに、本日の大本命である「イガメンチ」が登場した。弘前に来る楽しみの一つがコレだ。ネットで見るレシピーで自作してみようかと思うのだが、なかなかやる気にならない。津軽では家庭料理らしいので、自作してみても失敗することもなさそうだが………
こちらのイガメンチ(イカではなく、イガ)は小ぶりの一口サイズだった。味付けはいつも食べているものよりも濃い味で、酒の肴向きということらしい。生姜醤油で食べよと言われ素直に試してみたら、まさに大正解だった。イガメンチ、うまし。
これは全国に広まってほしい。イカの名産地は日本全国あちこちにたくさんあるが、イカ料理サミットでも開催して、各地の名物イカ料理を普及してほしい。鳴子のイカメンチとか函館のイガメンチとか、鳥取のイカメンチとか、シュリの違うイカの料理が食べてみたい。

日本酒も青森推しだった。特に地元の豊盃をふんだんに置いてあるのが素晴らしい。蔵元がある弘前でも豊盃は手に入れるのがなかなか難しい名酒だ。個人的には、青森の豊盃、岩手のあさ開き、福井の黒龍が絶賛したい日本酒だが、どの酒も地元に行ってすら手に入りにくい。
ネットで転売される酒を買うのも腹立たしいので、ネットで酒には手を出さない。現地で2000円で買える酒を5000円で売るようなネット酒屋には全く興味がない。
だから豊盃を手に入れるには弘前に行った時に百貨店の酒売り場に行くか(一部青森市の酒屋でも入手可能)、東京飯田橋にある青森県アンテナショップに行った時くらいしかない。それが、この店では飲み比べができるという。素晴らしい。本当に全国チェーンの店なのか?

満員で入れなかったお目当ての店

実は、地元の人気居酒屋にも行ってみたのだが、予約なしでは満員で入れなかった。次回は、こちらの店に行き(予約して)、炙ったイカで熱燗をちびり、みたいな飲み方をしたいものだ。居酒屋で仕事の話を考えると、ちょっと疲れてしまうしなあ。

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八戸の夜

八戸で夜の名所といえば、観光案内にも乗る「みろく横丁」ということになるだろう。屋台村の元祖的存在だ。帯広の屋台村は、北海道内では有名だと思うが、この八戸みろく横丁はもう少し広域で知られているような気がする。
東京恵比寿の屋台村や松本にあるつなぐ横丁が、インドアの代表屋台村だとすると、こちらはアウトドア系の筆頭だろう。八戸は青森県内でみると雪の少ない地域だということなので、冬の時期でも営業できるようだ。
同じ青森県でも弘前の屋台村はインドアだし、北海道では札幌を含め降雪地域でアウトドア系屋台村は見当たらない。(ススキノの飲み屋ビルは立体的な屋台村だとも言えるか)

こちらは飲み屋街に向いた入り口

みろく横丁の中は比較的広い通路が通っている。お店は大小の差があるが、基本的にカウンターだけで十人も入れば満員になる規模だった。小体な店で店主との距離が近いのが屋台の特徴だろう。店主との会話が魅力という店も多いはずだ。

夏の終わりでどの屋台も扉は全開放だったが、不思議と虫が飛んでいない。蚊取り線香の匂いもしない。何か屋外営業の秘密があるのだろうか? 衛生管理は長年のノウハウがあるのかもしれない。 
満席に近い店もあれば、店主が新聞を読んでいる店もあった。コレも屋台村ではお決まりの光景だ。

やはり雪が降ると滑りそうな道路だなと、北国育ちとしては気になるポイントがちょっと違う。冬になり除雪をしても薄く氷は張っているだろうし、飲んだ後に扉を開けて無造作に踏み出した一歩は、「危険が危ない」レベルだと心配になる。それともロードヒーティングが入っているのだろうか。

こちらは広い通り側の入り口

みろく横丁入り口にある世界遺産認定のお話が、ちょっと微妙な気がする。北東北で世界遺産統一キャンペーンでもやらないと、地場の遺跡だけ宣伝してもわかりにくい。観光客にとって知名度が上がらないという危惧がある。
それとも、どこかに北海道と北東北3県の統合オフィスでもあるのだろうか。Jリーグ発足後から、日本もイベントマーケティングが上手くなったと思っていたが、地方自治体の壁が立ちはだかっているのだろうか。旅から戻ったら調べてみるかな、などとちょっとだけ真面目なことを考えた。

名物料理の一覧表

地元料理の店先で便利なものを発見した。八戸名物の一覧表になっている。この中から何を食べようかとあれこれ考えていた。一番気になったのは「どん肝刺」で、メニューの並び具合からすると魚介類らしい。「どん」という魚が八戸にいるのだろうか。
二つ目に気になったのが「塩辛やきめし」で、コレは料理が想像できる。多分、理解も間違っていないと思う。ただ、実食してみないと、想像が正しいかどうかはわからない。謎メニューは大好物だ。

とあれこれ店先で考えた後、実はそことは違う店に入った。店の入り口周りを見て直感で勝負というやつだ。この店頭観察で当たりの店を引く確率はおおよそ6割くらいだろうか。逆にいうと5回に2回は失敗したと思うことになる。
どちらかというと負けと感じる時は、ダメージ回復のため二軒目に挑戦する。しかし、深刻なダメージを負った時は、スゴスゴとホテルに引き上げる。旅先で夜のギャンブルはあまりお勧めできないし、2連続KOを喰らうと、その街のことが嫌いになってしまう。だから、名誉ある撤退にする。
かと言って、ネットで調べた高得点店舗が良い店かというと、意外とハズレが多いのが実感だ。居酒屋と町中華は自分の間を信じる方が勝率は高いと思っている。

店に入りメニューをあれこれ物色する前に熱燗を頼む。このときに出てくるお燗の温度とお通しが最初の認定課題だ。最近のお燗酒は機械式が主流のせいもあり温度設定が高すぎる。お茶より熱い酒を出してはいけないと思うのだが。そしてお通しが冷たいもやしのおひたしみたいなガッカリ系手抜き料理が出てくると、それだけで店を出たくなる。
こちらのお店では、お燗がちょっと熱めだったが、お通しはイカとさつま揚げの煮物。ああ、コレは美味いぞ。思わずおかわりを頼みそうになった。イカの味がよく出た濃いめの味付けは、熱燗の肴にぴったりだ。どこからか演歌が聞こえてきそうな組み合わせだ

鯖旨し イカ旨しだった 満足

自家製しめ鯖とイカの刺身を頼んだ。刺し盛りもうまそうだったがひとりで食べるには量が多いようで、好きなものを好きなだけ原則を貫くことにした。正解だったと思う。ちょっとだけ期待していた「どん刺し」は見当たらなかった。いや、そもそも「どん」が魚の名前ではないのかもしれない。
焼き鳥屋で鶏のくびを「せせり」と呼ぶように、何か当たり前の魚のどこかの特定部分なのかもしれない。謎は謎のまま置いておく方が、次に来る時の楽しみになる……と思うことにした。まあ、痩せ我慢というか意地を張っているだけのような気もするが。

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マルカン食堂 アゲイン

花巻に廃業した百貨店がある。耐震対応の改築費が捻出できない(改築すると儲からなくなる)ので廃業するというのは、ここしばらく全国で続いている。百貨店という設備産業はもはや儲からない「レガシー」でしかなくなったということだろう。
人口が30万人程度の地方都市、県庁所在地でも百貨店の存続は「無理事業」になっている。その廃業した百貨店の最上階にあった食堂が、百貨店廃業後に有志の手によって再建された。ありし日のデパート大食堂の復活だ。これが最近では人気の名店になっている。わざわざ行きたい店になっている。

営業時間はほぼランチのみだが、昼時には食券を買うための行列ができる。コロナの間は「密」対策もあり大変だったようだ。それでもなんとかビジネスを続け、夏休み期間中は大混雑だったらしい。良いことだ。コロナ不況に喘ぐファミリーレストラン業界は、この大食堂を再学習すべきだろうなあ。昔は流行っていて今は無くなっているものを、現代風に再生するというのは立派なビジネス戦略だ。

箸立てが、圧倒的なレトロ感 今ではここ以外で見ることも少なくなった

テーブルの上の調味料群がたまらなく懐かしさを感じさせる。醤油とソースに加えてタバスコと粉チーズがあるのは、この店最大の人気商品のせいだろう。周りを見渡すと四人に一人くらいは、そのスパゲッティ料理を注文している。パスタではなく、スパゲッティだ。
ただ、今回はスパゲッティは注文するのを諦めた。コレまで何度か訪れて、積み残しの宿題になっていたメニュー、普通のラーメンを頼むつもりだったからだ。

世の中のラーメン屋では濃厚豚骨系スープが主流となって久しいが、それでも昔懐かしあっさり系ラーメンを売りにする店もある。ただ、その平成風あっさり中華そばも昭和のラーメンと比べると、それなりに濃い味付けになっている。
このマルカン大食堂では、「濃い」ラーメンではなく、実に本当にあっさりしたラーメンが出てくる。麺も細めで、ツルッと食べるとはこういうことだろうと実感できる。トッピングも海苔になるとにチャーシューとメンマ(シナチクといいたい懐かしさがある)の組み合わせだ。The昭和と言って良い。完食するまで3分もかからない。

本当はラーメンだけにするつもりだったが、食券を買うときにどうしても誘惑に勝てなかったオムライス。コレはまさに食の造形美と言いたい黄色と赤のフォルム。料理としては完成形だ。銀座あたりの洒落た洋食屋で出てくるものとは異なる。中身のチキンライスはケチャップ味でチキンも少なめなのが良い。オムライスはご飯料理だし卵料理だ。
たっぷりかかったケチャップを楽しむ料理でもあるので、コレを肴に酒を飲むことができるくらいだ。その時は、黒ビールの小瓶がよろしい、などとこだわるのが昭和生まれのいじらしさだ。

ラーメンとオムライスに餃子を追加するという無謀な注文をした。花巻の名物餃子店「夜来香」が廃業することになり、マルカン大食堂でレシピーを受け継いだそうだ。この餃子はは満腹であっても挑戦すべき食べ物と思い、あえて注文した。
腹はきついが餃子は美味い、という困った状態で泣きながら(笑)完食した。皮の焼き目が強く、カリッと仕上がっている。具材はシンプルで肉餃子というより野菜餃子に近い。最初は浜松式に酢と胡椒で、途中から酢醤油とラー油に切り替えて食べた。まさに名店の味というものだった。

そして、マルカン大食堂マストバイアイテム、ソフトクリーム。甘いものは別腹という人がいるが、個人的にそれは嘘だと思う。満腹でデザートは、やはり御辞退申し上げる。ただ、今回はそこを曲げて食べてしまった。
ソフトクリーム自体はあっさり系で、昨今の主流である乳脂肪たっぷりの濃厚ソフトではない。コレが救いだったなと今更ながらに思う。
このソフトクリームの特徴は、味というより高さにある。そして、固形分が少なめなのですぐ溶ける。さっさと食べなければ上からドロドロと流れ落ちる。
そこで?、箸で摘んで食べるという「花巻式」の食べ方になる。周りでソフトを箸で食べる客が大半だ。迷わず箸で食べる。
相変わらずの「旨し」だった。このソフトの高い盛り付けは、ほとんど職人芸だなと味とは別のところにも感心した。

お約束の記念写真撮影用の穴あき看板も、箸を持ったソフトクリームなのだから、この店のソフトクリームがどれだけ人気者なのかよくわかる。

しかし、花巻に来てソフトクリームを食べて、それで帰るというのも、いささか寂しいものがある。次回は、温泉と宮沢賢治ゆかりの場所に行かなければなあと反省しつつ、花巻市の滞在は3時間だった。

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仙台でぶらり

仙台に新幹線以外で来たのは初めてだった。各駅停車の長時間移動でお尻が相当ダメージを受けている。各停の旅をすると、毎回初日にこの手厚い歓迎を受けて思い出す。軽量の座布団を持ってくるべきだと…普通列車のシートは長距離移動向けには設計されていないことを、すぐに忘れてしまう。
ホームを登ってコンコースに出たら特急の看板があった。この列車だったら、尻ダメージは少ないのかもなあ。

仙台の晩飯は、昔よく通った居酒屋にした。本店は閉店したようなのでホテル近くにある支店に行く。その途中で街見物をしたのだが、あちこちでランドマークにしていたお店がなくなっていたのは残念なことだ。

お目当てにしていたマグロ刺身盛りは休日のためかおやすみ。当てが外れてしまった。そこで、第二の選択として楽しみにしていた「カツカレーのライス抜き」だが、これはメニューごと消えていた。実に悲しい。
とりあえず時間稼ぎにガリ鯖を注文した。これでちびちびやりながら、メニューを確認しようという作戦だ。チビチビ飲むうちに気がついたのだが、メニューが半分くらい変わっている。

自分のお気に入りメニューがほぼ全滅していた。時間が経つのは早いものだなどと感慨に浸ってしまう。自分にとってのコロナ禍とは、まさにこういうことだ。気を取り直して新メニューに挑戦した。
「酢豚のうまいところだけ」というものだ。ネーミングはセンスあるぞと思いつつ実食した。要するに酢豚から野菜を抜いて肉だけにしたようなものだ。これはこれでうまい。串カツから串を抜いたようなものだと思った。一口カツの変形とも言えそうだ。
ただ、酢豚は中に入っている玉ねぎが好きなので、これではちょっと物足りない。できれば「玉ねぎたっぷりの酢豚」が食べたいものだ。久しぶりにあれこれと楽しませてもらった。次回来るときはカツカレーのライス抜きが復活していますように。

食べ物レポート

寿司食べ放題に行ってしまった

最近すっかりご無沙汰の寿司食べ放題に誘われた。やはり歳と共に食べ放題で元を取るのは難しいと感じるようになり、思い出せる限りで最後に寿司の食べ放題新田の葉5年以上昔のことだ。
だから、なぜかワクワクしながら(無謀なことに挑む冒険気分で)暖簾をくぐった。

テーブルの上には戦闘準備がすまされている。箸と小皿と飲み物受けの3点セットがお出迎えだ。食べ放題だから余計なものはいらない。テーブルの上にあるのは醤油だけで良い。

食べ放題開始前に色々とルール説明がある。まあ、注文しすぎて食べ残さないことが最大のマナーだろう。そのためには一回の注文貫数に制限がある。二人で一度に20貫まで。ただし、注文が届いたら追加20貫が可能になるとのこと。
おそらく最初の20貫を食べ切る前におかわりが届きそうだ。納得の注文システムだろう。
そして、開始と共に提供されるのが「大トロ」と茶碗蒸しで、これがお通しみたいなものだろうか。「大トロ」のおかわりは出来ないそうで、大トロファンにはちょっと寂しいかもしれないが、こちらにとっては支障なしのルールだった。茶碗蒸しはあっさり目の味付けで難なくクリアした。

食べ放題の良いところは、好きなネタを好きなだけという注文ができることで、同行者はいきなりの中トロと赤身を5貫ずつというマグロオンパレード。こちらは軟体動物系で攻めてみた。合わせて見ると、なんだかそれなりに寿司の持ち合わせのように見えてくる。食べ放題でシャリ玉の大きい握りが出てくると、ちょっとがっかりするが、こちらでは適正サイズで美味しく食べられた。流石に、2度おかわりすると胃袋も限界近くなる。米を肴に酒を飲むと、満足度が上がるといつも思うのだが、食べ放題の時は米を程々にしないと絶望的な満腹感に襲われる。これもいつも反省することだが、学習効果に乏しいためか、今回も立ち上がるのが嫌になるほどの満腹感だった。お腹いっぱいになって、罪悪を感感じるようになるとは、嫌な歳になってしまったものだ。次に寿司食べ放題に行くのは、3年くらい先のことになりそうだ。